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179 米 中小銀行の資金流出動向など

米国経済で、今注目されることの一つは、
3月10日にシリコン・バレー銀行が破たんしたことを受けて
(1)中小銀行に金融不安が起きていないか、つまり、
 (A)資金流出(預金引き出し)が加速していないか?
 (B)FRBからの借入に頼っていないか?
(2)銀行は融資態度を厳しくし始めているもようだが、銀行の貸し出し状況はどうなっているか?

(1)中小銀行に金融不安が起きていないか、つまり、
 (A)資金流出(預金引き出し)が加速していないか?
流出は止まっているようだ。まずは一安心。

最後は3月29日(水)

 (B)FRBからの借入に頼っていないか?
FRBからの借入も増加していない。借り入れの内容が、通常借入(連銀窓口貸付)から、新たにできた貸付制度(BTFP)に振り替わっているようだ。新しい制度の方が有利だからだろう。
とりあえずは、銀行に信用不安が起きている様子はない。

最後は4月5日(水)

(2)銀行は融資態度を厳しくし始めているもようだが、銀行の貸し出し状況はどうなっているか?
銀行の融資には、企業向け融資(C&Iローン、商工業向け融資)、不動産開発融資、住宅ローン、消費者向けローン(自動車ローン、クレジットカードローンなど)などがある。
中小銀行の融資残高が急減している。信用状況の逼迫が見られる。借り手は金利上昇で苦しんでいるが、借入も難しくなっているようだ。米経済の重しとなっている可能性がある。

最後は3月29日(水)

以下、参考まで

これまで、銀行の融資について気にしていなかった(昔は、Senior Loan Officer Opinion Survey on Bank LendingやC&I Loansについて気にしていたものだが)ので、この辺の状況には疎いが、2016年末から直近まで中小銀行の融資残高は63%も増加している。大銀行は21%である。規模的には大銀行の方が大きいが、今後の動きとしては中小銀行の方が気になる。

商工業向け融資などは、中小銀行と大銀行では状況が大きく異なる。
新コロショックの時は、大銀行は融資を一瞬増加させたが、すぐに通常の状態に戻している。中小銀行は通常の状態に戻す動きが緩慢だ。




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