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日本株式相場の基本感 円安はいいが、海外経済不安

株式相場は、企業業績とPERの積である。式で書くと P = eps × per である。よって、相場の予想は、企業業績(eps)とperを予想して、両者の積となる。
・企業業績はグローバル景気動向を反映する。為替相場の影響も受ける。輸出企業という意味でなく、現法という形で企業の海外進出が進んだからである。
・per は金融環境を反映するが、日銀の金融政策は、相当長い期間、実質的に変化がないので、基本的にperは不変である。
・日本株において、こうしたアプローチができるようになったのは比較的最近(2008年頃)からである。それまでは、様々な要因(非常に速い成長、非常に高い含み資産、不動産バブル、その崩壊など)で、こうしたアプローチは難しかった。

今日のチャートは、株価とeps である。
日本では、株価は概ね過去12カ月の推計epsの15.5倍になる。
また、向こう12カ月の予想epsの14.0倍になる。

現在、株価は妥当と思われる水準より下にある。中国経済の減速、米国の金融引き締め、ウクライナ問題などから、世界景気が悪化することを懸念しているからだろう。
現在株価は妥当と思われる水準より上にある。予想epsが筆者の予想だからだろう。市場は、はるかに高いepsを予想している。

ここで断りを入れておかねばならない。過去12カ月や向こう12カ月のepsデータは公表されていない。(私が、運用会社に勤めているころは、過去12カ月や向こう12カ月のepsデータはBloombergやIBES、FactSetで入手していた。) なので、今は日経新聞などを参考に自分で推計している。

以上から、日本株相場をどう見るかだが、やはりカギは業績見通しである。円安は海外現法収益の為替換算益を通じて業績を押し上げるが、海外現法の業績が大きく悪化すれば、そうもいかない。10月~来年3月にかけて米国経済がリセッションに入る見通しもある。そうなれば、今の業績見通しは甘いということになる。
私は、世界中の株価に対して弱気である。

なお、具体的に、どのようにして企業業績を予想するかは、別の機会に行う。


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