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米 住宅価格下落 景気後退の始まり

米連邦住宅金融庁(FHFA)が9月27日発表した7月の全米住宅価格指数は、前月比で0.6%下落した。住宅価格の高騰と住宅ローン金利の上昇が背景。
フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)発表による米国の住宅ローン30年物固定金利
同時刻に発表された米7月S&PコアロジックCS全米住宅価格指数も、前月比0.24%下落した。前年同月比上昇率は+15.8%。
米住宅価格、上昇一服 前月比2年2カ月ぶり下落: 日本経済新聞

わかりにくいが、黒線の最後は前月比0.24%下落

住宅価格は可処分所得に比べ上がり過ぎていた(バブル)なので、利上げをきっかけに調整するのは当然だろう。
米国ではホーム・エクイティー・ローンが活発だが、これは住宅担保によるローンのことだ。日本では、住宅ローンは購入時に借りてそれで終わりだが、米国では住宅を担保に借り増ししていく。住宅価格が上昇すれば担保価値が高まるので借り増しができるのだ。しかし、住宅価格が下落すれば、担保価値が低下するので借り増しできなくなる。場合によって、一部返済も求められる。こうして、消費は減衰していく。リセッションへの入り口になる。

住宅価格が下落すれば、家計の資産は減少する。負債水準が高ければ、バランスシート不況につながる。日本の不動産バブル崩壊やリーマンショック(the financial crisis(金融危機))だ。幸いなことに、今回はパウエル議長も指摘するように、そのようなことはない。FRBは金融不安を心配せずに利上げできる。

(1) 資産に比べ、債務の比率は低い。

(2)可処分所得に対する債務の比率も大きく無い。

(3)可処分所得に対する借金の返済額も低い。(但し、金利上昇とともに返済利息は増えていく)

債務返済比率(DSR:Debt Service Ratio)
家計の可処分所得に対する住宅ローンと消費者金融への合計返済額の比率
債務返済(元本返済+金利支払)負担の対可処分所得比率

金融債務比率(FOR:Financial Obligations Ratio)
住宅および消費者ローンの元利払いに、①自動車リース料金、②借家賃貸料、③持ち家に付随する保険(火災保険など)、④財産税(プロパティー・タックス)、を加えた支払い額合計の対可処分所得比率であり、より広義の債務負担を示す。




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