185 米生産者物価(卸売物価)2013年3月
米国で、3月の生産者物価指数がインフレ圧力がさらに緩和したことを示し、金融引き締めが早期に終了することが期待され、金利は低下、ドル安、株高が起きた。
ドル円は、日本時の12日21:30にCPIの発表で133.7⇒133円と円高になり、13日21:30に生産者物価(卸売物価)の発表で133.15⇒ 132.15円と円高になった。その後、株高、金利反騰、ドル反騰(円に対して)になっている。なかなか難しい相場展開だ。
基本的には、景気減速⇒金融引き締めから緩和へ早期転換⇒株高、長期金利は緩やかな低下、緩やかなドル安(為替は相手があるので一概には言えないが)という展開になっている。
景気減速とは言うもののリセッションにはならず、インフレは徐々に沈静化が明白になり、短期金利も低下していくという、比較的都合のいいシナリオを市場は想定している。このシナリオのどこかが崩れれば、今の基本相場展開は変わってくる。
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3月の生産者物価指数=卸売物価指数(最終需要向け製品・サービス)は前月比▲0.50%。前年同月比では2.748%の上昇(2月は同4.94%)。
生産者物価指数=卸売物価指数は生産者や小売業者、物流業者などの企業間で取引される製品やサービスの価格変動を映す。最終的に消費者向けの物価にも影響する。
食品、エネルギー、貿易サービスを除いたコアPPI(生産者物価指数)は前月比0.07%上昇、前年同月比では3.64%上昇(2月は同4.51%)。
注)何故「貿易サービス」も除くかは説明を省略するが、興味があれば次(pdfファイル)に説明がある。
Frequently asked questions on the Producer Price Index (PPI) for Final Demand
3月PPI(生産者物価指数=卸売物価指数)が大幅に鈍化した背景には、サプライチェーンの正常化や商品価格の下落がある。
FRBが物価目標のターゲットにしているPCEデフレーターは生産者物価とは大きな乖離ができている。その意味でも、消費者物価のサービス価格の動向、賃金上昇率の動向が注目される。
なお、同日発表になった新規失業保険新線数も景気の減速を示している。
ただ、雇用市場の弱まりまでは示していない。