631 FFレート予想(FRBの考え方)
FRBは今後のFFレートについて、どう考えているのだろう?
(1)インフレが悪化するリスクと雇用市場が悪化するリスクのバランスを勘案。 少し前までは、インフレ悪化リスク抑制のみに集中していたが、今は、インフレ鎮静化を確信している。雇用市場も底堅いが、リスクのバランスは、インフレ率上昇リスクより、失業率上昇リスクの方が高い。
(2)失業率は悪化し始めると早いと考えていて、労働市場は現状維持に留意している。なので、労働市場が悪化していなくても、そうならないように利下げに踏み切っている。
(3)利下げの最終ターゲットとしては中立金利が考えられるが、中立金利自体が不明瞭なので、実際的にはターゲットにしにくい。(コンセプトとしては成立しても、わからないものはターゲットにできない。)
従って、テイラールールも利用しにくい。
(4)インフレ懸念を招くような事態にならないために、実質金利(FFレートーコアPCE価格指数前年同期比増加率)がマイナス(金融緩和的)にならないように。
(5)FRBは少し前まで急速な利下げを意識していたが、そこまで急ぐ理由について明白な説明をしてこなかった。現状の金融引き締め状況をこのままにすれば、何かリーマンショックのようなイベントがおきるのではと、恐れているのではないか?考えられるイベントは、商業用不動産市場の崩壊により中小金融機関の破たんが連鎖するリスクである。
(6)以上を考えながら、出てくる統計でチューニングしていく。そのなかでも、キーとなる統計は失業率である。具体的に、どのようにチューニングしているのだろう?
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