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184 3月の米国消費者物価 インフレは沈静化していない

米国消費者物価の発表があった。

金融政策のターゲットは「PCE価格指数の前年同期比上昇率が2%」であるが、発表が遅いこと、データの元が同じであることから、発表が早いCPIが市場で注目される。
(注)PCE価格指数とCPIの違いは、計算方法の違いもあるが、PCEの方が幅が広いことである。

そのCPIについて、
(1)変動が激しい食料とエネルギーを除いたコアCPIの前年同期比上昇率が2%以内に収まること
(2)コアCPIの前月比、3か月前比上昇率の年率換算が2%以内に収まること
(3)家賃を除くサービス価格の3か月前比の年率換算が2%以内に収まること
が注目点である。

さて、今回発表された総合消費者物価上昇率は低下が続いている。エネルギー価格の低下の要因が大きい。
食料とエネルギーを除く消費者物価上昇率は高止まりしている。家賃の上昇率が高いままだからだ。住宅価格が低下してきているので、いずれ低下してくるだろうと思われるが、なかなか低下してこない。

パウエル議長が注目する家賃を除くサービス価格の3か月前比は、まだ年率2%割れには至っていないが、低下トレンドにあるようだ。
次回FOMCでは予定通り0.25%の利上げがなされ、その後は様子見ということになりそうだ。

今のところ、物価で問題なのは、家賃だけだろう。低下に時間がかかっているが、様子見するしかなさそうだ。

もう一つFRBが注目しているのは食料、・エネルギー・家賃・中古車を除く指標である。価格が下落している中古車(Used cars and trucks)を除くと、まだ高い。
参考 Table 1. Consumer Price Index for All Urban Consumers (CPI-U)
米国の消費者物価は下落方向にあるが、目標(コアCPIの前年同期比上昇率が2%以内に収まること)にはまだ遠いということだろう。

以上の通り、米国の消費者物価の状況はまだモヤモヤしている。今回は特にわかりにくかった。
これを受けて、金利、為替、株市場も戸惑いを見せた動きとなった。



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