292 米 金利上昇 ドル高　2023/9/5

米国債利回りは、世界的なインフレ懸念の中で上昇、ドルを押し上げた。
背景は、
(1)原油価格の上昇でインフレ懸念が再燃していること。
原油価格の上昇は、サウジの減産と米国の戦略備蓄の急激が背景。特に、これまで原油価格を押し下げてきた戦略備蓄の放出がなくなり、むしろ積み上げ需要が懸念されるのが大きい。

米国の原油戦略備蓄は急減している。

(2)クリーブランド連銀が発表する8月および9月の消費者物価指数の推計値・予測値（ナウキャスト（Nowcast））が反騰していること。

次図は、7月までのCPIとコアCPIの前月比のグラフである。
クリーブランド連銀ナウキャストでは、

以上により、インフレ抑制の為、FRBの利上げが続くことが懸念されている。
この懸念は、先週金曜日の予想を下回る雇用統計の後に始まり、今週世界的に再開された。10年物米国債の利回りは雇用統計前は4.1%を下回っていたが、先週の金曜日クローズには4.18%となり、今は4.23%を上回っている。これにより、ドル高となっているが、中国経済不安から元安が起き、これもドルを押し上げる要因になっている。