プログラムを卒業する
多くの英会話スクールと違い、KECには卒業があります。受講生とのお別れが近づくと、毎回ちょっぴり切なくなってしまいます。でも、そこはぐっと我慢。もちろん引き止めたりはしません。プロですから。
「継続は力なり」と言いますが、これは「いつまでも誰かについて、習い続ける」という意味ではありません。「英語を話せるようになりたい」と本気で望むなら、滑走路を高速で走って飛び立つような、短期間に集中して学ぶ体験を経て、独り立ちすることが必要です。
受講期間を決め、受講中はたっぷり学んで、必要なことが身についたらとっとと飛び立っていく。そこから先は、自分で改良・改善しながら学習を続ける。これってたぶん、英語に限ったことではありません。
STEP 10 修了~今後の目標
このステップでは、自立した学習者として、コーチの手を借りなくても英語を学び続けていけるように決意をかためます。受講生はプログラムを通じて学んだことをもとに、自分の考え方の癖、強み・弱みなどを客観的に見つめ、今後それらとどうつきあっていくか考えます。
この段階に来ると、受講生の課題に取り組む姿勢、顔つき、受け答えなどが、体験セッションの頃とはずいぶん違っています。たった数ヶ月間、しかも受講生たちは初めて会ったときから立派な大人だったわけですが、「大きくなったなぁ」なんてしみじみすることもあります。
似たような感覚は、かつて教室で子どもたちの前に立っていた頃にもありました。学習者の変化を見届ける喜び。教育に携わる人なら誰もが味わう感覚でしょう。でも、コーチとして大人の受講生と1対1で、一緒に考え、がっつり濃い時間を共有してからの「大きくなったなぁ」は、またひと味違うのです。
受講生とともに、私も自分のパフォーマンスを振り返ります。フィードバック、資料の内容や渡すタイミング、セッションの経過など。つい反省点ばかりが目についてしまいますが、なるべく「けなさないで、正当に評価する」ことを心がけます。課題の説明やWikiの構成は、気がついたことがあり次第どんどん改良します。受講生から学ぶことはどれも貴重で、とても有益です。
修了生サポート
KECのプログラムの目的は、自立した学習者になること。このプログラムを修了した受講生は一人でもちゃんと自分の英語学習をリードしていくことができます。
でも、環境が変わったり、使う英語が変わったりすることで、新たな疑問がわいてくる場合があります。「今の自分をコーチに見てもらったら、どうなるかな?」と思うこともあるかもしれません。そこでご用意しているのが「修了生サポート」です。(詳しくは『"卒業"後もサポート』をご覧ください。)
修了生サポートのアイディアは、言語コーチのコミュニティにヒントを得ました。私たち言語コーチは、普段は世界中に散らばっていますが、定期的にオンライン上で "touch base conversation" をおこなっています。プログラムを修了した後もコーチ同士がゆるくつながり、脳科学の最新情報をシェアしたり、悩みを打ちあけたりしています。
「困ったときは、あそこへ行けばいい」という場所をもっているのは心強いことです。サポートの利用があってもなくても、英語学習を続けていてもやめていても、KECでの経験が受講生の日々のどこかで役立っていたらうれしいです。
Photo by Saad Chaudhry on Unsplash
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