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「気が付くと子どもの英語力がぐんぐん伸びている『おうち英語』」を読んで
著者の小河園子さんは、国公立高校などで40年間英語の先生をしてこられました。
私はこの2年程の間に、エッセイを書くサロンや、出版のコミュニティ等で小河さんとご一緒させていただくことがあり、また私自身も学生時代は英語が1番好きな科目だったこともあって、ご縁を感じていますー。
小河さんは、ご自身も高校時代アメリカに留学された経験があり、多くの教え子達の海外留学実現をサポートされてきました。
そして、ご自身の息子さんをはじめ、グローバルに活躍する人材の育成に貢献されてきたのです。
「英語」は私が学生時代、1番の得意科目で、試験前には教科書の本文を嬉々として丸暗記していたりしました(笑)。
残念ながら英語の専門家にはなれませんでしたが、現在は自分が取り組んでいる「西陣織」でのビジネスの海外展開を見据え、50代半ばにして再び「英語」を学ぶことへの情熱を再燃させていたりします。
私が学生だった昭和時代とは異なり、今は小学校から英語の授業があります。
私は文系人間で、語学にも興味がありますが、「英語」に苦手意識をおもちの方もきっと少なくはないでしょう。
実を言うと、今現在の私は、日本人であれば「英語」よりもまずはちゃんとした「日本語」を使えることの方が重要ではないか、と考えている一面があります。
全ての人が「英語」を出来るようになることを目指さなくても良いのではないか…と。
けれど、現実に小学校の義務教育で「英語」の授業があるのですから、勉強しない訳にもいきません。
出来ることなら「英語」が分からなくてつまらないと感じたり、「英語」を学ぶことを苦痛に感じる子供たちができないで欲しい。
「英語」を学ぶことは楽しい!ー 子供たちにそう思ってもらえるように、是非本書を手にとっていただけたら、と思います。
この本を読んで「おうち英語」の一番素敵なことは、親と子が一緒に「英語」を学ぶことを通して、コミュニケーションを深められることではないか、と感じました。
子供に一方的に勉強を押し付けるのではなく、親も、子供が日常生活の中で自然に英語に触れ、その子の好奇心に合わせて楽しみながら「英語」を吸収出来るように、環境を整えてあげることが大切なのではないでしょうか。
本書の中で私が特に印象に残ったのは、小河さんが「おうち英語」以前に「日本語での親子のコミュニケーションがしっかり取れていることの大切さ」を強調しておられる点です。
具体的には、「子供の話をしっかり聞いてあげる。」 「子供の言葉にならない意図を言葉にしてあげる。」など、親子間での言葉のキャッチボールが出来ていること、信頼関係が築けていることが大切であると書かれているところです。
恐らく、親子間のコミュニケーションが上手くとれれば、子供の自己肯定感も育っていくのではないかと感じました。
もう1つは、英語が多少上手かどうかということよりも大切なことは、「人として信頼できるかどうか」であると言われている点です。
グローバルなフィールドで活躍する為には、様々な文化や考え方をもつ人達と関わっていかなければなりません。
「英語」はその為に必要なのですが、本当に大切なのは、自分自身を肯定しつつ、同時に相手のことも尊重するという精神。(= I'm OK. You are OK.)
そしてそのに先に、それぞれの個の良さを持ち寄って、生かし合い、1人では「できない」ことを「できる」に変える力。
それこそが、「おうち英語」が目指すものだと言っておられると感じました。
そして、私ももう1度童心に返り、純粋に英語の音を楽しんでみたい ー
無性にそう思えてきました。