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NEX_FEST at 幕張メッセ

NEX_FESTを見に行ってきました〜
Bring Me The Horizon(以下BMTH)、前回の来日時ごろからそろそろ見たいなあと思っていたのですが、なんと日本でフェスを開催するとのことでまず驚いたのが夏頃。
その後アクトの発表があり、前から気になっていたI Prevailも出るということで、思い切ってチケットを買いました。

自分が同行者と海浜幕張駅に着いたのが10:30頃。
いつもの幕張メッセでのフェスの感覚であれば、この後オフィシャルグッズ購入&入場で余裕でYOASOBIには間に合うな…と思っていたら、そこには長蛇のグッズ待機列が。
仕方ないのでグッズは諦めて入場。それでもクロークの列に並んでいたらいつの間にかYOASOBIの出番が迫ってきました。そのため、なんとかクロークにバッグを預けて、当然のようにAlice Longyu Gaoも見ることができずにメインフロアへ。

YOASOBI

トップバッターはYOASOBI!!!
「夜に駆ける」からのスタートで、お次は「祝福」。
いきなりのキラーチューンに会場も湧く中、MCでもayase(Composer)がBMTHへの熱い思いを吐露。ayaseが過去にメタルコアバンドをやっていた事実と相まって、一気にオーディエンスの心を掴んでいたように思えました。
また、J-POPアクトとしての実力も見せたいとの宣言もあり、そこからも「怪物」や「群青」などのヒットソングの連発。そしてラストに「アイドル」をプレイ。これには会場の熱気もさらに上がり、フロア後方でもオタ芸をする客が現れていました。
さて、このYOASOBIですが、まずアクト発表時点でかなりの注目を集めたアクトでした。そして、その注目度はそのままフロアに現れていて、彼らがスタートする時点でカメラのある鉄塔より後ろにまでオーディエンスが溢れるほど。
自分は幕張メッセの9-11ホールで行われるフェスに幾度となく足を運んでいますが、この時間帯にここまでフロアが埋まっているのは初めて見ました。
結果としては、その期待値に十分見合う、もしくは上回るほどのパフォーマンスだったと思います。
まず、まあこれは予想通りですが、ヒットソングが多い。
流行りなんて微塵も知らないはずのメタラーの耳にも届くほどパワープレイされていたYOASOBIの楽曲。それだけ街中で流れていたメロディーが爆音でプレイされるだけでまずなんかアガる。
その上、ikura(vo)のボーカルワークも素晴らしかったですね。発声も音程も非常に安定していて、音源通りの芯のある美しい歌声が響いていました。流石に世間を席巻しているだけありますね。
個人的に、YOASOBIの楽曲は少ない音色でより豊かな表現を目指しているように感じているのですが、そうするとよりボーカルにかかる比重は重くなるわけで。その大役をこなせる素晴らしいボーカルでした。
楽器隊はサポートメンバーを集めているだけあって安定感は抜群。同期音源とも違和感なくシンクロしていたと思います。ベースの力強さを感じられたのは生バンドの良さが出た場面でした。
音響面でも、幕張メッセという会場にしては健闘していた方かなと。特に、このユニットのボーカル以外のバランスってかなり難しそうだなと思ったのですが、それを絶妙なバランスで成り立たせていたと思います。ただ、まあ音の輪郭が少しぼやけてグチャッとなって閉まっていたのは仕方ないかなとは。しかし、この時自分はフロアの後方で見ていたのですが、前方で見ていた人は音がめちゃくちゃ良かったと言っていたので、場所の問題もあると思います。
日本のポップシーンのクオリティーを思い知らされたステージでした。
なお、フロアでは各所でピットやウォールオブデスが発生したらしく、後に話題になっていました。まあメタラーには”音楽に乗って体を動かす”となるとダンスではなく暴れるかヘドバンしか選択肢がないので…。

その後、花冷え。のためにサブステージに向かったのですが、既に人で溢れていたため断念。これ以降も何度かサブステージへ向かいましたが、常に人で溢れていて、結局サブステージのアクトを見ることは出来ませんでした。
そのため、フードエリアでローストビーフ丼をかっこみ、再びメインフロアへ。

I Prevail

メインステージ2組目はI Prevail!!!!!
米国産メタルコアバンドが奇跡の初来日です。
そんな彼らのステージは「Bow Down」からスタート。
一般エリアの前の方に突っ立っていた自分はグイッと押され、気がつけばほぼ最前に。
そこからは新譜や2ndからの曲を中心に披露していました。前方というだけあって、自分の周りはジャンプにモッシュに時折クラウドサーフのはちゃめちゃ状態。加えて、クリーンパートを熱唱している人も結構いたのが印象的でした。このバンド、自分が思っていたよりも日本で人気なのかも。
中盤からは神戸や名古屋とは少し趣向を変えたセトリに。まず、「Raining Blood」のカバーのみならず、Limp Bizkitの「Break Stuff」もプレイ。あのシンプルなリフと跳ねるリズムに会場は一気に揺れました。世代的な問題もあるのでしょう、「Raining Blood」よりウケが良かったような気がします。
そして、何より1stから「Come And Get It」の選曲。個人的にはこれが嬉しかったです。ワープドツアー2017の動画で彼らがこの曲をプレイしているのを見て、I Prevailというバンドを知ったので、いつか生で聴きたいと思っていましたが、ここで叶うとは。名古屋までのセトリになかったので諦めていたところ、ラッキーでした。とは言っても、音響がよろしくなかった+急に始まったので一瞬何かわからず、サビくらいまで疑心暗鬼だったのですが。
ラストは「Gasoline」で締め。ライブを通して、Eric(vo)が何度も感極まっていたのが印象的でした。
さて、後から振り返ると、このバンドはこの日メインステージに立ったアクトでは、唯一シンプルな構成、そしてパフォーマンスをしたアクトでした。
映像やパイロなどもなく、MCもシンプルに済ませ、淡々と曲をプレイするタイプ(もちろん熱はしっかりとありましたが)。
そして海外のバンドということもあり、個人的にはオーディエンスにウケるか結構不安ではありました。
しかし、蓋を開けてみればそんな心配をする必要はなかったわけで。
自分が前方で見ていた、ということもあるとは思いますが、それにしてもフロアは盛り上がっていたと思います。周りからの歌声も大きく、元から聴き込んでいたファンの多さがうかがえました。
確かに、彼らの音楽性はとっつきやすい方だとは思います。ビートもシンプルですし、クリーンパートのメロディーがアメリカのポップスの匂いっぽい、つい歌いたくなるキャッチーさが前面に出ています。
ですが、その一方で、ヘヴィーなリフと荒々しいグロウルも併せ持つ純粋なメタルコアでもあるわけで。しかも英語で歌うアメリカの来日経験もなかったバンドだと考えると、正直ここまでの人気は想像できませんでした。
まあ、知名度だけでフロアは湧くわけではなく、彼らのその場でのパフォーマンスも重要なファクターだったとは思います。
叩き上げのメタルコアバンドなだけあって、楽器隊は手堅いプレイ。そして、両ボーカルもパワフルに歌い上げていました。
特にクリーンボーカルがヨレずにしっかり歌えていたのは大きかったと思いますね。彼のパートで大合唱が起こっていたので。
ドラムのバスドラだけやたらクリアに聴こえるのは気になりましたが、音もあの会場にしては良かったのではないかと思います。まあああいうブリブリしたリフを弾くタイプのバンドはどうしても楽器隊の音の棲み分けが難しそうで、今回もあまり良く聴き分けられなかったです…。
この勢いなら次の単独来日、もしくは日本のバンドとのツーマンなんかも見込めそうでした。

マキシマム ザ ホルモン

I Prevailで体力を使い果たし、後方でボーッと座っていたら始まったのがマキシマム ザ ホルモン!!!!
1曲目の「maximum the hormone」で急いで立ち上がりました。
このバンドを見るのは2回目。3月のKnot Fest以来ですね。今回見たアクトで唯一見たことのあるアクトでした。
その後は「シミ」や「maximum the hormone II 〜これからの麺カタコッテリの話をしよう〜」などが続きました。この2曲は初めて聴くことができたので嬉しかったです。
さらには「F」ではフリーザらしきシルエットが登場するなんていう一幕も。この曲のMADを狂ったように見ていた世代としてはこれも嬉しい限りです。
締めは「恋のスペルマ」。「恋のメガラバ」をやらなかったのは想定外でしたね。
個人的には2回目のホルモン、感想としては初めて見た時と変わらず。
割とラフな(いい意味で)演奏がグルーヴを生み出し、彼らのノリにフロアを染め上げていくスタイルでした。
ハードコア〜ポップパンク〜スラッシュメタルを反復横跳びするかのように自在に行き来するサウンドがキャッチーで魅力的なのはもちろんですが、キーとなるのはあのアナログ感。
ある程度のリズムのブレやトランジションのズレがその場限りのリズムを生み出し、サウンドに人間味が宿る…とでもいうべきでしょうか。
特に、今回のフェスではモダンな音像を志すアクトが多かった中で、スパイスのように良いアクセントとなっていたと思います。
また、音像はしっかりメタルなのに、パフォーマンスはコメディー一辺倒なのはやはり強い。
この日はメタル/ラウド系フェスということもありモッシュの煽りなども行っていましたが、それ以外にも演奏以外の見どころがとても多かったです。
前述した「F」のバックに流れる映像や、”NEX_FESTならぬNECKS_FESTや〜”というネタなど、モッシャー以外も楽しめそうなコンテンツが盛りだくさんで、後方で見ていてもしっかり楽しめました。
こういうところが一般層にも名が売れてる秘訣ですよね。下手したら家族連れでも楽しめてしまうような普遍的なエンタメ。
しかし、やはりそれでいてサウンドはしっかりアグレッシブだという一面が、このバンドの重要なポイントかなと思います。
ホルモンを初めて見た同行者も、普段YouTubeとかで見る姿とは全然違ったと面食らっていましたし。
メタラー/ラウド系ファンからするとエンタメだけじゃないバンド、それ以外の人からするとなんか面白い激しいバンド。そんな上手な立ち位置を維持できるだけのクオリティーが備わったバンドだと改めて思いました。

YUNGBLUD

次に登場したのはYUNGBLUD!!!
イギリス出身のシンガーですね。自分は最初ラッパーだと思っていたのですが、調べてみるとラッパーと書かれていることは少ないみたい。
彼のライブは「21st Century Liability」で幕開け。「The Funeral」などポップでシンガロングのやりがいがある曲と、ラップメインの彼の持ち味を活かした曲が続く中、「Happier」ではOliverとの共演が実現。彼らを模したキャラクターのイラストの前で歌う姿は、今回のフェスの醍醐味とも呼べるものでした。聞くところによると、この曲自体は神戸と名古屋でもやっていたようなのですが、コラボしたのはこの日だけだったみたいですね。
個人的には「Lowlife」も聴けて満足。シンプルかつ強いビートと気怠げな歌詞と歌唱がなんともクセになるんですよね。フロアのウケは思ったより良くなかったのですが、自分はちゃんと熱唱しました。
さて、このYUNGBLUDですが。後から振り返ると、この日のメインステージにおいて1番アウェーなアクトだったかもしれません。
日本のバンドは既に日本にファンベースがあるし、BMTHも来日経験が何度もあります。また、I PrevailにはBMTHの音楽性とは親和性があるというポイントがあります。
しかし、YUNGBLUDには強固なファンベースも、似通ったシーンも日本には欠けているわけで。
彼の出番前、少し空いたフロアにはその実情が現れていたのかなと思いました。
しかし、それは彼に実力がないからではなく、日本のリスナーが単に彼を見つけていないだけであることを、その後自分は学びました。
彼にはいわゆる"ロックスター"めいた華やかさがあるんですよね。
音楽性としては、ヒップホップを中心としたもの。基本的にはアップテンポで、ポップパンク調のロックテイストをブレンドした曲が多いかなという感じ。
まず、このポップパンク由来のシンプルなリフにキャッチーなメロディーが乗る構成は、歌いやすくノリやすい。「The Funeral」なんか典型的です。
加えて、ヒップホップの要素(ラップやパーカッション、ホーンなど)と織り交ぜることで、古臭さを感じさせないモダンなロックサウンドに仕上がっているんですよね。
この楽曲の時点で、現代における"ロックスター"となるポテンシャルがあるわけですが、それだけではないのが彼の魅力。
特に、悪ガキめいたステージングが面白いです。とにかく一挙手一投足がやんちゃで明るい。オーディエンスにf◯ckと言わせておいてなんで?って顔をしたり、死ぬほどジャンプを煽ったりと、とにかくわちゃわちゃ。
この様子を見ているだけで、オーディエンスは自然と彼のノリに引っ張られていくのを感じたことでしょう。大掛かりなセットや派手な映像に欠ける中、十分に魅力的なステージングができていたのには、このような側面があったからだと思います。
最終的には結構盛り上がった良いライブだったと思います。ラップパートのノリ方や、振られたパートを歌えないなどの課題点も見られましたが、まあそれは演者もオーディエンスも数をこなせば慣れるでしょう。
ただ、次は誰が彼をどう呼ぶんだろう。単独とサマソニ以外に思いつかない…。

BABYMETAL

I Prevailで使い果たしたエネルギーがようやく戻ってきたな〜と思っていたら突如暗転し、始まったのはBABYMETAL!!!!!!
気づけばフロアにもかなり人が集まってきていました。この日はBABYMETALのマーチを身につけていた人も多かったですし、注目アクトだったのは間違いないでしょう。
自分としては見るのは初めて。もちろん存在は知っていましたし、曲もいくつかは知っていましたが、しばらくは興味がない状態が続いていました。
しかし、再始動後くらいから興味を持ち始め、今回見ることができる機会があるということで楽しみにしていました。
ライブは「BABYMETAL DEATH」からのスタート。予備知識もあまりないため、これが定番なのかはわからないのですが、重厚な刻みリフと〇〇-METAL DEATHという自己紹介のギャップがなんともシュールでした。
その後の「ギミチョコ!」でフロアのテンションはぶち上げ。「PA PA YA!!」もかなりウケていましたね。この辺のナンバーは発表時にかなり話題になりましたし、彼女たちのファン以外にもリーチしているように感じました。
中盤に入ると、選曲にもバリエーションが生まれていました。ヒップホップ調の「BxMxC」なんかは初めて聴いたのですが、振れ幅に思わずクスッときてしまいました。SU-METALがまた大真面目に歌いこなしているのがシュールでしたね。
新譜からの選曲はファン含めフロアがリアクションに困っていた印象。自分は「Monochrome」を聴くことができて大満足だったのですが…。まあサビはキャッチーでもあとは明確なフックに欠ける曲ばかりなので仕方ないでしょう。メタルってそういうもんだし。
「メタり!!」からは元のテンションに戻って続行。そこからは「メギツネ」からの「Road of Resistance」で締め。後者では演者からフロアまで大団円のような感じで大盛り上がりでした。自分はそこまで聴き込んでなかったのでそのノリについていけなかったのが残念でしたが…。
さて、端的に言うと、BABYMETALは自分の中でこの日のベストアクトでした。
まず、まあこれは予想がついていたことではありますが、やはりJ-POP由来のキャッチーなメロディーは強い。彼女たちが思ったよりメタルだった、と言う話は後述するのですが、それでもポップスらしい中毒性のあるフックを張り巡らせているのがこのグループの強み。初期曲を中心に、コールやシンガロングをしたくなるようなフレーズが盛りだくさんでした。「ギミチョコ!」ではあたたたたーたたーたたたずっきゅんって叫んでしまいたくなるし、「メギツネ」ではそーれ!とかチキチキわっしょい!とコールしたい衝動に駆られました。この露骨なフックはなかなか普通のメタルバンドにはできない芸当であり、それを当たり前のようにこなせるのはこのグループならではだなと感じました。
一方、メタルとしてのサウンドはどうだったかと言うと、これが思ったより本格的で(というか本物で)驚きました。まず、楽器隊が上手い。いや、上手いなんてもんじゃない。あれはメタルアクトとしてもトップクラスの実力でしょう。どの楽器も音の粒が綺麗に揃っていたし、リズムにもズレが感じられない最高峰のクオリティー。後で、今回の神バンドにはERRAのメンバーなどが加わっていたと聞き納得しました。それは上手いわ。
加えて驚かされたのは、SU-METAL(vo)の歌唱力。前から伸びやかな歌声だなあと思っていたのですが、ライブでもここまでできるとは思っても見ませんでした。声量はかなりあるようで、バンドサウンドにも負けないどころか、会場を飲み込むようなパワーに溢れていました。ピッチもかなり正確で、クリアで伸びやかな声質の良さを十分に引き出していたように感じます。自分が今年見たボーカリストの中でも一位を争う出来でした。
そして、恐らくこのクオリティーには彼らのPAチームもかなり貢献していると思います。個人的にはこの日一番音響が良かったのはBABYMETALでした。音数も多い中、バンドサウンドを潰さないだけでなく、SU-METALとの声のバランスも上手にコントロールしていました。彼らの仕事のおかげで、メタルサウンドとJ-POPのキュートな感覚を共存させることができているのだと思います。
この日で一番の衝撃でした。もう日本で主催フェスくらい開催できそう。てかやってくれ。

Bring Me The Horizon

トリは主催者、Bring Me The Horizonです!!!!!
転換中、BABYMETALを見ていたオーディエンスはその余韻を引きずりながら、サブステージから移動してきた人々は期待を胸に抱えながら(多分)、フロアの雰囲気が徐々に高まるのを肌で感じました。
自分がこのバンドを見るのももちろん初めて。『That’s The Spirit』がリリースされた辺りで知り、それからちょくちょく追いかけていました。
そうこうしているうちに暗転。ステージ両脇のスクリーンにてゲームっぽい映像(女性キャラとそのセリフが映されていた)が流れ始めました。
そして「Can You Feel My Heart」からスタート。
『Sempiternal』にわかの自分はここではピンと来なかったのですが、「Happy Song」あたりからやっと実感が湧いてきました。
本編は最近の曲メインのセトリ。そこに時折『Sempiternal』期の曲を噛ませてくるという感じでした。
自分としては「Follow You」を聴くことができたのが嬉しかったですね。あのショッキングなMVに衝撃を受けてから幾星霜、ここで生演奏を目撃することができるとは。
アンコールは「Itch For The Cure (When Will We Be Free?)」からのスタート。その流れで「Kingslayer」に突入。オリバーがBABYMETALの三人をステージに招き、ここでもコラボが実現。予想されていたことではありましたが、このフェスで一番盛り上がった瞬間はここでしたね。イントロから合唱(というか絶叫)の嵐でした。「Drown」ではオリバーがまさかのPA卓の後ろの鉄塔に登って歌うというサプライズ。過去何度もこの場所でフェスに参加していますが、ここまで来たアーティストは初めて見ました。
締めは「Throne」。ここまでラストにふさわしい曲だとは思いませんでしたが、いざ始まったらアガるアガる。やはりティーンの頃に何度も聴いていたサウンドは心の奥底に染みついていました。
全体を通して、素晴らしいパフォーマンスでした。
実のところ、前のBABYMETALにかなりの衝撃を受け、自分はBMTHが食われてしまうのではないか、とまで感じていました。
しかし、終わってみれば、さすがに主催者だけあってそんなこともなく。
端的に言えば、ここ数年の路線を活かしたライブだったと思います。
まず、気合の入った世界観は、バンドのスケールを一段引き上げていたように感じました。
そこには新興宗教 VS それに反抗する組織のストーリーがあり、幕間の映像と曲中の映像でどんどんその物語が進んでいき、最後には新興宗教はKingslayerによって打ち負かされるといったもの。その世界観は近年の曲やMVとリンクしていて、その再現となっていました。曲そのもののみならず、それに付随する表現をまとめ上げ、こういった形でパフォーマンスを可能にするといった芸当は、もはや普通のバンドのそれではないでしょう。
また、映像のクオリティーそのものにも驚かされました。特に、どこだかの曲中で建物がモンスターに襲われるシーンの臨場感はかなりのものでした。確かに目を凝らせばステージのセットが透けて見えて、投影していることが分かるのですが、あまりのリアルさに一瞬戸惑いました。
一方、音も完成度の高いものでした。純粋に音響という観点で考えると、そこまでクリアではなかったかもしれませんが、とにかくBMTHの音楽性との相性が良かったです。
「Kingslayer」のイントロのような、印象的なシンセサウンドをしっかり会場内に響かせる一方で、バンドサウンドはやや輪郭がぼやけた形に留める、という『amo』以降の路線にフィットした形式だったと思います。実際、初期曲で急にソリッドなサウンドになると、引き締まりすぎて若干こじんまりとした音になっていました。
まあ、バンドサウンドがぼんやりしていたと言うことは、裏を返せば個々のプレイについてはそこまで明瞭ではなかったというわけで。でも、そういう点で評価されてるバンドではないのでここはいいでしょう。唯一ドラムの音作りは印象的でしたね。高く響きすぎない仕上がりになっていて、リズム隊としてサウンドの根幹を担う役割を果たしていたと思います。
楽器隊の印象はそれほどなくても、ボーカルの存在感というのは拭えないものですが、その点オリバーは素晴らしかったです。歌唱そのものは正直辛そうだなあという感想を持ちました。まあ、アジアという慣れない場所でのツアーですし、日本における4公演は日程もタイトだったので、喉の調子はあまり良くなかったんじゃないかなあと邪推しています。あと、特に初期曲は辛そうでしたが、あのスクリームは音源でも辛そうなので…(事実そんなにやりたくなさそうでした)。ライブが経過していくにつれてだんだん声がしゃがれていったのがよく分かりましたが、むしろリアルでクールな演出になっていたと思います。なんだかんだクリーンボイスにパワーとピッチの安定感はあったので、枯れた声がいいスパイスのような役割を果たしていました。
ステージングは一流。メタルコア/ハードコア由来のモッシュやサークルの煽りはもちろん、シンガロングの催促までパワフルにこなしていました。加えて、言葉には起こしにくいのですが、それ以上の魅力があったように感じます。何というか、彼自身に華があるというような、そんな感覚でした。ただのボーカルではなく、オリバー・サイクスという人間がここに立っているのだ、という存在感。前述した「Drown」におけるあの瞬間、別に誰にだって物理的には可能な行動であるにもかかわらず、何故かそれを強く感じました。
というわけで、BMTHはただのメタルコアバンドの枠を飛び越え、この世代のロックアイコンになったのだなあと実感したライブでした。

「Throne」終了後、エンディングの映像が流れる中急いでクロークへ。あまりの人の多さに危機感を抱き、さっさと海浜幕張駅に向かいました。結局自分達は無事東京行きの京葉線に乗れましたが、その後入場規制が本格的に始まり、電車を逃した人も多かったみたいでした。

以上、NEX_FESTの感想でした。
行くまでは内心どんなメンツやねんwと思っていましたが、終わってみると満足度の高いフェスでした。
次のライブは…この次の日に行ったMötley Crüe / Def Leppard!!!!!!

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