【FRONTLINE FESTIVAL 2024】 at CLUB CITTA'川崎
経緯
FRONTLINE FESTIVAL 2024に行ってきました〜
Sable Hillsが主催する”メタルフェス”ということで、去年初めて開催されたFRONTLINE FESTIVAL。
もちろんその初回の発表時から目をつけてはいたのですが、KNOTFESTで出費が嵩んだことで断念。
メンツもなかなか面白いセレクトだっただけに残念でした。時期さえ違っていれば…と思ったのを覚えています。
そんなわけで、今回は開催が発表された段階で早割チケットを購入。まあセイブルが集めるアクトなら間違いはないでしょ、とラインナップの発表を待ちました。
そしたら結局UnearthやらCrystal LakeやらKRUELTYやらと予想以上のビッグかつコアなメンツが揃うことに。思ったよりアンダーグラウンドに近いセレクトだったのは意外でしたね。去年はリベリオン等出ていただけあって、もっとポップかつメジャーなアクトでバランスを取ってくると予想していましたが、見事にポジティブに裏切られました。
こんな感じでライブ前から既に満足していたこのフェスですが、直前になって台風が直撃するかもしれないということで、文字通り雲行きが怪しくなってきました。
来日組の移動等懸念点が多いため、当日のみならず前後の日程も重要な今回のフェス。正直、その前の週末にはキャンセルの覚悟も必要かなあとぼんやり考えていました。
しかし、段々台風がスローダウン&弱体化していき、なんとか直撃は免れることに。海外からのバンドも次々にTwitter(X)で到着報告をポストし、一転無事に開催されそうな気運が高まってきました。(西日本からの参加は交通事情で断念されている方が多かったようですが…。)
そして当日。
少なくとも関東ではそこまでひどい雨は降らず、自分も家から川崎駅まで雨に降られずに行くことができました。それよりも暑さの方が堪えるくらいでしたね。
じっとりと暑さを感じつつ、会場前に到着したのは11時過ぎくらい。
開場が11時と予定されていたため、もうどんどん入っているかと思いきや、まだガッツリ入場列ができている状態。
ここでただ待つのもなあ、と思い、近くでケバブを食べてエネルギー補給。でも屋外だったのでダラダラ汗かきながら食べるハメになりました。
トイレなども済ませた後再度会場前に戻ると、どうやら入場がスタートした様子。
早割でチケットを買った関係上、自分の整番がさっさと呼ばれそうだったので、即待機列に並びサッと入場しました。
そのため、結局入場できたのは11:30くらい。
kokeshiのマーチを購入し、ロッカーに荷物を入れ、フロアへ。
自分は今回初めてクラブチッタに来たわけですが、まず気になったのは天井の高さ。
体感だと学校の体育館くらいでしょうか。このおかげで圧迫感がなく、実際のサイズよりもゆとりを感じられたのは良かったです。
またキャパシティが1300人という事実は知っていましたが、実際入るとさすがに広いですね。最近これほどの規模のライブハウスはご無沙汰だったので、新鮮でした。
あとはロッカーが多いのがありがたい。あれだけあれば足りなくなることはないでしょうし、荷物の心配をしなくて済むのは助かりますね。
一方、後述しますが、音響面では問題も。全体的に低音がボワッとしてしまうんですよね。
これは他の人が書かれているのも見ましたし、自分もそう思いました。
今回は特に後方で見ていた際に実感しましたね。
kokeshi
トッパーはkokeshi!!!!!!
ブラックメタル/ハードコアあたりを和ホラーのテイストとごちゃ混ぜにしたような世界観が特徴的なバンドですね。
結成も最近ですが、ここ1年くらいで知名度が急上昇している印象があります。
自分の整理番号が良かったせいか、結構ロッカー周りでもたもたしていたにもかかわらず、フロアに入った瞬間はまだガラガラ。
これはしめた、と思いするっと前方へ。さすがに最前列は埋まっていましたが、その一列後ろくらいには陣取ることができました。
予定通り12時ごろには暗転。
フロアの両側面にあったスクリーンにはエフェクトと共にkokeshiの名が登場。これが大型フェスみたいでテンション上がりました。まるでKnotfestかDOWNLOAD FESTIVALのよう。
そしてkokeshiはどう出てくるか…と思っていたら、なんと今回は儀式からのスタート!!!!
怪しげなSEが流れる中、白装束を身に纏った亡無(vo)が現れ、火のついた線香を持って踊り回っていました。そこからほんのり漂う香りは、オーディエンスの様々な記憶を想起させるもので、一瞬にして彼らの空気感を作り上げていたように思います。
楽器隊はそんな亡無の裏でしれっと登場。程なくして演奏もスタートしました。
そうして始まった曲は聴き覚えがなく、後で調べたところどうやら新曲のよう。
それ以外は『冷刻』からのレパートリーでした。
さて、個人的には何度も見ているバンドですが、こんなに広いハコで見るのは初めて(そしておそらくバンドにとっても)。
しかし、蓋を開けてみればいつも通りのkokeshiがそこにはいました。
ひたすら叫び続ける亡無と、その後ろでどっしり構える楽器隊の面々。もちろんMCもなく、煽りもなく。どこでも変わらない姿勢に美学を感じます。
そして、サウンドですが、これが結構バランス良く聴こえて満足感のあるものでした。特に楽器隊。自分は上手側の前方で見ていたため、亜光(gt)のアンプと向き合う形となっていましたが、それでも全く問題はなかったです。
ステージに近かったおかげか、ドラムの生音がバシバシ聴こえたのも印象的でした。スタジオに入っているかのような感覚でプロのドラマーの演奏を聴くというのはなんとも新鮮な体験でした。そして、そういう観点を持って聴くとやっぱり安定感が段違いでした…。圧倒的な存在感というべきでしょうか、とにかく全く聴いていて不安にならないんですよね…。やっぱこんなステージに立つバンドマンは一味違う。
一方、亡無は少しやりづらそうな印象。自分の位置の関係上、ボーカルの音が聞こえにくいことを差し引いてもちょっと埋もれがちでしたね。
まあ段々と迫力が増していき、ラストの「報いの祈り」のホイッスルボイスにはいつものブチギレ感がありました。
彼女のホイッスルボイスは、突き抜けた高音だけでなく歪みも加わることで、さらにノイジーになっているのが特徴で、それが炸裂したのがまさに「報いの祈り」における一幕でした。
自分としてはこれを聴きにいってるのでめちゃくちゃ嬉しかったですね。チケ代の元は取れたといっても過言ではないです。
悲壮感と危なさが同居する絶叫、何度聴いても飽きることはありません。
演者側同様、フロア側が見つめることしかできない雰囲気もいつも通り。
しかし、こういうときはただドン引きしているわけではなく、実際は結構ウケているようですね。
実際、kokeshi終了後、即Twitterでガンガン感想がポストされていたのを目にしました。やっぱりそういう光景を見ると、こういう音楽みんな好きなんじゃん、というある種の共感を覚えて嬉しいです。
まあDIR EN GREYが売れる国なんだから自明か…。
というわけで、kokeshiの感想でした。いつも通り確立された世界観を基にした最高のパフォーマンスでした。
年内にもう一回くらいは見たいなあ。
Earthists.
kokeshi終了後、一旦フロアから出てバーカウンターへ。
そして再度フロアに戻ったら既に前方はかなりの人口密度。まあモッシュにガンガン巻き込まれてもなあ…と思い、後方で大人しく見ることに。
そして再び暗転し始まったのはEarthists.!!!!
このバンドを見るのは初めて。前から名前だけは知っていたのですが、初めて音源を聴いたのは最近。その際に彼らのユニークな音楽性に興味を持ち、この日を楽しみにしていました。
その彼らのサウンドの特徴というのが、メタルコアとボカロ/アニソン的なエッセンスの融合。
重厚なバンドサウンドはそのままに、メロディーやピアノ、ギターのフレーズ等でボカロやYOASOBIなどを彷彿とさせる感覚を持ち込んでいるのが新鮮です。
普通メタルコアからポップな方向性に進むとすると、ポストハードコア的なスケールの大きさからのアプローチが多い印象ですが、このバンドはそうじゃないんですよね。
さて、ライブ自体ですが、まず思ったことはやっぱりノリが明るいな、ということ。しかもこの前に出ていたのがkokeshiということもあって、よりテンションの差を感じました。
サウンドはバンドサウンドのみならず、キックの強いダンスミュージックのようなトラックがガンガン鳴る瞬間もありますし、ボカロ的な鋭いピアノのフレーズには独特のカラーがありました。
また、踊ってくれ〜的なMCもあり、メタル特有の暗さは一切なし。
クラブやアニクラのような雰囲気さえあったと思います(あんまり行ったことないのであれですが)。
一方、ピアノや電子音とバンドサウンドが合わさって全て塊のような音像になっていたのは少し残念。
聴いている限りどうやら演奏自体はテクニカルだったので、それをもっと前方に出しても良いのではと思いました。まあ、音源からしてバンドサウンドとそれ以外が綺麗にまとまっているため、バンドの意向なのかとも思いますが…。
ラストの曲ではPromptsのPK(vo)とGraupelのSota(vo)、Sable HillsのUedaが飛び入り参加。
この辺は同期バンドなんですかね…?和気藹々とした雰囲気が印象的でした。
FLOYA
ここで再度前方へ。
どこまで行けるか…と探っていたらなんと2列目あたりのところまで辿り着いてしまったので、結局下手のほぼ最前に落ち着くことに。
ここまで来たは良いけど全然メタルじゃないバンドだからノれなかったら悪いな…とかこの時は思っていたのですが、そんな心配は必要なかったことを知るのはもう少し後。
サウンドチェックで早々にメンバーが出てきて少しプレイ。
Marv Wilder(gt)はどうも完全にPAにそのまま音を出しているらしく、ステージ上に一切スピーカーの類がないことが判明。また、ドラマー(正規メンバーではない?)のセットもバスドラは一つにタムも一つと超絶シンプル。さらにこの2人に加えて出てくるのはボーカルだけなので、他のバンドに比べてなんとも視界の良いステージでした。
ちなみに、このサウンドチェックの際にドラマーがちょこちょこ叩いていたのですが、この時点で抜群に上手いことがよく分かりましたね。音のキレが抜群でした。
そんなこんなでサウンドチェックも終わり、FLOYAのライブがスタート!!!!
と思っていたら1曲目からいきなりSable HillsのWataruが飛び入り参加。しかもなんかかなり上手くて驚いてしまった。
Wataruが帰った後もライブは進行。
Phil Bayer(vo)はガンガンオーディエンスと交流するタイプで、フロアに何度も駆け寄ってくれたのが印象的でした。
自分もハイタッチしてもらえましたし。
さらに途中スマホのライトを掲げるよう要求する場面も(確か「Stay」か「Yume」の時だったはず)。
海外のバンドはやたらこの演出好きですよね。
さて、そんなFLOYAでしたが、これがめちゃくちゃ良かった。
何が良かったってまずメンバー全員上手いこと。
前述したドラマーは技術はもちろん、音もバンドの音楽性に適合していました。スネアの硬めのパリッとしたサウンドが身軽で軽快さを演出するのに一役買っていたんですよね。
また、ギターはカッティング系のプレイが多めで、透き通ったサウンドが音源の印象と完全に一致していました。主張が強すぎないのもGood。
そしてボーカル。まあよく声通るしピッチも正確。バンドサウンドの中でも抜けてくるほどには声量があるのにクリアな歌声で、爽やかかつ美しさを感じるものでした。ブレもありませんでしたし、クリーンボーカルの技術だとこの日一番のものだったかと。
さらに、全体の音のバランスも最高でした。
シンプルなセットということを差し引いても素晴らしい仕事だったと言えると思います。音源の透き通ったイメージがそのまま再現されていました。
確かに、自分は最前にいたこともあり、ギターが少し聴こえにくかったのは事実です。しかし、それでも埋もれることはなかったのでOK。
いや、普段はこういうタイプの音楽を聴くことはないのですが、あまりのクオリティーに思わず聴き惚れてしまいました。
当初の心配はどこへ行ったのか、ちゃんとジャンプしてPhilとハイタッチまでしてしっかり楽しみました。
まあ、よく聴くとポストハードコア/メタルコアの片鱗も見えたんですけどね。ドラマーのプレイにはブレイクダウンのようなフレーズも組み込まれていましたし。
以上、FLOYAの感想でした。思わぬ収穫でしたね。サマソニなんかも合っていると思います。メタラーよりももっと然るべき層の人たちに早く見つかってほしいところです。
KRUELTY
急にお腹が痛くなり、転換中にトイレに篭っていたらいつの間にか時間に。
慌てて出てフロアへ向かうと既に始まっていたのはKRUELTYのステージ!!!!
このバンドを見るのは初めて。本当はNex_Festで見れたらと思っていたのですが、サブステージがパンパンで移動できず断念。それ以来いつかどこかで見れたらいいなあと思っていたら今回のチャンスが巡ってきました。
さて、慌ててフロアに入った自分の耳に飛び込んできたのはOSDM的ドロドロのリフワークとハードコア的キレのいいドラミングの集合体。先ほどのFLOYAの天国のような雰囲気からのあまりの落差に一瞬驚きましたが、少しして慣れるとスッと体に入ってくる感覚が。やはりエクストリームメタルは正義。
そんな中でもライブは進行。ときおり挟まれる煽りはかなりイカついものでしたが、打って変わってMCはちょっと軟化。
こういうバンドにしては結構長く話してくれるのに驚きました。しかもDying Fetus来日させたい、とか実はオリジナルメンバーのギタリスト(Ken)のステージはこれで最後、とか結構重要な話もあって興味深い瞬間でした。
ラストは時間が来てしまったということでセットリストを短縮して終了。こういう部分で律儀なところは信念を感じます。
さて、そんなKRUELTYのステージだったわけですが、想像よりはるかにメタル寄りのサウンドだったのが良かったですね。
ハードコアの界隈で主に活動してるだけあって、もっとパンキッシュなキレが目立つかと思いきや、沈み込むような重低音がメイン。そこにハードコアのリズムを持つドラミングが舞い込むことによって、デスメタルに(ちょこっと)軽快さを付与したようなスタイルに仕上がっているのが面白いです。
また、グルーヴのレベルが高いのか、自然に聴き入ってしまう演奏のクオリティーにも驚きました。世界の名だたるエクストリームメタルバンドとツアーを回っているだけあって、実力は本物ですね。とにかく気持ちよく聴くことができました。
DEXCORE
続いてはDEXCORE!!!!!
V系メタルの最前線を走るバンドですね。その中でも一番ラウドシーンに近いのがこのバンドかと思います(HYDEという大型新人は除いて)。
例えばDeviloofはジャパメタ系のイベントにも顔を出しますし、JILUKAはガッツリV系のイベントにも出演している印象がありますが、その点ではDEXCOREにはラウド系に強い印象があります。
そのため、今回のイベントに彼らが出演すると聞いた時も予想通りだなという印象でした。
さて、そんな彼らのライブですが、体感は一瞬。本当に他のバンドと持ち時間一緒なの?というくらい。
ラストの曲では煽りに合わせてダイバーが続出。この日で一番ダイバーが多かった瞬間ではないでしょうか。
そこ以外でも、ガンガン煽ってサークルピットやWODを誘発していました。煽りもエネルギッシュで、ラウドシーンとの相性の良さがうかがえました。
演奏はやはりかなりタイト。DeviloofやJILUKAにも言えることですが、この辺りのバンドの演奏力はラウド/メタルコアシーンでも屈指のもの。そういった点では、一見外様にも見える彼らがこちらのシーンで受け入れられている理由は正にこのクオリティーにあるのかなと思います。
音作りの方向性も良いんですよね。ヘヴィネスを際立たせつつ、個々の音の輪郭はシャープで、常に全力で殴ってくるようなエネルギーに溢れています。
そしてやっぱりMaki(サポートDr)が上手い。メリハリの効いたドラミングは明らかにバンドの核となっていて、彼の尽力がこのバンドの演奏を支えていると感じました。加入はしないのかなあ。
まあ、いかにこのバンドがヘヴィーで凶悪で…と語ってきましたが、しっかりヴィジュアル系の血筋を感じるメイクとクリーンボーカルも美しいですね。そちらの側面も大切にしていることが伝わってきて、一ヴィジュアル系ファンとしては嬉しい限りです。
BLEEDING THROUGH
ここまで来るとフロアにも疲労感が溢れてきて、後方では座り始める人が増えてきました。
自分も割と限界だったのでほぼ最後列へバック。
しかし、同時に周りの期待が高まっていくのも肌で感じていました。
そして現れたのはBLEEDING THROUGH!!!!!
もちろん見るのは初めて。名前もうっすら聞いたことがあるかな…というくらいです(メタルコア初心者なので許して…)。まあ前回の来日は14年前ということで、当然そんな頃にこのバンドを知っているわけもなく。
そんなBLEEDING THROUGHですが、スタートと同時に最初の音から衝撃。
とにかくパワフル。一音一音がガツンと響くサウンドはやっぱり強いですね。さすがはベテランのクオリティー。
しかも、持ち味はこのハードコア的パワーだけではなく、メロウなパートも印象的。ゴシックやメロデスの風味を感じる冷たいメロディーが美しかったです。こんなところで聴くことが出来ると思っていなかったタイプのメロディーだったので少々面食らいました。
ボーカルはガンガンフロアを煽るスタイル。自分からのアクションも多めで、最後は客席に入り込んで歌っていました。とは言っても、後方から見ていると何が何だかよくわかりませんでしたが。
いや、しかし音も技術も一流のものでした。
前述した通りパワーとメロディーが混在するため、ガツンとヘヴィーなギターとシンセ系のサウンドなど様々な音が同時に鳴るわけですが、それでも綺麗に調和した仕上がりは見事でした。
安定感のあるドラムをはじめ、演奏面の質も高いですし、何度も言いますが世界を股にかけて活躍するアーティストは一味違いますね。
Crystal Lake
BLEEDING THROUGH終了後、意外とフロアが空いたのでちょっと前進。
ピットが生まれなさそうな絶妙な位置を確保し、待機。
そうしているとサウンドチェックが始まり、キレのいいドラミングが披露され早速違いを見せつけたのはCrystal Lake!!!!!
このバンドを見るのは3回目。Ryo(vo)在籍時のHELIXのアルバムツアーが最初でした。
その後John(vo)のお披露目ライブとなったKnotFest 2023を経て、今回が3回目ですね。
常に高品質のメタルコアを出してくれるイメージがあり、この日も楽しみにしていました。
さて、そんなCrystal Lakeですが、いざ始まるとなんか音がそんなに良くない…。
低音がぼんやり響いて音の輪郭が全く分からない状態で、個々の曲も区別もつかない程でした。
中盤にはYD(gt)のMCが。Sable Hillsへの感謝とみんなでこのカルチャーを守っていこうぜ的な話をしていました。
自分はここでちょっと感動してしまったのですが、さらに続く2曲が「Lost In Forever」からの「Apollo」。
ここのメロディーでまた心が揺さぶられ、思わず涙が溢れそうになりました(何故か)。この2曲は音響面でも改善が見られ、冷ややかなメロディーがガツンと鳴っていたのも良かったです。
以上、Crystal Lakeはこんな感じでした。
演奏面ではさすがのクオリティーでしたね。海外勢と比較しても全く見劣りしません。
Johnのボーカルの迫力も魅力的ですね。あれだけの厚みがあるスクリームを出すボーカルは国内シーンでは希少ですし、海外でも十分戦えると思います。単にスクリームの技術が優れているだけでなく、発声や呼吸の方法から既に違いがあるのではないかという気がします。
それだけに、音さえ良ければなあという一夜でした。
しかし、Twitter(X)では良い音だったという感想もちらほらあったため、場所などで聴こえ方は違ったのかと思います。
とりわけ、自分がいた後方はどうも響きすぎる気がしますし…。
Unearth
そして遂にUnearthの登場!
今回の目玉の一つですね。個人的には初めて見るバンドです。
去年久々に来日してメタルコア界隈を沸かせていましたが、その際は色々あって見に行かず(めちゃくちゃファンってわけでもないので)。
ですが、後になってその決断を後悔したので、早いうちに再来日してくれて良かったです。
セットリストとしては色々なアルバムをベースに幅広い選曲。その中でも『The Oncoming Storm』からちょっと多めという感じでした。
個人的には「Zombies Autopilot」が聴きたかったんですけど、この日は演奏せず。イントロから慟哭したかったのですが、仕方ない。
それでもやはり結構聴いたことのある曲が多く、うおーこれ知ってる、なんだっけー!!!!の連続で満足しました。
特に後半に『The Oncoming Storm』期の曲が次々に演奏され、迫り来るメロディーの波に熱狂しましたね。
所々MCを挟みつつ進行していましたが、印象的だったのは「Unearth見たことある人〜」というくだり。
手を上げていた人が思っていたより少なく、今回の客層が従来のメタラーとは違うことを改めて認識しました。(Unearthを見に行く層なんてメタラーの中では若い方ですが)
周りの人も初めて聴くなあみたいな面持ちの人も多く、そういう人にUnearthに触れる機会を作ったSable Hillsは偉大だなあと改めて思うわけです。
さて、そのUnearthですが、これが”メタルコア”なんだ、と強く思わせてくれるパフォーマンスでした。
ガチっとしたリズムや重厚なリフワークでハードコアのノリを作りつつ、突如メロデスのような色のついたメロディーがぐわっと捩じ込まれて調和する感覚。メタルコアを形容する際には、ハードコアに加えてメロデスの影響を受けた音楽、という言葉をよく聞きますが、Unearthを見ると確かに理解できました。感慨深いです。
音響面では、ギターのリードフレーズはガツンと前に出ていましたが、あとは比較的ぐちゃっとした感じ。でもあまり気にならなかったですね。そういう勢いも込みで楽しめましたし。
演奏はもちろん上手い。やはりドラムからどっしりしている感覚はこのレベルのバンドには共通しています。
以上、Unearthの感想でした。流石のクオリティーですね。今回の来日はインターバルも短かったのであれですが、前回は久しぶりでしたし、もっとフロアの熱が凄まじかったのではないかと思いました。
なお、単独では「Zombies Autopilot」演ってたみたいです。あまりにも羨ましい。
Sable Hills
トリはSable Hills!!!!!!
流石にここまで長丁場のイベントとなると疲れが酷く、後方でのんびり見ることに。
それでも前方はモッシュの嵐でした。こういう時間帯であれだけ全力で楽しめるようになりたい。切実に。
さて、まずセトリは『Odyssey』中心のもの。まだ通して聴けていないことに申し訳なさを少し感じました…。
まあ先行シングルは聴いていましたし、前作や前前作の曲もちょこちょこプレイしていたため、個人的にもしっかり楽しめて満足でした。
合計で12曲演奏していたようですが、体感は一瞬。Unearthが少し押したのでその分削ったのかな?と思ったくらい。まあ実際削ったんでしょうけど…(セイブルスタートまでは押していたのに終演は予定通りだったので)
「Battle Cry」では何とKoieが現れ共演。まさか出てくると思わなかったので一瞬誰か分からなかったです。しっかりフードも被っていたことに加え、後方から見ると体格なども不明瞭なので、Trevorかな…?でもこの曲でフィーチャリングしてたか…?なんて思っていたところ、歌い出した途端にカマされたのはあの特徴的なスクリーム。
なんでもこのためにこの日川崎まで来ていたそうで。なお、この一瞬でサッとステージを去っていきました。漢気溢れる姿、流石。
ちなみに、Trevorも「No Turning Back」でしっかり参加。こっちはやるだろうなと予想していた通りの展開になりましたね。
ライブ中のMCではTakuya(vo)が何度もFRONTLINE FESTIVALがメタルフェスであると連呼していたのが印象的でした。
若手のヘヴィー寄りのロックバンドがこういう発言を積極的にしてくれることほど嬉しいことってないですよね。メタルの影響を多大に受ける、もしくはほぼメタルであっても”メタルバンド”と宣言して活動してくれることは少ない昨今、メタルであることに価値を見出してくれる存在は貴重です。
実際、今回のフェスのメンツもメタルとしての視点が大いに感じられるものですし、この姿勢を貫いてもらいたいものです。
演奏やサウンドはいつも通りのクオリティーでした。主催フェスのトリという慣れない立場上、様々な苦労があるだろうに、安定したパフォーマンスを見せてくれて良かったです。
Unearthの後ってのもプレッシャーだったろうに、それも全く感じさせないダイナミックなステージングでしたね。
まあ、個人的には疲れ切っていたので、次はもうちょっと落ち着いて見たいところではあります。
その機会は11/30の東京でのワンマンかな、とも考えましたが、ヘドバンのイベントと被ってるんだよなあ…。悩みどころです。
総括
以上、FRONTLINE FESTIVAL 2024の感想でした。
SEがずっとメタルだったのも最高でしたね。待ち時間も苦にならないシステム、最高!!!!
次のライブは9/21、Sadieとlynch.、キズのスリーマン!!!!!!