【THE UNITED KILLERS】Sadie/lynch./キズ at JAPAN PAVILION HALL A
経緯
キズとlynch.、そしてSadieを見てきました〜!!!!
9月中旬、本来であればMUCCとかが出るLuv Toghtherでも見に行こうかな、なんて考えておりましたが、気が付いたらソールドアウト。
でもせっかくだしなんかライブ行きたいなあと思っていたら、その1週間後にこのスリーマンがあることが判明。
Sadieは昔ちょっと聴いてたし、lynch.はいつか見たいと思っていたし。キズはいつ見ても良いので、じゃあ行くかということでチケットを買いました。
東所沢駅に着いたのは16時ごろ。
チケット購入時に知らない名前の会場だなと思って調べたらまさかの所沢の会場。一瞬行くか悩みましたが、調べたら思ったより家から近いのでやっぱり行くことにしたという経緯があります。
実際、当日もすんなり着いたなという感覚がありました。横浜とかよりも全然近かったです。
会場を含む複合施設、ところざわサクラタウンは駅から徒歩10分ほど。アニメのミュージアムやレストランなどが併設されていました。結構そのミュージアムが本格的っぽく、もっと早く来て入ってみてもよかったなと思いました。
施設が全体的に新しく、またゆとりのある作りになっていたのは好印象。座るところも多く、物販でSadieのトートバッグを買った後はベンチでのんびりしました。
入場開始は16時半。
しかし、自分の整番は最後の方だったので17時過ぎにやっと入場。
自分はC始まりの整理番号だったのですが、当初入場口周辺にはA始まりの待機列しかなく、ミスプリントなんじゃないかと思っていました。
しかし、会場の裏に回ると、静かな住宅街に面した歩道にB始まりとC始まりの整理番号の待機列が。表の喧騒はどこへやら、静かな待機列で小説を読んで待ちました。
入場が最後ということは当然フロアにスペースはなく、最後列にスルッと入って開演を待ちました。
さて、このJAPAN PAVILION HALL Aですが、自分としては初めて訪れた会場。でも自分以外にもここ初めてという人は多かったのではないでしょうか。Twitterでも会場所沢!?みたいなツイートが多かったですし、そもそも名前すら聞いたことのない会場だったので…。
しかし、入った瞬間の印象は良さげ。サイズ感としてはZepp Shinjunkuくらいでしょうか。フロアが階段状になっていて、後方からでも見やすい仕組みはありがたいです。
また、後述しますが音響面でも優れていました。音がぼんやりと響かず、ビシッとまとまる感覚はホールならではですね。
この文章を書きつつ今調べたのですが、このホールの開業は2020年らしいですね。そんな最近とは、それは名前も知らないわけだ。
キズ
開演は17時半。
時刻ぴったりに暗転し、ピアノ主体のSEが流れ始めました。
そして始まったのは「鬼」。
というわけで、トップバッターはキズ!!!!!!
(まあ3組の中で一番若いし、暗転前からレーベルロゴ入りの機材が置かれていたので、バレバレではありましたが)
個人的には見るのは3、4回目。
来年初頭には武道館公演も決定し、正に飛ぶ鳥を落とす勢いで突き進む期待の新星です。個人的にも2020年代のヴィジュアル系を牽引する存在だと思っています。
「鬼」に続くのは「地獄」と「十八」。その後もバラード系と暴れ曲を混ぜ込んだセットリストでした。
中盤には「ストロベリー・ブルー」や「おしまい」を演奏。この辺りから来夢(vo)の調子がグッと上がってきたように感じました。
序盤は声こそ出ているものの、音域によっては苦しそうだったり、ピッチも不安定な部分が多々見られました。
しかし、ここからは安定してよりパワフルに。こうなると彼らのレベルは一段上がります。自分もこの辺りから強く惹きつけられました。気のせいかフロアの反応もこのへんから良くなった気がします。
このパフォーマンスを見ると武道館に手が届く事実にも納得です。来夢のボーカルには何か特別な、耳に残って離れない強烈な魅力があるんですよね。あの艶やかで、力強い歌声が炸裂する瞬間、彼らがアリーナや武道館のステージに立つ絵面が自然に思い浮かびます。来年の1/6にはそれが現実になると思うと、まだチケットすら取っていないのにめちゃくちゃ楽しみです。
後半にはMCの後に「鳩」、そして来夢がアコギを持って始まったのは「銃声」!!!!
この曲、自分も好きですが、おそらく他のファンの間でも結構人気なんでしょうか、暴れ曲ではないのにやたら反応が良い気がします。こういうファストチューンとバラード以外の強みを持つバンド、好き。
ラストは「平成」。45分ほどのライブでした。
今回彼らのライブを見てまず思ったことは、音があまりにクリアなこと。あまりに綺麗にまとまりすぎて、正直迫力に欠けるかなと思ったほどでした。
自分も開演時には耳栓を装着していたのですが、あまりの物足りなさに途中で外してみたら、なんとそれでちょうど良いほどの音圧。このサイズの会場で耳栓なしでライブを見たのは本当に久しぶりでした(まあ耳にはよくないんでしょうけど)。
おそらく音量としてはそれなりのものであったはずですが、如何せん余計な響きがなかったので、結果的に圧をそこまで感じなかったのかと思います。
各パートも綺麗に分離していました。とりわけベースがギターと完全に分離していたことで、「鬼」でのフレーズなど、うねりが結構堪能できたのは嬉しい限りです。
ただ、個人的にはもうちょっとごちゃっとしたサウンドでも良いのかなとも思いました。その方が無心でノれる…気がします。
きょうのすけ(dr)のドラミングは今日も最高。リズムや技術が飛び抜けてるというタイプではないのですが、手数多めのフレーズと迫力が魅力的だなあと改めて認識しました。
手数の多さ、というのもテクデスみたいなスピード感ではなく、なんか色々気持ちいいフレーズが飛び出てくるなあといったもの。これがフレーズの幅が広いってやつなんですかね。ドラムは叩けないので分からないのですが、なんか彼のドラムに惹かれるんですよね。
あときょうのすけは衣装も可愛かったです。名前は分からないのですが、スカート+フレアパンツみたいなあのつぎはぎ(こう書くとなんか良くないな)的衣装が、ツインテールという髪型のせいか、なんか初音ミクみたいで可愛さ満点。
ステージから去る際に愛嬌を振り撒きつつはけていくのも愛らしいし、やっぱいいキャラだなあ。
lynch.
キズ終了後、20分ほどの転換を挟み続いたのはlynch.!!!!!!!
自分としては初めて見るバンド。結構前からちょこちょこ聴いてはいたのですが、なかなか機会がなく、ようやくチャンスが訪れました。今日の自分のお目当てですね。
葉月(vo)だけはV系って知ってる?というイベントで見たことがあります。確かLUNA SEAの曲をプレイするセッションに出ていたのですが、やっぱり中低音が魅力的で、いつかlynch.も見に行かなければと感じたのを覚えています。
さて、そんなlynchは「adore」でスタート!!!!!!
この曲、こんな序盤からいきなり演奏されることがあるんですね…。締めの楽曲なのかなと思い込んでいただけに意外でした。X JAPANの1994年12月30日のライブ、【青い夜】にていきなり「X」から始まるアレ的な。
また、この曲のクリーンボーカルの部分をがなりを混ぜたような声で歌っているのは一つ印象的な場面でした。葉月の強烈な強みである艶っぽい歌声で聴きたかったところですが、こっちのアレンジも荒々しくてまた良いですね。
続いたのは「EXCENTRIC」。新譜からは何かやるだろうなとは予想していましたが、本当にその通りになりました。
そして3曲目に披露されたのは「CREATURE」!!!!!
この曲も好きなので嬉しかったですね。近年のlynch.のナンバーはラウドサウンドの中にも一捻り入れてくるものが多い印象ですが、この曲のイントロなんかも正にそんな感じ。突き進むだけでなく、緩急のついたフレーズがリズミカルでつい体が動いてしまいます。
こんな感じで3曲続けて演奏した後、MC。昔話なんかをちらほら話していました。
しかし葉月のMCは良い意味で落ち着かないですね。普通MCが始まると、演者側もオーディエンスも一息ついたようなテンションになることが多いかと思いますが、lynch.のステージではそんなことはなく。
煽りのみならず、結構中身のある内容もすらすら話しているのにフロアは冷めず、それどころかどんどん盛り上がっていきました。
そのMCで、Sadieとは昔よくやっていたのでその頃のlynch.を見せるとの言葉がありましたが、その発言の通りここからは過去曲メインの選曲。
自分としては「melt」が一番嬉しかったですね。
好きな曲なんですが、新譜も出たばかりだし演奏しないだろうと決めつけていただけに、予想外の収穫といったところです。
それ以外は、そもそも初期〜中期の曲にあまり詳しくないこともあり、あまりどれがどの曲かは分からず。
それでも、つまらなくて冷めてしまったというわけではなく、むしろその逆。
葉月の勢いと場の盛り上げ方が非常に巧みで、曲も分からないのについ拳を上げる自分がそこにはいました。
ラストは「GALLOWS」でした。
いや、とにかくライブが上手いバンドなんですね、lynch.。
まず演奏そのものの安定感が素晴らしい。
全体的にどっしりとした演奏をキープしていて、バンド内の感覚が冴えているのを感じました。お互いの呼吸みたいなものをしっかり把握しているような、そんな感覚です。
サウンドのバランス感覚も絶妙でしたね。
前述した通り、会場の構造上結構クリアに響きがちなところがあり、実際lynch.の出音もかなりスッキリとしたもの。
しかし、完全に全ての楽器の音が分離してしまうわけではなく、ある程度混ざり合っているのが巧み。ぐちゃっとしたダーティーな部分を残すことにより、メタルコア/ハードコア的なアグレッションを表現するのには最適な質感となっていました。
しかし、何よりも驚かされたのは、ライブ自体の流れを作るパワー。
葉月のMCや煽りを先頭に進むバンドサウンドの勢いは凄まじく、フロアのボルテージはどんどん上がる一方。
葉月がただ煽るだけでなく、冗談など言いつつもこちらのリアクションを誘発させるのが非常にスムーズでしたね。
後半になるに連れてその勢いは増していき、曲が分からない自分も思わず拳を上げていました。この辺りで演奏していたナンバーって振りが結構複雑なものが多いのですが、葉月の煽りに合わせてフロアはバチッと反応。葉月の巧みな誘導も素晴らしいですが、バンギャの爆発力もまた並はずれたものですね…。噂に聞いていた「pulse_」のノリなんかも思っていたよりアクションの種類が多く、初見の自分なんかは全くついていけませんでした。まあ、周りの熱狂っぷりを観測できたのでOK。
そして、大事なのはフロアの熱狂を生み出していたのは葉月だけではないということ。そういった意味では「INVADER」はアツかった。MCにてメンバー紹介が始まり、最後にコールされたのは明徳(ba)。その瞬間、突如スラップのフレーズが奏でられ始め、そのまま「INVADER」が始まる…という流れにフロアは歓喜の声と溢れる熱に包まれました。この日で一番盛り上がった瞬間だったような気がします。
というわけで、lynch.の感想でした。ガンガンライブしている印象があったため、ライブバンドなんだろうなとは思っていましたが、ここまでの実力とは。早いうちにもう一回見たいです。来年はアニバーサリーイヤーのようなので、チャンスも多いと良いなあ。
Sadie
トリはSadie!!!!!!
去年8年の時を経て復活した2010年代シーンを代表するヴィジュアル系バンドですね。
自分としては見るのは初めて。
中学生くらいの頃、ヴィジュアル系をガンガンdigっていた時代にちょこちょこ聴いていたSadie。気づけば活動休止することを発表していて、やめちゃうのかあとぼんやり思ったのは高校生の頃。
それ以来、もう見られるチャンスはないんだろうなと思い込んでいたら、なんとまさかの復活。
でもワンマン行くほどではないし…と悩んでいたら、なんとこんな嬉しいメンツのスリーマンイベントの開催。長生きはするもんですね。
さて、ライブは「Ice Romancer」でスタート。初っ端から分かる曲でありがたい。
先ほどとは打って変わって曲中はガンガン盛り上げ、MCでは落ち着く形で進行。
本編後半で演奏していた「妄想被虐性癖」は暴れ曲のようで、スタジオ版よりも長くプレイ。3組目ということでだいぶ疲労が溜まっていた頃ではありましたが、頑張って拳を上げ頭を振りました。
本編ラストは「陽炎」。
そして程なくしてメンバーが再登場し、アンコールがスタート。ここでは、Sadieのメンバーのみならず、キズの来夢、lynch.の葉月、悠介(gt)が登場。
MCでは真緒(vo)が葉月や来夢に仲良さげに絡む姿が印象的でしたね。葉月がはっちゃんと呼ばれている事実は初耳でした。そして来夢はチビ呼ばわり(笑)。でも並ぶと真緒もほぼ変わらないように見えましたが…。
その流れで、ネタにされてきたあの曲を…という曲紹介から「迷彩」をプレイ。
ゲストも参加しつつ、この曲で彼らのステージを締める形となりました。
Sadie、まず他のアクトと比べて音がデカい。始まった瞬間また耳栓をつける羽目になりました。
しかし、聴いていると音量のおかげで音圧はあるし、クリアではないけどボーカルはしっかり聞こえるしと問題はない出来でした。
演奏面でもしっかりプレイできていて、9年間のブランクがあると考えるとよくやるなあという印象です。フロアの一体感あるノリも含めて、とても空白の期間があるバンドとは思えませんでした。
加えて感じたのは、真緒の技術の高さ。声域には(おそらく)無理ないメロディーであるとはいえ、かなりピッチが正確で、スタジオ版とそう変わらないクオリティーを楽しむことができました。
後半になるに連れて、少し辛そうになっていきましたが、まあそれはよくあること。スクリームもしているから余計負担がかかっているでしょうし。むしろよくアンコールまでやってくれたなというところです。
また、全体的なメロディーがあまりに"ヴィジュアル系"なのも魅力的。今回のセトリでも知らない曲の方が多かったのですが、どの曲にも慣れ親しんだメロディーがあるため、違和感なく耳に流れ込んでくるんですよね。サビを口ずさみたくなるような、このメロディーのセンス。具体的にどのヴィジュアル系バンドっぽいのか、と言われると即答はできないのですが、紛れもなくヴィジュアル系のメロディーなんですよ。まあよく言われる通り、1番似てるのはディルかなあとも思いますが…。
フロアのノリ等も含め、2000~2010年代のヴィジュアル系のタイムカプセルのようなライブでした。暴れ曲でのヘドバンと拳の突き上げが交差する振り付け、曲中とMCのギャップ、派手な装飾のついた衣装…。当時を目撃していたわけではないのですが、自分が持つヴィジュアル系のイメージそのものの姿がそこにはありました。古き良きヴィジュアル系、よいものでした…。
総括
以上、【THE UNITED KILLERS】の感想でした!!
2000〜2010年代シーンの一角を担ったバンド、Sadie。同時期、そしてそれ以降も最前線を走り続けるlynch.。そして快進撃を続ける期待の新星キズと、なかなか面白い組み合わせのスリーマンでした。
どうしてこの3組なんだろうと思っていたのですが、昔Sadieとlynch.、そしてギルガメッシュの3組でよく対バンしていたらしく。その流れかと思うと納得です。
ヴィジュアル系をしっかり堪能できた一夜でした。
次のライブは9/28のRolo Tomassi/Cyclamen/kokeshi!!!!!