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【Japan Tour 2024】RISE OF THE NORTHSTAR/Loyal To The Grave/universe last a ward/View From The Soyuz at 赤羽 ReNY Alpha

経緯

RISE OF THE NORTHSTAR/Loyal To The Grave/universe last a ward/View From The Soyuzを見に行ってきました〜
日本リスペクトで名を馳せたフランスのメタルコア/ハードコアバンドが遂に久々の来日!!!
自分がこのバンドを知ってからは来日してないよな…?と思ったらなんと2015年以来だそう。
日本好きなバンドにしちゃ長いスパンですが、元々は2020年の【HELLFEST WARMUP TOUR 2020】で来る予定だったそう。そういえばそんなイベントありましたね。結局コロナ禍でキャンセルになりましたが、もう日本ではやらないのかな…。
さて、今回のライブは情報解禁後割とすぐチケットを購入。
RISE OF THE NORTHSTAR(以下ROTN)は自分が高校生くらいの頃から知っているバンドで、特に2ndアルバム『The Legacy of Shi』の曲は割と思い入れがあるんですよね。
そして、日本リスペクトなバンドだしそのうち来日するだろうなあと思っていたら中々来ず、いつ来日すんねんと心待ちにしていたところの今回の来日。もうこれは行くしか、と意気込んでチケットを手配しました。
正直めちゃくちゃ入れ込んでいるわけではありませんが、それでも長い間聴いているバンドを生で見れる機会があるならば逃せませんよね。

さて、当日は赤羽駅に開場直前に到着。
駅前の喫煙所ではメタル/ハードコアファンらしき人はおらず、今日はROTN目当てでゆっくり来る人が多いのかな…?と思っていましたが、いざReNY alphaが入居しているビルまで来たらその周辺にはそれらしき人がちらほら。ビル内の階段には既に待機列ができていたため、最後尾にしれっと並んで待ちました。
開場を待つ間暇だったので、行き交う来場者のマーチを盗み見ていたのですが、やはりハードコア(というか今日の出演バンドですが)のマーチも身につけている人も多く、新鮮さを感じました。あとは何故かKORNのマーチも多かったです。ROTNの影響元だったりするんでしょうか。もちろんPANTERAなどのよくあるメタラーの装いをしている人も多く、この混在具合がROTNの絶妙な立ち位置を表していたような気がします。しかしマーチチェックはライブの一つの醍醐味ですよね。ファン層もなんとなく想像できますし、そもそも珍しいマーチを身につけている人を見たら尊敬の念を抱くし、逆に自分も持っているマーチ/参加したライブのマーチなんかを見つけると親近感が湧きますし、もうなんかそれだけで一つのエンタメだと思います。
開場は17時。
一般の200番台という自分のチケットが思ったより早く呼ばれたのでサッと入場。ドリンクチケットも早めに水に交換し、フロアの一段上がったあたりの下手側の一箇所を陣取って開演までさらに待ちました。入った直後はフロアの人影もまばらでしたが、後から後から人が入ってきて、結局開演直前には7〜8割くらいの埋まり具合に。その後ROTNまでに入ってきた人もいたかと思うので、最終的には8割くらいは埋まっていたかと。
この今回の会場、赤羽Reny alphaを訪れるのは2回目。去年のTwilight Force以来でした。その時はフロアもパンパンだし暑いし音はそこまでよくないしでキツい印象しかなかったのですが、改めて考えると全体的に綺麗だし映像も映せるいいハコですね。フロア内にバーカンがある構造も、パンパンじゃなきゃライブを見つつ飲みに行ける画期的なシステムなのかもしれません。まあ、2本柱が屹立しているのは邪魔ですが…。あれは建築上避けられないのか、それともあえてあのスタイルを採用したのか、どちらなんですかね…。それでもこの日は音が全体的に良かったので満足でした。空調も冬だからそんなに気にならないし。

View From The Soyuz

定刻通りに開演し、一番手として現れたのはView From The Soyuz!!!!
このバンドですが、少し前にネットで盛り上がっていた際に知りました。当時は期待の新星というような踊り文句でメタルコア/メタル界隈で話題になっていた記憶があります。どうやらメロディックメタルコア/メロデス風味があるらしく、その辺のファンが絶賛していたため、むしろ後々ハードコア畑のバンドだという事実を知り驚いたくらいです。
さて、そんな彼らですが、その評判通りのサウンド。
確かにリズムはパンキッシュですが、単音を交えるリフワークにはガッツリと香るメロディックな風味があります。さらには伸びやかな単音フレーズもあってもう完璧。
そしてこの日ラストの曲には急に美しいメロディーのギターソロが。その音がまた急に全面へガッと出てきていて、その黙ってこのソロを聴け的な姿勢はめちゃくちゃメタルを感じましたね。
しかし、一方でちょっとダーティーな音作りはハードコアの粒の荒さを感じるものでした(門外漢のイメージで申し訳ないですが)。
ボーカルはガッツリグロウル等でスクリームするタイプ。個人的には、ハードコアのボーカルといえばもっとがなるくらいの歪みで歌うスタイルが基本なのかと思っていたため意外でした。でも最近のシーンでは普通だったりするんですかね…?彼らがメタリックだからそうなのか、最近のトレンドがこんな感じなのかはもうちょっと精査しないとなんとも言えません。
トップバッターで気合いも入っているのか、MCはかなり熱め。中学生〜高校生の頃に聴いていたROTNと同じステージで出られて〜という話をしていた記憶があります。
というか、その話で分かったのが彼らはどうも自分と同世代みたい。いや、そう考えると急に親近感が湧くというか、逆に自分との差を感じてしまうというか、とにかくリスペクトです。自分も同じ20数年間を送ってきたはずなのに、何をしているのやら。
そしてフロアはもうこの時間からモッシュの嵐。ステージの熱さが伝わってきたからですかね。
ピット内で繰り広げられるのはただのぶつかり合いだけでなく、ハーコーやツーステも。ハーコーなんてメタルのライブではあまり見ないし、ラウド系だと若いファンが楽しんでんなあというくらいのものですが、ここでは全力のムーブメントが炸裂。これがハードコアかあと少し離れたところで感慨深くなってしまいました。
演奏と音響の質が高かったのも良かったですね。キメのフレーズでヘヴィーメタルの血統を感じさせるアクションまで交えていたのには大満足。アクションが派手だとこっちまで活気付いてきます。
また、音響はクリアで音の粒も揃っているという最高の出来。このバンドのみならず、この後どのバンドでも常にこの質が保たれていました。ハードコアというと若干全ての音が潰れた感触になるかと思っていただけに、この仕上がりは意外ですね。終始心地よく聴くことができました。
あとはVJ。続くバンドでも使われていましたが、このバンドは特に活用していたかと思います。トッパーのバンドとは思えないくらい凝った映像を用いていましたし、何よりその時に演奏している曲名が表示されるのがありがたい。気になった曲のタイトルをその場で確認できるという意味で、革新的なアイデアではないかと思います。まあ使える会場は限られるかと思いますが…。

universe last a ward

2組目はuniverse last a ward!!!!!
こちらはより一層ブルータルなハードコアを演奏するバンドで、竿隊の重低音が凶悪なのが印象的でした。地面が揺れ、足先で振動を感じるくらいの低音が響いており、その感触はデスコアをも想起させるもの。
また、フレーズも不穏なものがちらほらあり、メタリックとはいえView From The Soyuzとはまた違ったタイプのサウンドを鳴らしていました(後で音源を聴いた際には結構メロディアスな印象を受けたのですが、現地では迫り来るリフの圧の方が前面に出ていたような気がします)。
しかし、ドラムはパンキッシュなビートを基調としたプレイが中心。そのため重厚でもリズムにメリハリがあり、ノリやすさが生まれているのが特徴的です。実際フロアのモッシュは先ほどよりも激しくなっていました。これがエクストリームメタル的な絶え間ない音の連続であればここまで体は動かないのですが、パンキッシュなビートだとリズムが刻みやすいんですよね。ツーステというものが何故生まれたのか、その理由もわかったような気がします。跳ねたくなるんですよ。自分も走り回ったわけではないですが、ヘドバンでリズムを刻みました。
そして興味深いのが、ラップらしきボーカルラインがちょこちょこ飛び出すこと。ヒップホップの影響を受けているんですかね、昨今のムーブメントとの交差を感じて面白いです。
さらに、こちらも演奏と音響が良い。襲い掛かるような重低音は、もちろん音作りの性質によるものもあるとは思いますが、タイトな演奏とそれを無駄なく響かせるクリアなPAあってのものだったかと思います。空間を揺るがすほどの振動が生まれているにもかかわらず、音の輪郭がしっかりわかるサウンド。高度なヘヴィネスを体感できて満足です。

Loyal To The Grave

3番手で登場したのはLoyal To The Grave!!!!
ステージに現れた際に、明らかに前2組よりも年上であることが分かりましたが、やはりベテランのバンドだそう。なんでも98年結成なんだとか。
音楽性としては他のアクトよりもオーソドックスなハードコアっぽい感じ。パワーコード主体のラフなリフが響き、ドラムもシンプルなビートがメインのスタイルです。ボーカルもライトな地声の面影も感じられるスクリームが使われていて、前2組のメタリックな路線と比べると違いが引き立ちます。
そしてステージングは巧み。さすがはベテランです。
もちろんフロアはバシバシ煽るのですが、その影には落ち着きが見えるというか、とにかく浮き足だったようには見えません。勢いだけで押し通すのではなく、確実にこの空間の動かし方を知っているように感じましたね。
実際、ボーカルが客席に半分ダイブしてオーディエンスにマイクを握らせたり、ステージから宙返りしてダイブする人もいたりと確実にフロアの熱は高まっていたのですが、不思議と荒れている印象はありませんでした。それどころか、どこか全体的に歓喜の熱気を帯びていたように感じました。やはり歴が長いバンドはこういうポイントが見どころですね。
このバンドも音響が良い。いや、この日本当に良かったな。
ボーカルの声も抜けにくそうなスタイルに反してよく聞こえていましたし、他のパートもお互いがお互いを補完していることがよく見て取れました。
あとはMCをしっかり聞かせてくれたのが嬉しかったです。ROTNの初来日から関わっていて、秋葉原でPV撮影したなど貴重な話をされていたので。
この話を流したくはなかったのか、楽器隊もこの時は沈黙。バンドサウンドをバックに声を張り上げるMCもロックバンドならではで良いものですが、あえて一旦トークだけになるひと時もまた一興ですね。特にエクストリームミュージックでは、人外じみたサウンドが繰り広げられる中で、演者の人間的一面を垣間見たような気分になります。

RISE OF THE NORTHSTAR

前3組とは少し違う熱気に包まれつつ始ったのはトリのRISE OF THE NORTHSTAR!!!!!!!
それまでのバンドのレベルが高かった上、少し疲れていたのでしっかり楽しめるか不安でしたが、杞憂に終わりましたね。期待を裏切らないクオリティーでした。
確かに序盤こそ一瞬音のパンチに違和感を覚えましたが、それは即修正され、あとは強烈な一撃が繰り出されるばかり。Vithia(vo)の調子もどんどん上がっていき、吠えるようなスクリームが炸裂していました。
そして演奏もキレッキレ。ハードコアらしいビートに乗せて鋭いメタリックなリフが突き刺さる構図はスタジオ版でも衝撃が強いのに、さらに生で浴びるともう何かのスイッチを入れられたような気分に。バンド内のリズムが統一されているため、フロアに叩きつけられる頃にはガッチリと固まった音の塊となっており、そのおかげでアグレッションが高まっており、普段イヤホンで聴くのとは訳が違うパワーを感じることができました。いや、流石に感慨深いものがありましたね。
それで「The Legacy of Shi」とか「Here Comes the Boom」とかやってくれるものだからもうこちらも思わず飛ぶし歌うし頭も振るというわけで。しっかりまとまったバンドサウンドなので自然に体も動きますし。
また、リフのみならずギターソロにもメタルらしさを感じましたね。ソロパートになると急にグイッと前に出てくる存在感もそうですし、途中のソロパート(どこかの楽曲の前でしたか)では空間系のエフェクトもガッツリかかった艶のあるサウンドで伸びやかなフレーズが奏でられていて、まるでパワーメタルのバラードかのような雰囲気を醸し出しておりました。
一方、とにかくフロアを動かす煽りやステージ上を所狭しと歩き回るステージングにはハードコアらしさを感じました。しかし、フロアのモッシュは一転してメタルっぽい渾然一体としたものに。ツーステを煽られてもすぐグチャッとしたピットになっていましたし、他の演者の出番と比べてフロアのメタラー比率が高かったんですかね…。
そして本編終了後にはアンコールまで。
メンバーがステージに上がり、まずはスタッフ陣に感謝の言葉を述べ、そこでマリナさん(TMMusic)などの名前が。長年の縁があるということでLoyal To The GraveのHiroyuki Kobayashi(vo)の名前も呼ばれましたが、なかなか見つからず、オーディエンスもキョロキョロするという一幕もありました。結局フロア後方の物販ブースに座っているところを発見され、最初は注目を浴びるのを固辞されていましたが、メンバーや観客の熱意に押されたのか立って顔を見せてくれました。
そしてその後楽屋に向かったらしく、「Demonstrating My Saiya Style」が始まるとステージ傍から覗く彼の姿が。結局流れでステージへ現れ、メンバーに絡んだり少し歌ったりしたのちにまた裏へ戻って行かれました。
このその場のノリで生まれた共演、”シーン”を感じてほっこりしました。もちろんどデカいステージで見るショーのようなライブもいいものですが、ライブハウスで見る小規模のライブの魅力はこういうところですよね。本当に人間が音楽をプレイしているんだ、という事実が目の前に現れますし、自分もそんな音楽に関わる人間の一部だという実感も与えてくれる、そんな”シーン”を体感することがライブに行く理由になっているんだなと感じました。

総括

以上、RISE OF THE NORTHSTAR/Loyal To The Grave/universe last a ward/View From The Soyuzのライブでした!
やっぱりぶっといリフにブン殴られる感覚はたまりませんね。ROTNのみならず、他のアクトもアグレッション満タンで、メタリックハードコアシーン全体に興味が芽生えました。
ROTNとLoyal To The Graveの繋がりなど、確かなシーンの存在も感じることができたのも胸熱。ローカルシーンもワールドクラスのバンドも確かに音楽を通じて繋がっているんだなあと思うと、なんだか夢がありますね。昔のように一発当てて大儲け、というアメリカンドリームは現在の音楽シーンにはないかもしれませんが、それでも自分のサウンドが世界中様々な場所で響く、またはビッグなバンドを自分の街に呼べるといった夢は叶うんじゃないかなあと思います。
さて、次のライブは11/30のSable Hills!!!!

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