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成果物紹介|川瀬信一さんチーム
「声」の捉え方・在り方は多様である。
その為4人それぞれが「声」に関する作品を制作し、「声」を巡る体験を創りました。
全体のコンセプト紹介
声をすくいあげる
〜わたし/誰かの声や思いにふれてみる〜
各作品のコンセプト紹介
1つ目「 おくにあるもの〜奥底に沈んでいる思いを発見すること〜」
<作品の展示風景>
2つ目「 見えない声をまなざす、掬いあげる」
普段は見過ごしてしまうような、声にならない気持ちを掬い上げる体験型作品です。箱の中心には声が沈んでいる内海があります。トレーシングペーパーを好きな形にやぶって、心の底にある声にならない声を書いて、内海に沈めます。沈んだ声は誰かに掬い上げられて、海へ浮かび、海は暗いものからカラフルなものに変わっていきます。
<作品の展示風景>
ここにある「声」は4つの種類にわかれています
ー「内海」の声ー
ー瓶詰めの声ー
ーイカダに掬いあげられる声ー
ー心地よい海に漂う声ー
<展示会を終えて>
こんなにも声にならない声に耳を傾け、触れ合い、表現した瞬間は、今までなかったのではないでしょうか。耳を傾けるほどに、表現するほどに迷い、メンバーの方々とゆったりと話し合う中で制作の方向性は次々に変わりました。また、展示中はお客様の「声にならない声」が作品を作り替えていきました。このように不確かさをはらんだまま、多くの人の思いが寄り集まって作品ができていく過程は、とても楽しく心が踊りました。こんなふうに社会もじんわりと変わっていくのかもしれないと微かな希望も感じました。これからも声にならない声に目を凝らし、耳を傾け続けたいと思います。
3つ目「声をみる・声をきく」
声を録音して可視化するシンプルなアプリです。
録音した声は色と形をもって画面に現れます。
それらの声に触れてみると声が返ってきます。
さっき録音した自分の声や、いつかの誰かが残した声。
色とりどりの声たちに目を向けて、触れて、耳を傾けてみる。
そこにどんな思いがこもっているか、声を残した誰かに思い馳せることができたらという思いでアプリを制作しました。
<作品の展示風景>
<展示会を終えて>
声を録音してくださいと急に言われても「面白そう」と言う気持ちよりも「戸惑い」のほうが大きいのではと思いながら(自分がされたらそうなりそうなので)アプリを体験してもらいました。インスタントなメッセージを介してテキストを送り合うことに十分に慣れてきたいま、声を届けみる、となると少し趣が変わってくるのではと思います。しかもそれを特定の誰かに向けてするのではなく、たまたまそこを通りかかるであろう誰かに向けてとなると尚更ではないでしょうか。アプリを体験してくれた方から「留守番電話を再生しているようで少し懐かしい気持ちになった。」という感想もいただきました。いまほど便利なものがない頃は、ふとした時に、思いがけず誰かの声に対峙する瞬間というのがもしかしたら今よりも多かったのかもしれない。なんてことも思いました。
4つ目「言葉と色の贈り物」
「言葉と色の贈り物~子どもの頃の言葉にならない思いを掬い上げ、手紙を贈る~」と題した作品です。子どもの頃の自分を振り返り伝えたいけど声にできなかった思いに耳をすまし、いまのあなたから言葉の贈り物をしてみませんかというお誘いをしました。子どもの頃のあなたへ宛てた言葉と色の贈り物はもしかしたら、いま、声にならない思いを持つ子どもたちが思いを声にすることをそっと支えられるかもしれない、そんな思いから生まれたアイデアです。
<作品の展示風景>
<展示会を終えて>
思いがけず、沢山の皆さんから気持ちが熱くなるようなメッセージを寄せて頂きました。本当にありがたく思いました。皆さんからいただいたメッセージは、当初宛先として想定していた子どもたちだけでなく、誰にとっても励ましになるメッセージばかりでしたので、多くの人に届けることのできる発信媒体を考えたいと最近思っています。