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小玉ねぎがロックしてるぜ、あるいはペコロスの宝石煮
近所の八百屋さんで珍しく小玉ねぎ(ペコロス)を売っていた。
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こうやって見るとサイズ感が分かりづらいけど、ボールペンを隣に置いてみると、
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結構小さい。
ドリアン助川さんの昔のエッセイで、『小玉ねぎがロックしてるぜ』という料理が紹介されていた。小玉ねぎの皮を剥き、コンビーフとレーズンと一緒に赤ワインで煮るもの。
初めてこの本を読んだ高校生の時、母に頼んで作ってもらった。その後一人暮らしをしてからも3〜4回は作ったと思う。小玉ねぎの皮を剥くのが面倒すぎるけど、なかなかシャレオツな味わいで、たまに食べたくなる。
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久々に作ってみたら、とても美味しい。ニンニクを入れてみたり、コンソメを入れてみた回もあったけど、小玉ねぎ、コンビーフ、赤ワイン、レーズンのみで完全に味が決まった。買った赤ワインとの相性が良かったのか、煮込み時間や分量のバランスが上手くいったのか、コンビーフを一缶でなく二缶使ったのが良かったのか(多分これ)、謎なくらいデリシャスで、売れるレベル。まあ皮を剥くのが面倒すぎるので、売るならかなり高額にしなければならないけど・・・
今検索したところ、去年発売されたドリアン助川さんの小説(まだ読んでない)で『ペコロスの宝石煮』として作中で紹介されていたようだ。ずいぶんシャレた名前になったね・・・!
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これはKindleで試し読みできるんだけど、試し読みできる序盤に作り方が書いてあったので興味がある方はぜひ。
『赤ワインのコクとコンビーフの旨味、ぶどうの甘みのすべてを、ペコロスが吸い取ったのです。それぞれの小さな玉ねぎの中に、鍋一杯分の味わいが詰まっているんですよ』
という表現。まさにこれ。小宇宙だよ。子(5歳)も食べた。
ちなみになぜドリアン助川をさん付けで呼んでいるかというと、中学生の頃からラジオを聴いていて、高校生の時に本を読んで傾倒し、大学4年の時にドリアン助川主催の登山イベントに行って一緒に山を登り、下山後に居酒屋に行って4〜5人で同じテーブルを囲み、就職が決まったばかりの俺におめでとうと言ってくれて、もう、特別すぎる有名人だから。
数えてみたらまだ読んでない本が3冊あったので注文した。次回これを作る時、煮てる間に読もう。