ネットワークビジネスにハマって一家離散した話⑪ ~現実は小説より奇なり~
この物語はフィクションだったと願いたい作者の記憶をここに綴る2015年の物語である。
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第11章~面接~
時は何もなかったかのように流れ二ヵ月ほどたっていた。
何をしているのかと思えば借金まみれの弟は家で引きこもっているとの事。
日中はずっと寝ており、夜から朝方までずっと誰かと話をしていると毎日のように愚痴を吐く家族には心底吐き気がする。
失業保険を申請し、そのすべてを借金の利息にのみ当て、三食の食事を与え、15万を超える携帯代を肩代わりしたらそうなるだろう…。
携帯に関しては家がWi-Fi環境だから払わなくてもいい。
また携帯合算払いで買い物という名の借金をするだけなのだからとクギを刺したというのに…
弟にはゲーム配信、ブログ作成を勧めたが、有り余る時間の中、両方とも数本アップしただけで何の継続性もなかった。
元々期待はしていなかったが…。
だがそんな日も明日で終わりを迎えるのだろう。
明日は自衛官の面接だった。
両親の送迎でとは大そうなご身分であるが交通手段が無い田舎では仕方がない事だ。
~当日~
仕事が終わるとさっそくスマホに着信が入る。
もう毎日の事であまりにも慣れっこになっている私は帰路につきながら電話を受ける。
だがようやく晴れ晴れとした気分になれる。
愚痴を聞かなくて済むと心がやや晴れやかだ…。
いつもとは違いやや意気揚々と電話を取ると
『そっちに弟は行っていないか?朝から家中どこにもいないし靴もない。どこか心当たりはないのか?』
仕事を終えたばかりの私はまた仕事モードのスイッチをいれる。
『私の住所を弟が知っているわけがない。面接が嫌で姿を隠しただけなんだろう。MLMをやっていて友達もお金もない人間が交通手段なんてない。』
『そんなに心配なら警察に捜索願を出せばいい。』
『どうせ嫌な事があって隠れただけ。家中と外に出て敷地内全部に聞こえるように大声で歩きながら通報しなさい。』
微塵も心配していない上に口調が違うだけで頭の中は心底冷めている。
行方不明だという家族の話よりも、面接にすらいかなかった弟の人間性を疑うのだった。
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