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ネットワークビジネスにハマって一家離散した話④ ~現実は小説より奇なり~
この物語はフィクションだったと願いたい作者の記憶をここに綴る2015年の物語である。
前回の続きはこちら
第4章 叫び
~証拠~
実家に帰ってきている…?
今から実家にって、半日以上かかる…。
とてもじゃないが私にそんな気力は無い…。
何よりも、このゴミ屋敷の中に二度と来たくない。
ココで得られる情報すべてを持ち帰らなければいけない気がする…。
急に心は名探偵気取りだ…。
昔から推理小説を愛読している私にはすでにいくつか思い当たる節がある…。
タバコの銘柄が3種類…。
弟にはしばらく会っていないが仮に弟が喫煙者だと仮定してもこの金髪プリン男の他にもう一人住んでいる…。
明らかに吸い殻の量からしてよく遊びに来るなんてものじゃない…。
山盛りになっている吸殻を見るに、いない日は無いんじゃないかという量とバランス…。
玄関に積み上げられた靴も明らかにサイズ違い…。
服は明らかに大柄なガタイの男性と、ホストっぽい細身の服…。服に気を遣わない人間が着る服…。
この三種類が混在している…。
絶対にこの家は三人が住んでいる…。
しかも携帯代が払えない弟が地元へ帰るお金なんてないはず…。
今姿を見せていない大柄な男の差し金か?
両親は知らないだろうが弟にLINEはしていた。
LINEはコンビニで無料Wi-Fiを拾えば見ることができる。
今日この時間に行くことは伝えていたわけだから本当に助けが欲しくて本音を話す覚悟が出来ていればアパートへ戻っているだろうと踏んでいた…。
予想外の動きと、こんな大都会へ足を運ぶ羽目になった労力…。
私と父がいない…。
母親しかいない実家に帰っているのには、母親から誰もいない間にお金の無新でもしようと思ったのではないかと勘繰ってしまうくらいあきれたとしか言いようがない…。
何よりも私が長時間の移動に耐えがたい苦痛を伴う事を知っている弟にやや怒りすらこみ上げた…。
なぜ大柄の男が弟のバックボーンにいるのか?
理由は簡単だ…。
ごみ屋敷なのにもかかわらず、明らかに不釣り合いなブランド品のコピー商品が次々出てくる…。
明らかに質の悪いフランクミュラーの模造品…。
時計のバンドは私の腕が両方入りそうなくらいの所だけ穴の劣化が進んでいる…。
グッチのベルトも私二人が入りそうなほどの所に穴が開いている…。
これだけスーパーブランドの模造品を愛用するのはただ一つ…。
お金があるように見せたい人物で、この場に姿を現さず、弟にお金を援助する…。
ネットワークビジネスに勧誘した張本人だろう…。
疲れて携帯をいじっているふりをしながらFacebookで荷物に交じった名前を検索する。
ヒットした。
このプリン頭の方は実名でFacebookをやっているようだ…。
やはりビジネスサロンや、経営者サロン等、胡散臭さ全開で
『不労所得』
を掲げている。
もう一つの名前も、このプリン頭の友達から発見。
写真は大分加工されているがコイツだ…。
グッチのベルトをこれ見よがしにして、フランクミュラーの時計をはめている。
『不労所得』
というキーワード全開ですごくお金があるように見せるブランディングをしている。
実際はこんなゴミ屋敷に住んでいるデブだというのに…。
ネットで見かける何をやっているかわからない自称お金持ちとは所詮こんなものなんだなと現代の闇を見る…。
本当にお金があれば自分が住んでいるゴミ屋敷の家賃を滞納していたらはらうのではないのか?
少なくとも三か月分溜まっている弟が借主になっているこのアパートの家賃は月9万円×3か月で27万円…。
それを払う気がない張りぼてのお金持ち…。
そっと携帯をしまい込みながら荷物を集めながら情報を収集する…。
家賃を払っていないのにプレイステーション4や大型テレビはある。
恐らく大男かプリン頭の持ち物なんだろう…。
今後を考えると、もう弟をこのアパートに住ませて何か話が好転するわけではない…。
職もなく資産もない人間が借りれる道理はない……。
ココの住人二人には出ていってもらうしかないがコレは骨が折れそうだがいますぐにでも引き払いたい…。
勧告程度に話し合いを穏便に済ませなければ後ろで仁王立ちしている不動明王が暴れ出すかもしれない……。
勧告はどこ吹く風
下手に出ながらもこのプリン頭に分かるように伝える。
借金まみれで、ここの家賃は払えない事。
仕事についてない弟が実家に帰って来た事。
おそらくここではもう生活しない事。
速やかに退去して欲しい旨を伝える。
相手は常に上の空で携帯をいじっているところから察する。
話を全く理解できないのか?
既に全容を把握しているのか?
当たり前だが、一緒に住んでいて分からないわけが無い。
おそらく大男の差し金だろう……。
およそプリン頭には提案できそうにない内容をこちらへ提示してくる……。
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