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カイリキーの骨格について【ポケモン解剖学#1】

Abstract

解剖学を履修し、ヒトの骨格について学んだ。そこでカイリキーの骨格がどのようになっているのか疑問が生じた。そこでインターネットでの資料を参考にしながら、自分の考えをまとめていこうと思う。

How to study

今回のnote作成にあたって、南波えいと【ポケモン解剖学ch.】様のカイリキーの動画、こーじ様のカイリキーの動画を参考にしたが、気になった点について補足を加えながらまとめたいと思う。

Discussion

概要

まずカイリキーの外見からの情報を整理したい。

  • カイリキーはヒト様の見た目である

  • カイリキーの腕は通常のヒトに加えて後方に2本の腕がある

  • 背側に肩甲骨が4枚あるように見受けられる

このような点から通常のヒトに加えて上肢が1対増えた構造であることが考えられる。
ここでヒトの上肢について詳しく紹介する。上肢には鎖骨と肩甲骨の上肢帯と上腕骨から遠位の自由上肢とに分けられ、上肢帯が自由上肢を支えている構造になる。ここで重要なことは上肢と体幹は鎖骨と胸骨の胸鎖関節でしか関節していないということである。そのため鎖骨を骨折すると腕の挙上に支障がある。

このことから、鎖骨が存在しない南波えいと【ポケモン解剖学ch.】様のカイリキー骨格モデルとは異なり鎖骨は存在している、または上の肩甲骨と体幹をつなぐ関節が存在すると考えられる。

上肢前面
プロメテウス解剖学コアアトラスより

ここから先は指示代名詞が煩雑になるため、元々ヒトにある鎖骨、肩甲骨には下鎖骨、下肩甲骨、下上肢。カイリキー特有の構造物を上鎖骨、上肩甲骨、上上肢とし話を進める。

まず上鎖骨が存在すると仮定して進める。ここで問題となるのが上鎖骨の体幹側の関節である。このとき位置的に考えられるのは胸骨、第1肋骨、下鎖骨、椎骨である。
下鎖骨と同じく胸骨に関節していた場合と椎骨に関節していた場合、上上肢の上方向の自由度は十分確保される。一方下鎖骨に関節していた場合は上上肢の運動は下上肢の運動に影響を受ける。ただ鎖骨はあまり動かないため影響は小さいと考えられる。しかし第1肋骨に関節していた場合、ヒトでは鎖骨の下にあるため動きの制限が大きいと考えられる。
このことから胸骨、下鎖骨、椎骨に関節する可能性がある。
ここでは一時的に胸上鎖関節、上下鎖骨間関節、椎上鎖関節とする。

次に上鎖骨がなく上肩甲骨と体幹の関節が存在すると仮定する。このとき考えられるのは下肩甲骨との関節である。
このとき問題となるのは上肩甲骨の運動が下肩甲骨の運動に大きく影響を受ける点である。公式のカイリキーのモーションでは上上肢と下上肢が独立して運動していた描写は見つけられなかったが、こーじ様のカイリキーの動画であった、図鑑説明の1秒間に1000発のパンチを放つことの再現より独立して運動させた方が妥当性があると考えたため今回は除外したい。
(図鑑説明が適当である可能性は大いにあるが面白くないので。このあたりはポケモンの生態学の進歩に期待である。)

まずヒトで上肢に付着する筋についてまとめる。
鎖骨は大胸筋、鎖骨下筋、胸鎖乳突筋、三角筋など
肩甲骨は僧帽筋、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋、小胸筋、前鋸筋など
上腕骨は大胸筋、大円筋、広背筋などである。
カイリキーにおいては上肢が2対あるため上上肢で位置的な制約を大きく受ける前鋸筋と大胸筋、小胸筋については後で考えたい。
まず僧帽筋、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋、広背筋であるが、これらの筋肉は背骨と上肢とに付着する筋である。そのため位置的な制約が小さく、そのまま二層または上上肢付着部、下上肢付着部が存在するような形であると考えられる。
胸鎖乳突筋は胸上鎖関節が存在していた場合のみ影響を受け、起始が胸骨と鎖骨(下鎖骨)から胸骨と上鎖骨になる。

問題の前鋸筋と大胸筋、小胸筋である。これらは肩甲骨の運動に関与している上、パンチには大胸筋が欠かせない。上上肢をそのまま載せただけではこれらの筋の走行が課題となる。付着の余地があるのは下鎖骨と第1肋骨である。ここにまとめて付着しているとしよう。そのとき名前は上前鋸筋、大側筋、小側筋とかになるだろう。

Conclusion

以上よりカイリキーには上鎖骨が胸上鎖関節、上下鎖骨間関節、椎上鎖関節のいずれかを形成し、上上肢を支持している。また背側の筋はヒトの筋とほとんど同じ形をしており、上上肢前面の筋はカイリキー特有である。

ここまですべて妄想である。はなからポケモンにこんな構造は存在しないのかも知れないが。

Reference

プロメテウス解剖学コアアトラス 医学書院

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