「いいね!器官」
「虐殺器官」読み終えました。
20年ほど前の小説に今さら感想をつけるのも、という気持ちもありますが、とても面白く読ませてもらいました。
個人的に特に刺さったのは、科学的な処置で脳機能にマスキングをして、痛みは感じないが痛みがあったことは理解する、という描写でした。
この「痛覚の鈍化」が作品そのもののテーマであるようにも思うのですがそちらの方ではなく、脳機能をモジュールと捉えた感覚そのもの、例えるなら、ストライクガンダムが3種類のバックパックを交換することで性能を変化させる、というような機能的な美しさに、とても心惹かれました。
全ての人間や生物が「特定のフレームの中で動くプログラムである」とまでは言いませんが、その機械的・機能的な振る舞いに、どうしようもなくときめいてしまうんですよねぇ
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そう!これ!この感覚!
なんでガンダムで例えようとしたんだ自分。
僕が水見式やったら絶対「操作系」ですよ。
他人を操作したいという願望もありますが、やっはばり自分自身を操作したいですよね。
絶対に辞めない・逆らわない社員を手に入れたブラック企業の社長みたいなものですよ。最強です。
「虐殺器官」は、この操作能力を広範囲かつ(最新の設定だと)微弱な要請型にしたような能力ですね。
ジョジョ6部に登場した「サバイバー」の方が近いかもしれません。(敵意を伝播させて周囲の人間を戦わせる能力)
ただ一つ疑問があって、虐殺器官を利用したポール自身はなぜ虐殺に駆られなかったのでしょうね?
それとも、目的のために虐殺の種を撒き続けたことそれ自体が、彼も感染していたという証だったのでしょうか。
人間がシステムによって動かされるものだとしたら、自分だけがシステムの外側にいられるだなんて都合が良すぎますよね。
人間である限り誰もが虐殺に感染してしまうとするならば、一つ解決策があります。
虐殺に感染する前に、"別のもの"に感染させてしまえばいいのです。
そう、「操作系能力は早い者勝ち」ですからね!
で、「何に感染させるか?」ですが、虐殺は物騒なので、平和的なのにしておきましょう。
そうですね…今は日記書いたりXにポストするのが多いので、感染すると「いいね!」したくなる、とかどうですか?
知ってますか?アメリカのとある大学の研究では、1日に3回以上、他人を評価(いいね)すると、他人を評価してるはずなのに、なぜか自己肯定感も上がるそうですよ。
僕もインプレッションを稼ぐために陰謀論に走る人々を大勢見てきましたが、「自分を見て!」じゃなく、「あなたを見てるよ」の方が幸せになれるんですよ。不思議ですよね。
嘘だと思うのなら、騙されたと思ってちょっと試してみませんか?
あ、僕の日記を「いいね!」してくれなんて野暮なことは言いませんよ?
誰でもいいので、「この人良いこと言ってるなー」とか、「この言葉好きだなー」って感じたものに直感的に「いいね」すればいいんです。
人の良いところを褒めるのって、コミュニケーションの第一歩ですからね。
「私はあなたのことが好きです。仲良くしましょう」それが「いいね!」なのです。
逆に言えば、自分のことを良く評価してくれない人に興味はないし、関わろうとも思わないですからね。
だから自分から「いいね!」することが大事なんです。
自分から「いいね!」する。
相手からと「いいね!」される。
これが本来の正しいSNSの使い方なんですよ。
みんな忘れちゃってるみたいだけど。