突然の父の他界⑥
3社目の葬儀社は、とても丁寧な対応だった。
「ご遺体はどこに運びますか?」
最初は、自宅に運ぶつもりでいたが
「自宅に布団はあるかのか?」
「お通夜には、また式場に運ばないといけない」
「式場と暫く生活できるような施設があるので、家族葬ならそちらに運んだ方が良いです」
様々な提案をしてくれて、経験もなかったので、お任せすることにした。
金額の話は、一切なかったので、おいくらくらいかかりそうですか?と聞くと
「100から150万くらいだと思います。」
2社目の葬儀社の値段はなんだったのか。本当にそのくらいでできるのか。不安だったたが、お願いすることにした。
遺体の移動の段取りができたのは、9時頃だった。あとは、遺体のお清めを待っていると看護婦さんから声をかけられた。
「警察の方が事故死であることを確定できないとまだ、お清めが出来ていません。まだ、暫くここでお待ちしてもらわないといけません。」
もう2時間は経っていた。母と姉もまだ現場検証しているらしい。浴室をみて、自宅にあった現金を数え、写真を撮っている。証拠隠滅もさせないように、別の2人組の警察官が先回りをして、家の前でパトランプをつけながら、家の前に待機していたようだ。最終的には、家の中に4人の警察官がおり、明らかに容疑者の対応だった。
取り調べ現場検証が終わったのは、22時頃だった。警察官から小さな3つ折りの冊子を貰った。
「事故死の場合は、全員してるので、気分が悪かったと思いますが、すいません。事故死だったので、事件性はないと判断しました」
事故死の場合は、冷めるなぁ。疑われると自分の身の潔白を証明するのに必死になるのだと感じた