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【相談】中小企業経営強化税制ってなに?税理士がわかりやすく解説!
社長: 「最近、設備投資を考えているんですが、何か税制優遇制度ってあるんでしょうか?」
税理士: 「はい、中小企業経営強化税制という制度があります。これは、中小企業が生産性を向上させるための設備投資を行いやすくするための税制優遇措置です。最新の生産機械やITシステムを導入した際に、税金の優遇を受けられます。」
社長: 「具体的にどんな優遇措置があるんですか?」
税理士: 「大きく分けて『即時償却』と『税額控除』の2つがあります。即時償却とは、購入した設備の費用をその年の経費として全額計上できる制度です。一方、税額控除は設備投資額の10%を法人税から差し引くことができます。」
社長: 「それは助かりますね! でも、どんな企業でも利用できるんでしょうか?」
税理士: 「利用するには『経営力向上計画』を作成し、行政の認定を受ける必要があります。また、対象となる設備も基準を満たしている必要があります。」
社長: 「どんな設備が対象になるんですか?」
税理士: 「主に3つのカテゴリーがあります。
生産性向上設備(A類型):旧モデル比で生産性が16%以上向上する設備
収益力強化設備(B類型):投資利益率が平均10%以上向上する設備
経営規模拡大設備(D類型):成長目標を持つ企業が行う設備投資
例えば、最新の工作機械や高性能なITシステムなどが対象になります。」
社長: 「なるほど。でも設備投資には大きなお金がかかりますよね。中小企業には負担が大きそうです。」
税理士: 「確かに初期投資は必要ですが、この税制を活用すれば、税負担を軽減できます。特に『即時償却』を利用すると、キャッシュフローが改善されるので、設備投資がしやすくなります。」
社長: 「でも、手続きが難しそうですね。実際の流れはどうなっていますか?」
税理士: 「大まかな流れは次のとおりです。
経営力向上計画を作成し、認定を受ける(所管の行政機関に申請)
対象となる設備を導入する
税務申告の際に、特例の適用を受ける
計画策定が特に重要で、これがないと税制優遇が受けられません。ただ、専門家に相談すればスムーズに進めることができます。」
社長: 「計画を立てることがポイントなんですね。ところで、この制度の適用期限はありますか?」
税理士: 「はい、適用期限は令和9年3月31日までです。もともとは令和6年度末までだったんですが、2年間延長されました。」
社長: 「じゃあ、今からでも活用できますね! でも、どんな企業でも適用できるわけではないんですよね?」
税理士: 「そのとおりです。売上規模や業種によっては対象外となる場合がありますし、購入する設備も基準を満たしている必要があります。事前にしっかりと確認することが重要です。」
社長: 「中小企業の経営者にとっては、大きなチャンスになりそうですね! 最後に、読者に向けて一言お願いします。」
税理士: 「設備投資を考えている中小企業の方は、ぜひこの制度を活用してください。ただし、適用を受けるには計画の認定が必要ですので、早めの準備が大切です。迷ったら、専門家に相談するのがベストですよ!」
社長: 「今日はとても勉強になりました! ありがとうございました!」