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税理士試験理論暗記攻略法 実行編(4)理論暗記の極意 回転を繰り返す
理論暗記の極意:回転を繰り返して確実な記憶にする方法
はじめに
計算問題と違い、理論の暗記には膨大な時間がかかります。最初のころは、たった1ページしかない理論を覚えるのに半日以上かかった記憶があります。計算問題は理解すればすぐに解けるようになりますが、理論は「理解=暗記」ではありません。理論テキストの文章を一言一句正確に暗記しなければ、試験で正確に解答することはできません。
多くの受験生が「理解すれば書ける」と勘違いしがちですが、実際には、理解しただけでは答案を書くことは不可能です。では、どのように理論を効率よく暗記し、試験本番で活用できる状態にするのか?
本記事では、理論暗記の効果的な方法と「理論を回転する」プロセスについて詳しく解説します。
理論暗記の基本:覚えては忘れ、覚えては忘れの繰り返し
理論の暗記は、一度覚えて終わりではありません。実際には、
覚える
忘れる
思い出す
というプロセスを何度も繰り返すことで、試験で勝負できる記憶になっていきます。
初めて暗記する際は、1ページを覚えるのに半日以上かかることもあります。これは決して異常ではなく、むしろ「正しい暗記プロセス」を踏んでいる証拠です。なぜなら、しっかりと時間をかけて覚えた内容は、次回以降の復習で圧倒的に短い時間で思い出せるからです。
音読暗唱法を用いることで、最初は時間がかかるものの、最終的にはわずか5分程度で復習ができるようになります。
この「回転を繰り返すことで記憶が強固になる」という原則を理解することが、理論暗記成功の鍵です。
理論暗記の核心:「理論を回転する」とは?
「理論を回転する」とは、繰り返し復習し、思い出すスピードを上げることを指します。単に暗記して放置するのではなく、何度も記憶を引き出し、定着させるプロセスが重要です。
回転のステップは以下のように進めていきます。
1. 最初の暗記(覚える段階)
1ページ覚えるのに半日かかることもある。
一字一句正確に暗記することを目標にする。
テキストを見ずに暗唱できるレベルまで仕上げる。
理解だけで満足せず、必ず「口に出して暗唱する」。
2. 最初の復習(1週間以内)
一度しっかり覚えた理論を、忘れかけたタイミングで復習。
この時点では、1題あたり5分程度で思い出せるようになっているはず。
「思い出せなかった部分」だけを重点的に確認。
3. 回転の速度を上げる
本試験までに、以下のペースで回転の速度を上げていきます。
1ヶ月に1回転
2週間で1回転
1週間で1回転
5日で1回転
3日で1回転
このように、最初はゆっくりとしたペースで復習し、試験が近づくにつれて短期間で全理論を回転できるようにします。
最終的には、試験直前に理論テキスト全体を1日〜2日程度で全て復習できる状態を目指します。
回転を効率的に進めるためのポイント
1. 最初の暗記をしっかり行うことが重要
理論を短期間で回転するためには、最初にしっかりと理論を覚え切っておくことが不可欠です。中途半端な暗記では、後から回転しようと思っても、何度もゼロから覚え直す羽目になります。
そのため、最初の暗記は「時間をかけても完璧に」行うべきです。
2. 忘れることを恐れない
理論は、必ず「一度忘れる」ものです。忘れたとしても、それは学習が間違っているわけではなく、むしろ記憶が整理されている証拠です。
一度しっかりと覚えていれば、たとえ忘れても、短時間で覚え直すことができます。
3. 直前の回転スピードを上げる
例えば、試験前の定例試験で5題の理論が出題されるとします。この場合、試験会場に到着するまでの電車の中で、さっと目を通すだけで記憶を呼び戻せる状態が理想です。
このレベルまで仕上げるためには、**「何度も思い出すこと」**が何よりも重要なのです。
目指すべき目標は
理論暗記は時間がかかるが、最初にしっかり覚えれば、復習時間が大幅に短縮される。
「覚えては忘れ、覚えては忘れ」の繰り返しが記憶を強化する。
音読暗唱法を用いれば、最終的に5分で1題を復習できるようになる。
回転のスピードを徐々に上げていき、試験直前には1日で全理論を復習できる状態を目指す。
忘れることを恐れず、回転を繰り返すことで本試験で勝負できる記憶になる。
理論暗記は確かに大変な作業ですが、正しい方法で繰り返せば、試験本番で確実に力を発揮できるようになります。ぜひ「理論を回転する」学習法を実践し、合格をつかみ取ってください!