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固定比率と固定長期適合率:あなたの会社の投資は大丈夫ですか?
固定比率と固定長期適合率:あなたの会社の投資は大丈夫ですか?
はじめに
経営をしていると、どうしても「もっと設備投資をしたい!」「新しいオフィスに移転したい!」という欲求が出てきます。しかし、ここで気をつけないといけないのが「固定比率」と「固定長期適合率」です。これらは、企業がどれだけ安定した資産運用をしていると示している指標であり、無意識に暴走した場合、資金恐怖の不安や金融機関からの信用低下につながる危険性があります。
今回は、難しい数式や堅苦しい説明を避けつつ、ちょっとウイットをつけて、これらの指標の重要性について解説していきます。さて、あなたの会社は「資産の使い方上手」でしょうか?
1. 固定比率:投資が過大かどうかを判断する指標
次に固定比率から。これは簡単というと「自己資本で固定資産をどれだけまかなっているか」を示す指標です。
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目標は100%以下です。つまり、「自分の財布の中にあるお金(自己資本)だけで、固定資産を買えますか?」ということ。これを上回る、借金をして固定資産を購入していることになり、いつかの資金繰りが詰まるリスクが考えられます。
💡こんな企業は要注意!
最新設備を徐々に購入しているが、売上が追いつかない
→資産は増えているが、資金の確保が現実的になる危険あり!固定資産にお金をかけすぎて、現金が残っていない
→事業資金がショートすると、経営が行くまる詰リスク大!
📌 業種ごとの平均値
全企業平均:168.8%
建設業:113.4%
製造業:133.3%
小売業:196.5%
宿泊・飲食サービス業:1230.3%
サービス業:165.6%
えっ、宿泊・飲食サービス業の1230.3%って……!?
これ、完全に「固定資産まみれ」じゃないですか!
2. 長期固定適合率:固定比率の指標
次に固定長期適合率について見ていきましょう。
これは、自己資本だけでなく長期借入金を加えて、固定資産をまかなえ割り当てを示します。
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これは100%以下が理想です。 なぜなら、「長期借入金を含めても資産を固定できない=短期借入で補填している」という状態だからです。 短期借入は期限が短いため、資金繰りの安定性が損なう原因になります。
💡こんな企業は要注意!
固定資産が短期借入でまかなわれている
→危険度MAX!短期借入はすぐに返済が必要なため、資金ショートのリスクが跳ね上がる。長期借入に依存しすぎている
→借入金の支払いがいよいよ、経営悪化の原因に。
📌 業種ごとの平均値
全企業平均:73.0%
建設業:59.7%
製造業:67.3%
小売業:73.0%
宿泊・飲食サービス業:103.3%
サービス業:74.3%
宿泊・飲食サービス業103.3% ……またもや異次元の数値!
固定資産を長期借入でまかなえているように見えても、この比率が100%を超えているということは、短期借入にも依存している可能性が高いです。
3. 固定比率と固定長期適合率をどう活用するか?
✔ 経営者として気をつけるポイント
固定率が100%を超えているのか?
それを超えて、借入に頼りすぎていないか再チェック!
固定長期適合率が100%を超えているか?
100%を超えているなら、短期借入に依存していないか確認!
業種ごとの平均値と比較する
自社の数値が業界平均と大きく乖離している場合、要注意!
4. ポイント
会社の固定資産投資は、思った以上に慎重に考えなければいけません。
✔固定比率は100%以下が理想!
✔長期適合率も100%以下をキープ!
✔短期借入に依存しすぎると危険!
これらを意識するだけで、経営の安定性が大きく変わります。
設備投資をする前に「本当にこの投資は正しいのか?」を一度見直してみましょう。
固定資産の増加にワクワクするのも理解はできますが、借金漬けの未来は避けたいところです!
ぜひ、固定比率と固定長期適合率を活用して、健全な経営を目指してください!