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税理士試験理論暗記攻略法 準備編(第3回)
理論暗記を成功させるための具体的な学習法
受験勉強において、理論暗記は避けて通れない重要なステップだ。前回までで、理論暗記のための道具はすべてそろった。カウンター、フリクションマーカー、ICレコーダー、学習の記録をするスプレッドシートやノート。そして何よりも大切なのは、受験予備校などが出版している「理論テキスト」だ。
今回は、実際に理論暗記を始めるための具体的な手順とポイントについて解説していく。
まず目次を読む:全体像を把握することが鍵
暗記を始める前に、まずは目次を読むことが重要だ。これを習慣化し、最低でも一日一回は目次に目を通そう。目次を読むことで、学習している税法の全体像を意識できる。
勉強を進めるうちに、どうしても細かい部分に没頭しすぎて全体が見えなくなることがある。特に税法は条文の構造が複雑であるため、どの理論がどの位置にあり、どのように体系化されているのかを常に意識することが大切だ。
初学者の段階では、目次を読んでも内容がわからないこともあるだろう。しかし、それは問題ない。むしろ、分からない部分を意識し、覚えていない理論を知ることが重要である。これは「メタ認知」と呼ばれ、受験勉強においては「何ができて、何ができていないのか」を正確に把握することが成功へのカギとなる。
理論タイトルに出題年度を記入する
次に行うべきは、理論テキストの各タイトルの上に、本試験で出題された年度を書き込むことだ。
例えば、平成10年に出題された理論であれば、「H10」と書いておく。こうすることで、試験の出題傾向が見えてくる。
この作業では、本試験の問題そのものを書く必要はない。重要なのは、どの理論が頻繁に出題されているのか、どの理論が古くから出題され続けているのかを意識しながら覚えることだ。頻出の理論は重点的に対策を行い、出題頻度が低い理論についてはバランスを考えて学習を進めるべきである。
敵を知り、己を知る:戦略的に学習を進める
孫子の言葉に「敵を知り己を知れば百戦百勝危うからず」というものがある。この考え方は、受験勉強にもそのまま当てはまる。
本試験の出題傾向を把握し、自分の理解度を正しく認識することで、効果的な学習計画を立てることができる。単に暗記するだけではなく、出題頻度の高い理論を重点的に学習し、どこが苦手なのかを常に確認しながら知識を固めていくことが大切だ。
また、試験までの残り時間を考慮しながら、どの理論にどれだけの時間を割くべきかを決めることも重要である。時間配分を適切に行い、無駄な暗記を避けることで、効率的な学習が可能となる。
次にすすむために
理論暗記は一見すると膨大な作業に思えるが、正しい方法で学習を進めれば、確実に記憶を定着させることができる。そのためには、以下のポイントを意識しよう。
目次を毎日読むことで、税法の全体像を把握する。
理論タイトルの上に出題年度を記入し、頻出理論を意識する。
自分の理解度を把握し、効率的な学習計画を立てる。
暗記すべき内容の優先順位を決め、戦略的に学習を進める。
これらを実践すれば、試験本番でも確固たる知識を持って臨むことができるだろう。理論暗記を単なる苦行にせず、効果的な学習法で乗り越えていこう。