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【求人】自動車教習所が、障害福祉事業所を立ち上げ? 全国初の挑戦となる「サービス管理責任者」を募集(移住歓迎)
こんにちは。くまもとKDSグループ広報チームです!
当社は熊本県にある自動車教習所という枠組みを越えて、外国人人材の採用やドローンスクールの展開など、さまざまなことに挑戦しています。前回は、新たな挑戦を支えてきた「健康経営の推進」について紹介しました。
第3回目は、当社が展開する「障害福祉領域への取り組み」についてです。これまで当社は、運転免許取得に不安のある方への教習をサポートする「運転免許つばさプラン熊本(以下、つばさプラン)」を通して、発達障がいや軽度の知的障がいのある方の免許取得支援をおこなってきました。
2022年春にはその延長線上として、自動車免許取得支援だけでなく、就労前準備やソーシャルスキルトレーニングができる、障害福祉サービス事業所を立ち上げる予定です。今、この新事業所の立ち上げメンバーとして一緒に働くサービス管理責任者(拠点マネジャーも同時募集中)を募集しています。
「企業経営は、社会貢献のためにあるという言葉を大切に掲げてきました。障がいを持つ方々にとって、自動車免許を取得することは本人の大きな自信になることを、何度も見てきました。だからこそ、私たちが持つナレッジを生かし、社会参加や就労支援までサポートできないかとずっと思っていたんです」 代表取締役社長の永田は、自動車教習所が障害のある方向けのサービスを提供する意義を、このように語ります。今回、人材を募集するにあたり、永田にこれまでの歩みや生まれた成果を聞いていきたいと思います。
生活や就労支援もおこなう自動車教習所へ
ーー当社が新たに挑戦する、免許取得のための学習支援と社会へ出る前の就労前準備を目的とした、ソーシャルスキルやPCスキルトレーニングを行う大学のような障害福祉サービス事業所で働くサービス管理責任者募集。今回採用する方は、具体的にどのような仕事をするのか聞かせてください。
ソーシャルスキルやPCトレーニング等は外部専門家講師等の協力を得ますので、サービス管理責任者の方には障がいのある方が自動車免許を取得する際の座学学科プログラムを障害福祉サービスの制度上で受講できる日本初の事業所の立ち上げと個別支援を中心とした現場のケアの質を上げていくこと、現場スタップのスーパーバイズが中心になります。
関係機関との連携もありますので、机にずっと座っているよりも外に出ることに抵抗がない方だと相性が良いと思います。原則フルタイムですがサービス管理責任者は2名体制を検討しているので、1名は短時間正社員も可能です。子育て中の方も両立がしやすいと思います。
ーー利用者の方にとっては、どのようなメリットがあると考えていますか?
障がい福祉サービスの制度を利用することで、免許講習における学科の費用負担が0円もしくは1割負担で受講できることが大きなメリットだと思います。これまで当社に相談に来られていた障がいのある方の中にも金銭的な理由で免許取得を諦めていた方も多かったのでその問題がクリアになるのは大きなメリットだと思います。
また、当社自体に教習車清掃から各種PC業務等多数の職場実習業務が多数あり、畳の上の水練ではなく実際の職場で実習ができることは就労前準備としては非常に重要だと考えています。将来的には、一般的な就職支援だけでなく、e-sportsやBASEを活用したネットショップ経営体験など多様な就労支援を目指す予定です。企業が求める人物像に合わせることも大切にしつつ、個別の目標にこたえられるようにしていきたいと考えています。
▲社内mtgの様子。写真中央にいるのが永田です
――金銭負担が少なく、免許取得と多様な就労支援が受講できるのは魅力ですね。なぜこのような事業を始めようと思ったのでしょうか?
当社は以前から、運転免許取得に不安のある方の教習をサポートする「つばさプラン」として提供してました。「TPA検査(教習所用アセスメントツール)」をもとに、個人の特性に応じたカリキュラムを組み、学習もマンツーマンでサポートするものです。
このプランは、年間で30人弱の方が利用しており、中には福岡から通いたいとおっしゃる問い合わせもあります。自動車教習所という市場は全体でみると縮小しているものの、このプランはウエイティングが出ているほど。一方で、つばさプランはマンツーマンでのサポートが入る分、通常の免許取得よりも費用がかかり、金銭的な理由で受けられない方も多くいます。こうした背景から、新しい障害福祉サービス事業所を作りたいと思っていました。
――とはいえ、自動車教習所が障害福祉サービス事業所を作るのはあまりない事例かと思います。
そうですね、全国的にも初の取り組みではないでしょうか。障がい福祉サービスを活用した免許取得支援がなぜされてこなかったかというと、そもそも経営者に選択肢としてないことや、ケアもできるインストラクターが少ないことが原因として考えられます。
それでも人材を募集して私たちがやるのは、つばさプランで培ってきたナレッジを生かせるし、障害福祉サービス事業所としての独自化にもつながるため。単なる就労支援だけでなく、免許取得や学びの支援もおこなう全国的にも珍しい事業所にできたらと思っています。
ある記事を読んで鹿沼へ。門下生として宿命を背負い
ーー永田さんが障害福祉事業に取り組もうと思ったきっかけは何かあったのでしょうか。
メディアの記事を通して、先進的な取り組みをしている鹿沼自動車教習所の古澤社長を知ったことが最初のきっかけです。地域づくりで先進的な取り組みをしている栃木県鹿沼市を訪問することが決まっていたとき、たまたま業界誌で古澤社長の記事を見つけたんです。
「会ってみたい」という気持ちが強くなって、それなら現場を見に行こうと、初対面でしたが、アポをとってオフィスに直撃したんです(笑)。
ーー無事にお会いして話は聞けたんですか?
はい、おかげさまで(笑)。古澤社長さんは県職員として長く福祉領域に携わり、早期退職されて自動車学校を継がれたそうで、知識が豊富で、とても熱心に取り組まれていました。鹿沼では免許取得のための技術や学習支援はもちろん、寮も完備し、生活就労支援のNPOも入っていると聞いて、脱帽しました。ビジネスとして成り立っているうえ、社会貢献もつながっている。全国各地から多くの障がいを持つ方が来ているそうです。
私は「企業経営は、社会貢献のためにある」という思いを大切にしてきたので、この鹿沼の取り組みにはとても良い刺激を受けています。だから、社長さんの思いも背負い、ここの一番の門下生として、熊本で実現したい。そこで、20弱の自動車学校が入っている「運転免許 つばさプラン」全国研究会に加えていただき、そのノウハウを教えてもらいました。
ーーその後、当社でもつばさプランが導入されたんですね。
はい。まずは「やってみよう」という思いを大事に、挑戦を決めました。導入にあたってはスタッフが独自で研究を積んだとともに、2020年4月からは長年にわたり熊本県立学校や熊本大学の特別支援学校で教育に携わってきた中山龍也さんに、エグゼクティブ・アドバイザーとなってもらいました。
現在、全国に1300の自動車学校がありますが、障がい者の受け入れをおこなっていても、専門的なサポートがないのがほとんどです。しかし当社では、中山さんが個人に応じた教習計画や学習計画作成のサポートをすることで、免許取得につなげています。
――これまでの取り組みの中で、印象に残っていることはありますか?
運転免許は国家資格ですので、免許取得はご本人にとって大きな自信となります。しかし、言葉や数字が苦手な方もいるので、一般的な教習所だと学科試験の途中で離脱してしまうことが多い。他校で学科が通らなかった生徒さんが、免許取得を辞めようと思ったけれど、当校で無事卒業できたこともありました。彼女が、最後に「諦めず頑張って良かったです」と言いながら、手にした免許証を見せてくれた時の笑顔は忘れられません。ご家族の方も大変喜んでいて、この事業を始めて良かったと感じることができました。
また、一緒に伴走する教習指導員の仕事に対する充足感にもつながっており、自ら「勉強したい」と手を挙げる社員も増えています。外国人や障がいを持った人、いろいろな教習生が集っているロビーを遠くから眺めていると、多様性を感じその場の空気の柔らかさに触れることで幸せになります。
課題を“自分事”化し、社会全体にアプローチすること
ーー新たな領域への挑戦を通して、今後どのような教習所にしたいですか?
障がい者の免許所得支援をおこなう自動車教習所ではなく、生活支援と就労支援までサポートができる“応援隊”になりたいと考えています。
社会的にも障がい者の就労支援が推進されていますが、福祉事業を展開するうえで最大の壁となるのは人材が集まらないこと。自動車教習所も政府から障がい者支援の要請は出ていますが、手を挙げる自動車学校は少ないのが現状です。そもそも障がい者の免許取得支援に、生活・就労支援サービスを加えられることを知らない方も多いのではないでしょうか。
ただ「誰もやらないから」で辞めてしまうのではなく、私たちができることややるべきことを考え、挑戦していかなければいけないと思っています。
ーー社会全体の課題にアプローチしていくという強い思いを感じます。
このままだと「未来の地球には何も残っていないんじゃないか」と思うことがあるんです。毎年起こる未曾有の自然災害や新型コロナなど、さまざまな危機が私たちの周りを取り巻く中で、従来のような利益だけの追求から、地球全体の存続、まさにSDGsへと視点を変える必要があるのだと思います。
特に、地方の企業はまだ意識が弱いので、「このままで本当に良いの?」と感じることもしばしばです。あらためて「企業経営は、社会貢献のためにある」という言葉を発信していく必要性を感じています。
ただ少しずつ変わってきている兆しも見えてきています。年1回開催されている熊本経済同友会のフォーラムで毎年提言をしているのですが、これまでと反応が変わり、多くの人が「産学官民一体とならなければいけない」という危機感があるようでした。社会課題を自分事化されているケースが増えており、私ももっと頑張らなければという思いです。
ーー最後に、新しい事業所でのサービス管理責任者に応募を検討してくださっている方々へのメッセージをお願いします。
応募条件に該当していることはもちろんですが、当社が大切にしてきた「企業経営は、社会貢献のためにある」という言葉に共感してくれた方に応募いただけると嬉しいです。
いくら私が声を上げて行動をしたとしても、1人でできることは限られています。でも、スタッフやマネージャー、他の企業の皆さまも含めて社会課題にアプローチする方が少しずつでも増えたら、きっと未来は明るくなるはず。新しい事業所では立ち上げフェーズでの参加となるので大変なことや苦労することも多いと思いますが、全国的にも珍しい取り組みなので、やりがいはその分あると感じています。興味のある方は、ぜひお話ししましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。当社の取り組みや企業活動など、もっと知りたいと思ってくれた方はnoteをぜひフォローください。サービス管理責任者の求人に興味を持ってくれた方は、ジョブメドレーのページから応募いただければと思います(拠点長も同時募集中)。その他の採用情報は、こちらのページをご覧ください。