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-生き方に迷っている人へ- 【Mr.プランクトン】レビュー

概要

◾︎タイトル

Mr.プランクトン

◾︎あらすじ

人生をさまよいながら生きているヘジョが元恋人のジェミを巻き込んで旅に出るところから始まるロマンス×ヒューマンストーリー。

◾︎話数

全10話(一挙配信)

◾︎キャスト

ウドファン / イユミ  / オジョンセ / イエル / キムミンソク  他


予告映像


見終えた率直な感想

本作は配信されるまでは正直あまり目をつけていなかったのですが、見た方のレビューや評価の高さを知り、私も見てみようと軽い気持ちで開封した作品でした。

実際にイッキ見して感じたのは、その評価通り名作であったこと。
私の人生の中でも指何本かに数えられるほどのドラマになり、是非オススメしたい!と心から思う作品になりました。

公式ではジャンルがラブコメディと記載されていますが、個人的にはロマンス×ヒューマンドラマだと受け取りました。
それほど愛とキャラクターたちの言葉が心に残っているのです。


主人公とヒロインのキャラクター

主人公ヘジョ(演:ウ・ドファン)

"その日が楽しければいい"

親に捨てられて人生をさまよいながら生きているヘジョ。
彼は便利屋という職業をしながら"その日が楽しければいい"というスタンスで生きています。

引用元:Netflix 公式X


自分が生きる方向性や未来を見失ってしまうことは誰にでもあると思いますが(私も迷い中です笑)、その想いを持ちつつも日々を全力で楽しんで生きることが大事だと、彼の価値観から1つ得たような気がしました。


ヒロイン ジェミ(演:イ・ユミ)

"愛をたっぷり注がれたら心が満たされるかも"

親からの愛を知らず、温かい愛情を求めるジェミ。
彼女は自分に対して大きな愛を与えてくれようとするフンと結婚しようとするのですが……

引用元:Netflix 公式X


本作では彼女の受け取る愛情は恋人からですが、生きていく上で家族や親戚、周りの友人たちなどの愛こそが生きていく希望になっていくのだろうと、そんなことを受け取りました。


ヘジョとジェミの性格

この作品で私が感じたのは2人の性格の違いでした。
お互い親から捨てられたり、見放されたという境遇があり、生き方は一見似ているように感じます。

ヘジョは一匹狼で想いを内に秘め、想いをあまり感情的に発しないタイプ。
一方、ジェミは感情を思いっきり出す時は出してはっきりと伝えるタイプ。

あくまで一個人の感想ではありますが、そういったものを見ながら得ました。

引用元:Netflix Korea 公式Instagram


この性格の違いこそが2人が一緒に過ごすにあたって相性が良かったのかもしれません。

ジェミの、感性が豊かで素直にヘジョに想いをぶつける性格が私は大好きでした。

笑顔が多くて明るくて、ヘジョの言葉を借りると"ダサいけど可愛い"、そんな愛らしいキャラクターこそがヘジョの傍には必要だったのだと。

そしてヘジョを演じたウ・ドファンと、ジェミを演じたイ・ユミがあまりにも適役すぎて彼らが本当にヘジョとジェミみたいに感じる圧倒される演技でした。


心に響いた名セリフpick up🔖

ここからは私がこの作品を見ながら心に響き、記憶とともに記録としてずっと残しておきたい言葉を書いておきます✍️
※訳はNetflixの日本語訳を使用しています。


ep4
行き先が見えないジェミへのアドバイス

ジェミが"スピードが出ていて止められないし行き先も全く見えない"と人生に対する疲れを吐き出すシーン


"人生において行き先を決めるな
  行き先を決めて道を失うと 今のお前のように迷子になる
  でも行き先がなかったら?
  それは迷子じゃなくて放浪の旅になる 俺みたいに"

ep4 ヘジョのセリフ


これから先の未来、自分自身がどういう生き方をするのが正しいのか、迷ってしまう時が多々あります。

こうあるべきという方向にうまく適応しきれない時、不安や焦りが出て自らに苛立ちを覚えてしまうこともありますが、ここでヘジョの"人生において行き先を決めるな"という言葉こそが救いになりました。

(そうか、明確なビジョンを持っていなくたっていいじゃないか)と少し心を落ち着かせて楽観視できるようになった、魔法の言葉でした。


何度か出てくる"行き先"という言葉

"行き先よりも進むことが大事だろ
  目の前に道があり俺はまだ生きている
  だったら進めばいい"

ep6 ヘジョのセリフ


"行き先を決めるな "何かしなくちゃ"とも思うな
  本能の赴くままに進め そうすれば迷わない
  未知の世界に飛び出せば それは迷子じゃなくて放浪の旅になる"

ep10 ヘジョのセリフ


私がこのドラマの中で一番に響いたのは"行き先を決めるな"  
次に好きだったのは"本能の赴くままに進め"でした。

その人がその人らしく思うままに生きていられる人生こそが幸せであり、ヘジョが求める生き方で価値観であったのだと強く受け取りました。
私も彼の想いに強く共感します。


ep9
プランクトンになりたいヘジョ

海で光っている、太陽の光を浴びて発光するプランクトンについて"食物連鎖の底辺にいる取るに足らない存在"だとヘジョが語るシーン


"でもすごいぞ
  プランクトンは光を放つのと同時に酸素も吐き出すんだ
  そのおかげでお前も俺も地球もこうして生きていられる"

"あの小さなヤツらにそんなすごい価値があるなんて"

"俺はプランクトンに生まれ変わりたいって話だ"

ep9 ヘジョのセリフ


このシーンはまさにタイトルがMrプランクトンである意義を強く受け取ることのできる場面でした。
プランクトンは大きな世界に対しては本当に小さな存在であるけれども、彼らが生きていることによって生きることのできる存在がある、と。

孤独に生きているヘジョ自身が世界から見ると小さい存在だとしても、彼の生きている世界で生きられる人(ジェミ)がいる。
そんな強いメッセージを受け取り、温かさを感じる大好きな台詞でした。

確かに、私もプランクトンになりたい。
彼らは小さくてもこんなにも大きい存在だったのだと、この作品で改めて感じさせられました。


ep9
光を放つ星を見るヘジョとジェミ

旅の途中に2人が一緒に肩を寄り添わせながら星を眺めるシーン

"不思議だよな 光を放った星はもう存在しないのに
  光だけが俺たちの前で輝いているなんて
  夜空を見ていると 生と死の境目すら取るに足らないと思える"

ep9 ヘジョのセリフ


ヘジョがもう存在しない星が光を放っているのが不思議だと語るこのシーンが心に残りました。

存在はしなくでも輝き続ける星というものが、きっと彼にとっては励ましや支えとなったのではないかと感じました。

生と死は真逆のようで実は繋がっていたり、通じるものがあることを考えさせられるメッセージ性のある場面でした。



高評価の口コミで気になって最初は何気なく見始めた作品でしたが、"行き先を決めるな"という人生において強いメッセージ性のある言葉に出会えて、何だか救われた思いがしました。

周りの人の生き方をSNSで簡単に受け取れるような現代ではありますが、他人と同じように生きる必要は無い、本能のまま生きていくので良いんだと自分自身の選択を肯定化してくれるようなメッセージだと、私は受け取りました。
その結果が自身の思う幸せに繋がれば、そんな素敵なことはありません。

生きるということに対して不安や悩みを抱えている人に贈りたい、ぜひ見てほしい作品です。


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