【決定版】Kindle(KDP)アカウント停止原因・対策・復活方法まとめ【全編無料】
はじめに
Kindleダイレクトパブリッシング(KDP)で出版活動をしていると、KDPチームから突然アカウント停止の連絡を受け取る場合があります。本記事では、
よくあるアカウント停止の原因
アカウント停止にならないための対策
万が一アカウント停止になってしまったときの対処法
これらを具体例とセットで徹底解説いたします。
過去に、いくつかのKDPアカウントに関する記事を投稿してきましたが、本記事はそれらをひとまとめにギュッと凝縮した、決定版の記事となっています。
便利なハンドブックとして、ぜひ「いいね」や「ブックマーク」いただけると幸いです!
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長文のため、目次からご興味のある項目だけピックアップしていただくと良いかもしれません。
本記事は、KDP運用ノウハウでも同様の記事を公開しています。
なお、真剣にアカウント復活を希望されている方向けには、本記事に加えて、「KDPアカウント復活サポート」を紹介させていただきます。
KDPアカウント復活サポートでは、相談者様の状況に応じて、「丁寧なヒアリング・分析、ご依頼から原則24時間以内の改善計画書(数千文字)の作成代行、KDPチームとの折衝支援」をさせていただいております。また、相談の中で、アカウント復活可能性がゼロに近いと判断した場合は、正直に「復活の見込みが無い」旨をお伝えしております。Line,Webフォームからのお問い合わせが可能で、原則、即時返信させていただきます。
もしお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
追記:昨今、AI写真集によるガイドライン違反・アカウント停止が急増しています。こちらは特別枠として、本記事の最後に、実情や対処法を記載しておりますので、ぜひ御覧ください。
Kindle(KDP)アカウント停止の影響
ある日突然届く、KDPチームからのメール。メールを開封すると、そこにはアカウント停止の文字が…。アカウント停止は、その時点でKindleにおける出版生命を絶たれると言っても過言ではない重大な措置です。アカウント停止の主な影響を以下に記載します。
出版済書籍の販売停止・削除
新規の出版も不可に加えて、停止アカウントに紐づく全ての出版済書籍が販売停止となります。販売停止後に書籍のURLにアクセスすると、「当社サイトの有効なページではありません」と表示されます。
「過去にコンテンツレビューを通過して出版された書籍なのだから、アカウント停止後も出版され続けるのでは?」
と期待される方もいらっしゃいますが、実態は異なります。
ロイヤリティ全没収
KDPの売上(ロイヤリティ)は随時振り込まれるわけではなく、ストックされていきます。ストック分が最低ライン(10,000円)を超えた場合、売上報告された月の末日から約 60 日後に支払われる仕組みです。しかしアカウント停止になった場合、まだ振り込まれていないストック分、いわゆる未払いのロイヤリティは全没収されます。KDPでの出版を通じて、副業・本業レベルの収入(月次で数万~数十万円)を得ていた出版者の方にとっては、大きな痛手となるでしょう。
出版済書籍データへのアクセス不可
過去に出版済の書籍データにアクセスできなくなります。書籍データの編集はもちろん、書籍データの回収も不可となります。KDPに書籍データをアップロードした後も、Kindle以外の個人出版サービスで書籍データを再利用する場合等に備えて、必ず書籍データはバックアップを保存しておくようにしましょう。
新規KDPアカウント開設不可
「ふーん、アカウントが停止されたのか。じゃあ別のKDPアカウントを作って再出発しようかな…」
そんなふうに考える出版者の方は少なくありません。しかし、Amazonの利用規約では、個人が複数のKDPアカウントを運用することは許されていません。以下の登録情報からアカウントの紐づけが行われ、停止アカウントと同一ユーザのアカウントと判断された場合、新アカウントもBANとなるリスクがあります。
登録者名
住所
電話番号
銀行口座
クレジットカード
アクセス端末のIPアドレス
アクセス端末のMACアドレス
上記の紐づけ対策として、停止アカウントとは全く異なる情報でアカウント登録し、アクセス環境も変える等、細心の注意を払って別アカウントを運用することは、不可能ではありません。しかし、常に「停止アカウントに紐づけされるリスク」に怯えながら出版活動を行うのは精神的に疲弊しますし、何よりもAmazon規約に真っ向から反する行為であるため、推奨していません。
Kindle(KDP)アカウント停止の原因
コンテンツガイドライン違反
大前提として、Amazon はKindleユーザの読書体験を守るために、必要に応じてコンテンツを販売停止とする権利を持っています。KDPの出版者は、Kindleという巨大マーケットでの出版活動を享受する代わりに、Amazonの定めるコンテンツガイドラインを厳守する必要があります。ガイドライン違反が確認された場合、Amazonは前述の権利を行使し、コンテンツの販売停止やアカウント停止を執行します。ガイドラインは本のタイトル、表紙画像、商品説明を含めて、本のコンテンツすべてに適用されます。
コンテンツガイドラインは以下のリンクから確認することができます。https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200672390
以下に参考情報としてガイドラインの主文を引用しますが、出版前のチェックを目的とする場合は、必ずAmazonの最新のガイドラインページを参照するようにしてください。
ガイドライン違反はどうやって判断される?
KDPでは、新規に書籍を出版した際に、コンテンツチェックが行われます。日々、膨大な数の書籍が出版されているため、全てを人手でチェックしているわけではなく、機械学習や自動化ツール、調査担当者チームが、効率的・複合的にコンテンツチェックしています。そのコンテンツチェックにおける、コンテンツガイドライン適合/不適合(違反)の具体的な判断プロセス・根拠については非公開になっています。少なくとも、筆者が知る限りでは、KDPチーム側から、具体的なガイドライン違反箇所や、判断の詳細が開示された例はありません。
ガイドライン違反の判断は覆せる?
「私の書籍は◯◯という理由で、ガイドラインに違反していないと思います。書籍のどの部分が、どのような理由でガイドライン違反と判断されたのか、具体的に教えてください」
ガイドライン違反を指摘された出版者が、よく、KDPチームに対して上記のような反論をすることがあります。論理的な説明を尽くして、ガイドライン違反の事実そのものを覆したい意図は分かるのですが、残念ながらKDPチーム側から
「反論内容はごもっともです。ガイドライン違反を撤回します」
といった回答は期待できません。判断根拠は非開示であることと、ガイドラインを遵守してください、という旨のテンプレートメッセージが返ってくるのみです。ガイドライン違反の通知が行われた時点で、違反はほぼ確定的であり、よほど強力なファクトが無い限り、ガイドライン違反の判断は動かせないと言えるでしょう。
一度コンテンツレビューに通過すれば安心?
「私の書籍は一度コンテンツレビューを通過して出版された。もう安心だ」
そのように考えていたら、ある日、ガイドライン違反の通知が着て出版停止・アカウント停止になったという事例があります。Kindle書籍は初回出版時のコンテンツレビューとは別のタイミングで、追加のレビューが行われることがあります。初回のレビューで無事に出版できていたとしても、その後の2回目・3回目のレビューでは、ガイドラインチェックの担当者が変わり、違反の判断が下る恐れがあるのです。上記の事例では、
「一度コンテンツレビューを通過して出版されていた書籍なのに、なぜガイドライン違反になったのか。ガイドラインの基準が変わったのか」
とKDPチームに質問しても、具体的な理由は開示されませんでした。
あるKindle書籍がレビューに通過すれば、同じ内容のペーパーバック版や外国語翻訳版のレビュー通過は確実?
「日本語版のKindle書籍は無事にコンテンツレビューを通過し、出版できた。売上UPのために、ペーパーバック(紙の書籍)版や、外国語翻訳版のKindle書籍も出版していこう!」
リーチする読者を増やすために、上記のようなアクションを取られる方は多いです。しかしここに、ひとつ落とし穴があります。あるKindle書籍がコンテンツレビューに通過したからといって、その書籍と同一内容のペーパーバック版の書籍や、外国語翻訳版の書籍が、コンテンツレビューに通過することが約束されたわけではありません。出版済のKindle書籍と同一内容の書籍(ペーパーバック版や別言語版)であっても、ガイドライン違反の判断が下った事例があります。そしてやはり、KDPチーム側に
「Kindle版はOKだったのに、なぜペーパーバック版ではガイドライン違反になるのか」
「日本語版はOKだったのに、なぜ英語版はガイドライン違反になるのか」
と質問しても、具体的な理由は開示されません。
また、これは筆者の所感ですが、日本語のKindle書籍と比べて、ペーパーバック版や、外国語版のコンテンツレビューの方が、ガイドライン基準が厳しくなる印象です。
不正なレビュー投稿が発覚した場合
Kindleユーザは書籍に対して★1~5の評価と、コメントのレビューを投稿することができます。Amazonの一般的な商品と同様に、Kindle書籍のレビュー件数が多ければ多いほど、またその平均評価が高ければ高いほど、新規のユーザは「この本は評判がいいな。読んでみよう」と思い、その書籍を手に取りやすくなる(=売上がUPする)のです。
出版者側もそれが分かっているので、できるだけ高評価を増やしたいと考えます。書籍のページに「この本を気に入っていただけたらレビューをお願いします」と書き添えるくらいであれば問題ありませんが、
高評価レビューの対価を提供する(例:★5レビュー投稿してくれたらAmazonギフト券1,000円分をプレゼント)
組織的にレビューを大量投稿する(例:家族友人知人のKindleアカウントを借りて★5レビューを大量につける)
といった不正レビュー行為は、Amazon側に検知された場合、アカウント停止処分を受けるリスクがあります。バレなければ問題無い、と考える方もいらっしゃいますが、レビュー対価の提供は、依頼を受けた人がAmazon側に通報するリスクがありますし、組織的な大量レビューは、レビュー密度(書籍の購入数あたりのレビュー投稿数)や、レビューアカウントの同一性(いつも同じアカウントが、特定の出版者の書籍が出版される度に、毎回★5レビューを付けている)等から、機械的に不正レビュー検知をされるリスクがあります。
他人の停止アカウントに誤って紐付けられてしまった場合
不幸なケースとして、別の人間の停止済KDPアカウントと、自分の健全なKDPアカウントが、何かの拍子に紐付けられてしまい、アカウント停止処分される可能性があります。このようなケースは、紐づけ先のアカウント運用者と、自分が全く別人であることを明確に示すことで、アカウント回復が可能です。
複数アカウントの運用が発覚した場合
アカウント停止リスクを分散しようとして、初めから複数の名義でKDPアカウントを運用している方がいらっしゃいます。しかし、その行為は、「他人の停止アカウントに誤って紐付けられてしまった場合」のパートで説明したとおり、1ユーザあたり1アカウントのルールに反する行為であり、発覚した場合は、アカウントが停止するリスクがあります。
読者(競合出版者・クレーマー)から通報を受けた場合
Kindle書籍には、商品ページの下の方に、問題を報告するためのエリアが設けられています。
こちらで報告が行われた書籍は、過去にコンテンツレビューを通過していたとしても、再度チェックが行われ、その結果として出版停止・アカウント停止になる可能性があります。書籍の品質に真に問題がある場合は、通報を甘んじて受け入れる必要があります。しかし、クレーマーや競合出版者から、嫌がらせやKindleマーケットからの締め出しを目的として、通報が行われるケースがあります。こちらは残念ながら、直接的な対策のしようがなく、万が一通報され繰り返しチェックされたとしても、KDPチームから問題ないと判断されるコンテンツを出版するしかありません。
著作権・肖像権侵害の疑義が生じた場合
特に写真集を出版されている場合において、
本に掲載した各モデルの署名付き肖像権使用同意書
各モデルの生年月日が記載された有効期限内の公的な写真付き身分証明書
の提出を求められることがあります。そして、5日以内に書類を提出できない場合はコンテンツの販売停止処分となります。またコンテンツの販売停止から、アカウント停止に繋がるリスクがあります。
写真集を出版する際は、上記の書類(身分証は写し)を保管し、いつでも提出できるようにしましょう。
昨今増加しているAI写真集では、そもそも写真の人物が実在しないため、上記の書類は提出できません。その場合は、写真の人物が実在しないこと(AIで生成された架空の人物であること)を、メールで返信すれば問題ありません。
Kindle(KDP)アカウント停止までの流れ
コンテンツブロック
ガイドライン違反が確認されると、KDP運営から、対象書籍のコンテンツブロック、販売停止となった旨のメールが届きます。ガイドライン違反の重大性や、ブロック回数にも依りますが、コンテンツブロック後、時間差でガイドライン停止の連絡が来るケースが多いです。
アカウント停止1回目
KDP運営からアカウント停止メールが届きます。メールの受信時は、まだKDPアカウントのダッシュボード画面にアクセスできる場合もありますが、時間が経つと、ダッシュボードの各種機能へのアクセスが制限されます。
アカウント停止が1回目の場合は、ガイドラインを遵守する旨の宣誓文を返信するよう案内されます。案内どおりに返信すると、すぐにアカウント停止が解除され、ダッシュボードの各種機能にもアクセスできるようになります。
アカウント停止2回目
何らかの理由で再びアカウント停止に陥ると、今度はアカウント停止解除方法の案内はなく、以下の通告が行われます。ガイドライン違反の重大性によっては、一発で以下の通告を受けるケースもあります。
ここからアカウント停止を解除できるかは、過去の事例から、以下の要素に左右されると考えられます。
書籍のブロック回数(少ない方が良い)
ガイドライン違反の回数(少ない方が良い)
ガイドライン違反の重大性(軽微な方が良い)
アカウントの運用期間(長い方が良い)
書籍の出版冊数(多い方が良い)
過去のKDP運営側とのコミュニケーション(拗れておらず、連絡回数が少ない方が良い)
今後のKDP運営側とのコミュニケーション(真摯な謝罪、ガイドライン違反の原因・対策・再発防止の改善計画を提出し、再審査を依頼)。
Kindle(KDP)アカウント停止時のNGアクション
感情的な連絡はSTOP!
アカウント停止の連絡を受けた途端、
「ガイドライン違反の根拠が明かされないのは納得できない。ちゃんと説明してほしい」
「アカウント停止は収入が無くなって困る。なんとか再開してほしい」
と感情的にKDPチームに詰め寄る出版者の方が多いですが、逆効果です。KDPチームは問い合わせに対して、テンプレート文言での対応が基本になっています(日々たくさんのKDPユーザに対応するため、致し方ないでしょう)。感情的な連絡を行ったところで、粛々とテンプレートメッセージを返されて終わるケースがほとんどです。
ガイドラインの公平性を求めない
「私の書籍は、ガイドラインの●●に違反したと言われたが、Kindleでは、私の書籍と比べて、さらに違反のレベルが高い書籍が出版されている。これらの書籍が出版OKならば、自分の書籍もOKになるはずではないか」
このように、ガイドライン適用の不公平性をKDPチームに訴える方がとても多いです。しかし、どれほど不公平性を糾弾したところで、やはりテンプレートメッセージを返されて終わるケースがほとんどです。
正直、私も数多くのガイドライン違反の事例を見てきて、「ガイドライン違反の適合/不適合(違反)の基準は曖昧な部分がある」という印象を持っています。特に、ガイドラインの「不快なコンテンツ」には注意が必要です。
記載のとおり、不快なコンテンツかどうか判断するのはAmazonです。そして、私が知る限り、その判断の具体的根拠が、ガイドライン違反者に開示されることはありません。つまり、KDP出版者側は、Amazonが不快と判断するコンテンツとは何かを推測し、不快なコンテンツを出版しないよう細心の注意を払う必要があります。さらに、コンテンツチェックの担当者によっては、同一内容の書籍であっても適合/不適合(違反)の判断が異なる可能性があるため、結果として出版者目線では、不公平な状況が生まれているのでしょう。理不尽さを感じられる出版者の方もいると思いますが、その一方で、日々膨大な書籍をレビューしているKDPチームの方々に対して、神の如き完璧な公平性を要求することも、また、難しいと言えるでしょう。
KDPチームとの連絡回数には限度がある
KDPチームのテンプレート対応にもめげずに、何度も同じような内容で、アカウント停止解除の依頼メールを送る方がいます。しかし、KDPチームもテンプレート対応とはいえ、いつまでもアカウント停止ユーザーの相手をしてくれるわけではありません。回数を重ねるごとに、対応はテンプレート化・硬直化していき、最終的には、
「アカウント停止はAmazonの最終的な決定であり、本件に関してこれ以上の検討や対応はできない」
という最後通告を受けることになります。
KDPチームとの連絡回数にはリミットがあることを理解し、アカウント再開に繋がらない連絡は極力控えることが大切です。
Kindle(KDP)アカウント復活・再開に向けて
KDPチームへの連絡方法
アカウント停止の通知メールへの返信、もしくは閉鎖後のKDPアカウントの問い合わせフォームから、KDPチーム側への連絡が可能です。
改善計画書
連絡内容は以下を推奨しています。
真摯な謝罪
アカウント停止の事実認識
アカウント停止の原因分析
アカウント停止の原因に対する対策(再発防止策)
アカウント再開の再審査依頼
特に2~4の、アカウント停止の事実認識、原因分析、再発防止策が最重要箇所となります。
KDPチーム側の視点に立つと、どれだけ「ごめんなさい」「もうしません」と懇願されたところで、そう簡単に停止アカウントを再開させるわけにはいかないでしょう。その言葉を信じてアカウント停止を解除した結果、再びガイドラインに違反するコンテンツが出版され、コンテンツチェックをすり抜けて、Kindleマーケットに不適切な書籍が流れてしまうリスクがあるからです。
そのため、上辺だけの謝罪や再開の懇願ではなく、
アカウント停止の事実認識
アカウント停止の原因分析
アカウント停止の再発防止策
これらの要素を、理路整然とした文章でまとめ、改善計画書として提出することが重要です。
アカウント停止の経緯にもよりますが、改善計画書は数千文字に渡るケースがほとんどです。また、初めて改善計画書を書くという方がほとんどであり、計画書の作成には、必然的に時間と労力がかかります。
情報商材や、改善計画書作成代行サービスの注意点
ネットで検索すると、KDPアカウントの復活のための情報商材や、改善計画書の作成を代行するサービスがいくつか見つかります。これらのサービスの運営者は、多数のKDPアカウントの停止・復活事例を知っているが故に、高品質の改善計画書を作成することが可能です。また、これらのサービスを使うことで、独力で計画書を作成するのと比べて、時間や労力の節約につながるでしょう。
しかし、これらのサービスを利用する際には、以下の2点で注意が必要です。
コストは適正か
信頼できる業者か
まずコストについてですが、アカウントが停止して困っている方の足元を見て、数万~数十万の費用を請求する情報商材や代行業者が存在します。アカウント停止の焦りや、アカウント復活することを諦めきれない思いから、つい盲目的に大金を支払ってしまう方がいますが、そのコストが本当に適正か冷静に見極めることが重要です。
「アカウントが復活すれば、ロイヤリティ収入が復活し、支払ったコスト分はすぐに取り返せる」
「アカウント復活後の継続的なロイヤリティ収入に比べれば、今回のサービス利用コストは安いものだ」
そう思われる方は多く、当然、業者側もそのように思考を誘導します。
また、まるでほぼ確実にアカウントが復活できるような宣伝や、アカウント復活の期待を過度に煽る業者もいますが、現実はそう甘くはありません。支払ったコストは、そのまま失われる可能性があることも踏まえて、本当にサービスに見合った金額か、よく検討されることを推奨します。
また業者の信頼性についても、依頼前にしっかり確認すべきでしょう。情報商材や代行業者の宣伝はそのまま鵜呑みにすべきではありません。誇大広告ではないか、サクラによる評価や、アカウント復活事例の創作が無いか、利用前にしっかりと見極めることが重要です。サクラ評価や、アカウント復活事例の創作は、具体性が乏しい上辺だけの情報であることが多いです。
KDPアカウント復活サポート
ここで改めて、当サービス「KDPアカウント復活サポート」を紹介することをお許しください。
KDPアカウント復活サポートでは、相談者様の状況に応じて、「丁寧なヒアリング・分析、ご依頼から原則24時間以内の改善計画書(数千文字)の作成代行、KDPチームとの折衝支援」をさせていただいております。また、相談の中で、アカウント復活可能性がゼロに近いと判断した場合は、正直に「復活の見込みが無い」旨をお伝えしております。Line,Webフォームからのお問い合わせが可能で、原則、即時返信させていただきます。
もしお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
終わりに
ここまで、Kindle(KDP)アカウントの停止の原因・影響・停止までの流れ・再開に向けた動きについて説明してきました。他の情報商材や代行サービスの業者様から怒られてしまいそうなほど、惜しみなく、KDPアカウント停止・復活に関する情報を詳らかにしたつもりです。
筆者自身も、恥ずかしながらKDPアカウントの停止経験があり、その時は運良く(?)復活できたものの、アカウント停止中の心労は相当なものでした。寝ても冷めても、出版停止されたコンテンツのことを考えたり、本来獲得できていたはずのロイヤリティ収入のことを思って、ふとした拍子に泣きそうになったりと、精神的にかなり追い詰められていた記憶があります。
その分、今では、他のKDP出版者様からアカウント停止の相談をいただいたとき、親身に相談に乗ることができているので、上記の経験も決して悪いことばかりではなかったと思っています。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。この記事を読んでいただたKDPアカウント運営者の皆様の、アカウントの継続・発展を心からお祈りしています。
追記:AI美女写真集によるガイドライン違反・アカウント停止について
AI美女写真集の急増
筆者の体感では、2023年初頭から、画像生成AIによる写真集のKindle出版が急増するようになりました。いわゆるAI写真集です。Kindleの写真集カテゴリーで需要があるのは、圧倒的にタレント写真集、その中でも女性のセクシーな写真集となります。画像生成AIの詳細な説明は割愛しますが、このAIを用いることで、美しい女性のセクシーな写真(水着・下着・半裸・全裸姿など)を簡単に大量生成することが可能です。かつては、お金をかけて人間のモデル、カメラマンを雇い、実際にロケ地で撮影し、やっとの思いで写真素材を準備していたものが、今やPCが一台あれば、ほぼ無料であっとういう間に写真素材が準備できてしまう時代になりました。AI写真集の作り方は、SNS・Youtube動画・ネット記事・情報商材などで拡散、普及した結果、数多くの新規KDPユーザーが、AI美女写真集を作り始めるようになりました。
AI美女写真集のガイドライン違反
AI美女写真集は、そのタイトル・表紙・コンテンツが性的関心を煽るものであるほど(要はエッチなほど)、売上が伸びやすい傾向があります。しかし、ここで忘れてはならないのが、コンテンツガイドラインです。中でも、
「不快なコンテンツ」における、以下の太字部分が重要です。
AI美女写真集を作成するユーザの急増に伴い、上記のコンテンツガイドラインに違反し、アカウント停止になるユーザも急増しました。
AI美女写真集出版時の注意点1:アダルトカテゴリーを信頼しない
Kindle書籍は出版する際、アダルトカテゴリーと、一般(非アダルト)カテゴリーに分けられます。そして多くの出版者が、
「最初からアダルトカテゴリーに設定していれば、セクシーなコンテンツを出版してもガイドライン違反にならない」
と思い込んでいます。
残念ながら実態は異なり、アダルトカテゴリーに設定していたとしても、ガイドライン違反でアカウント停止になる事例が存在します。
筆者としても、本来的にはアダルト/一般(非アダルト)の棲み分けを行うためのカテゴリー分類であり、きちんとアダルトカテゴリーに設定した場合は、セクシーなコンテンツを含む書籍はガイドライン違反にならないのが妥当ではないか、と考えているのですが、KDPチームの判断が絶対ですので、そこに異を唱えても仕方有りません。
AI美女写真集出版時の注意点2:ガイドラインの公平性を訴えても無意味
本章でも既に記載していますが、ガイドライン違反の指摘を受けたとき、以下のように主張する方が非常に多いです。
「自分のコンテンツがわいせつなコンテンツというなら、Kindleで出版されている他の写真集は、さらにわいせつな内容だが、ガイドライン違反にならずに出版されている。不公平ではないか」
お気持ちはわかります。しかし本章にも記載のとおり、ガイドラインチェックする方によって、ガイドライン適用の基準は微妙に異なる可能性が高いです。また、これはあくまで伝聞ですが、Kindleでは企業の出版社と、個人の出版者とで、コンテンツに対するガイドライン適用基準に差があると言われています。
その一例を示します。Kindleの写真集カテゴリ(非アダルト)において、ランキング上位の書籍に「貴方にハァハァして欲しい」というタイトルの写真集があります。(例示のための引用であり、本書籍を貶める意図は一切ございません。女性タレント様の美麗なショットを堪能できる、素晴らしい写真集だと思います)。
表紙は、未成年の方にとって、やや過激と思われる描写があるためモザイク処理しています。
前提として、コンテンツガイドラインによれば、「ガイドラインは本のタイトル、表紙画像、商品説明を含めて、本のコンテンツすべてに適用」されます。ここで改めて、ガイドラインの一部を再掲しましょう。
これはあくまで筆者個人の感想ですが、本書籍のタイトルにおける「貴方にハァハァして欲しい」というのは、「読者が性的に興奮することを希望している」と受け取られかねない表現のように思われます。
また、表紙画像においては、女性タレントが下着もしくは水着を着用した姿で、かつ、それらの衣類を着脱し、自然と全面的に肌が露出している様が描写されています。
また、試し読み画像においては、女性タレントが白いワンピースの裾をたくしあげ、下着を自ら露出されている写真を確認することができます。
極めつけは商品説明文において、
思い切り「エロス」って書いてますね。
しかし、本書籍は2013/9/6から出版が継続されていることから、コンテンツガイドラインの「わいせつ」には抵触せず、出版が認められているのでしょう。
一方、筆者が相談を受けた事例では、肌の露出が多い衣類を避け、また下着を自ら露出させる等の性的関心を煽るポーズも一切無い、通常の衣類を着用した女性の写真集(タイトル・説明文も性的文言無し)に対し、「わいせつ」なコンテンツとしてガイドライン違反の指摘があった事例があります。筆者もそのコンテンツを共有いただき確認しましたが、「ガイドライン適用基準の差」以外で、前述の女性タレントの写真集がOKで、相談いただいた方の写真集がNGであることの説明が出来そうにありませんでした。このような事例は、写真集カテゴリーのコンテンツを見れば、いくらでも見て取れ、やはり何らかのガイドライン適用基準の差は存在しているものと思われます(あくまで個人の感想です)。そして当然、その点を指摘したところで、テンプレート対応以外に得られるものはありません。
AI美女写真集のガイドライン違反時の対応
違反時の対応は、本章に記載している対応内容と差はありません。しかしながら、AIコンテンツの急増に伴い、KDPチーム側も、AIコンテンツのガイドライン違反に対する処置が厳格化している印象です。
まず第一にガイドライン違反しないことが最重要であり、万が一ガイドライン違反を繰り返し、アカウント停止に至ってしまった場合は、通常のアカウント停止以上に入念に、アカウント再開に向けたアクションを実施する必要があると言えます。
終わり
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