SESエンジニアが自社への帰属意識を高めるメリット
こんにちは!代表の三坂です。
弊社は2024年8月末で4期目が終了し、9月から5期目に入ります。なんだかあっという間の4年間でした。売上を作る、採用する、トラブル対応する、会計処理確認する等々、気が付いたらもう4年です。変わらず5期目も猛烈にあわただしく突き進む1年間になると思いますが、稼働人数100名、年商10億円を目指して走り抜けたいと思います。
さて、本日はSES企業における、自社への帰属意識を持つべきか否か、という点についてお話ししたいと思います。
弊社を見てもらえれば分かりますが、私は帰属意識を高く持つべきであると考えているタイプです。いや、正確に言うと、エンジニアのキャリアを支援し、人生を好転させ、自発的に自社へ貢献したいと思えるような会社でありたい、という主張が正しいですね。
とにかく、業界では帰属意識について、必要ないというタイプと必要ですというタイプと分かれます。そのあたりの是非について今日はお話ししたいと思います。
帰属意識?それって必要?
SES業界における歴史的な背景
SESエンジニアが自社への帰属意識を高めることは、個人としてのキャリアを飛躍させるだけでなく、業界全体の変革にも寄与する大切な要素です。これまでSES業界では、エンジニアが派遣先で働くことに重点を置かれ、自社との結びつきが希薄であるという歴史的背景がありました。この低い帰属意識は、エンジニアのモチベーションやキャリア成長を阻害する要因となり得るため、これからはその状況を変える必要があると強く感じています。帰属意識を強化することで、エンジニア自身が成長し、業界全体の質が向上するというポジティブなサイクルを生み出すことができますからね。
SES業界の歴史を振り返ると、帰属意識が低い状態が長らく続いてきた背景には、いくつかの構造的要因が存在します。皆さんご存じのように、SES(システムエンジニアリングサービス)業界では、エンジニアがプロジェクトごとにクライアント企業へ派遣され、派遣先での業務が主となるため、実際に自社で働く機会がほとんどありません。この働き方は、エンジニアが「派遣社員」や「契約社員」のように感じ、自社との関わりを持つことが少なくなる要因の一つです。
加えて、SES企業の中には、エンジニアを単なるリソースとみなし、契約を取るための駒として扱うような企業も存在しました。エンジニアは自分がどのプロジェクトに派遣されるのか、どのようにキャリアを進めるのかについてコントロールが利かず、会社からのサポートが希薄であると感じることが多かったのです。これはいまでも時折大きな問題としてネットを騒がせていますよね。このような構造的問題が積み重なり、SES業界では帰属意識が低くなり、エンジニアは自身のキャリアに対する不安を抱くことが多くなりました。
しかし、帰属意識が低いままだと、エンジニアは会社に対しての忠誠心を持ちづらくなり、やりがいも損なわれ、結果として人材の流動性が高まり、企業は継続的な人材育成が難しくなります。そのため、SES企業は帰属意識を高めるための戦略を導入し、エンジニアが自社の一員であると実感できるような環境を整備する必要があります。これにより、エンジニアのキャリア支援が強化され、さらには業界全体が健全な成長を遂げることができると確信しています。
LEGAREAとしての取り組み
エンジニアの帰属意識を高めるために、定期的な交流イベントや、キャリアレビューを実施しています。このイベントでは、クライアント先で働いているエンジニアが集まり、プロジェクトの進捗について共有し合うだけでなく、営業担当者や経営陣との直接の対話が行われます。これにより、エンジニアたちは自分が単なる外部リソースではなく、会社の一員としての意識を持つようになってくれたと思います。
例えば、Fさんというエンジニアは、最初は自社イベントに対して興味が薄かったものの、初めて参加した交流会で他のエンジニアと話す機会を得て、そこから本社の技術部門とのコラボレーションに発展しました。この経験を通じて、Fさんは自分のスキルが評価され、次のプロジェクトでより高度な業務に挑戦し、単価もあがり収入も伸びるという機会を得ました。また、Fさんはキャリアレビューでの対話を通じて、会社のサポートが自分の成長に直結していることを実感し、結果的に会社への帰属意識が高まりました。
さらに、別の事例として、Jさんはイベントには参加できなかったものの、営業担当者との密なコミュニケーションを通じて自分のキャリアプランを定期的に話し合っていました。Gさんは、営業担当者との対話を通じて、将来的にリーダーシップを発揮できるポジションに移行するための具体的なプランを練ることができ、これにより、自分の成長を会社とともに進めるという意識が芽生えました。このように、イベントや研修に参加することが必須ではない一方で、コミュニケーションをしっかり取ることが、キャリア支援において重要な要素であることが示されています。
イベントや研修に参加できなくても、担当営業が自身の責任を果たしていれば自ずとエンジニアとのコミュニケーションの機会は増え、十二分にキャリア支援は可能なはずです。
所属会社の"存在"
上記以外にも、帰属意識を高めるために「居心地の良さ」はとても意識して所属会社としての存在感を出すように心がけています。SESエンジニアは、現場の会社での人間関係に加え、自社との交流もあり、人間関係や社会的ストレスがかかりやすい側面があるので、社会は1つでいいという僕の思いから、所属会社である本社機能の営業や総務は、非常にカジュアルです。社会として所属会社が存在することにどうも納得ができないのです。自社でサービスを持っているわけでも毎日8時間ともに仕事する訳でもないので。賛否両論いろんな意見があると思いますが、LEGAREAとしてはそういう方針で本社メンバーにも周知しています。癒しであり、楽しくもあり、同じ釜の飯を食う仲間でもあるからこそ、コミュニケーションもより盛んなり、互いの人となりや会社のビジョンの共有が深まったり、その人の個性をより尊重したキャリア支援ができ、単価があがり人生が好転し、イベントの参加率も上がり、エンジニアを紹介してくれて、、というサイクルを常に意識しています。会社にとってもエンジニアにとっても帰属意識を高めることに大きなデメリットはないと確信しています。
まとめ
SES業界における帰属意識の低さは、これまで業界の成長を阻害してきた大きな課題でした。しかし、今こそその状況を変える時が来ています。エンジニアが自社への帰属意識を高めることは、彼ら自身のキャリアにおいて大きなメリットをもたらし、さらに業界全体の質の向上にもつながります。企業としては、エンジニアが自社に貢献していることを実感できるような仕組みを整備し、キャリア支援のためのコミュニケーションを促進することが重要です。イベントや研修に参加することがキャリア支援の条件ではありませんが、会社とエンジニアが相互に理解し合い、共に成長していくことが、結果的に最適なキャリアサポートにつながるのです。
SES業界における帰属意識の低下は、エンジニアの成長を阻害し、業界全体の活性化を妨げてきた歴史があります。しかし、その状況を放置するわけにはいきません。エンジニアが自社への帰属意識を持ち、会社との対話を深めることで、彼らはより良いキャリアを築くことができ、企業もそれをサポートする体制を構築することで、業界全体が健全な発展を遂げることが可能です。
イベントや研修に参加することは、エンジニアと会社のつながりを強化するための一つの手段ですが、それが必須ではないことを強調した上で、日常的なコミュニケーションがキャリア支援においていかに重要かを理解することが大切です。SES業界は、エンジニアと企業が共に成長し合える健全な環境を提供し、これからの未来に向けて大きな飛躍を遂げることが求められています。
このブログでは、SESエンジニアが自社への帰属意識を高めることが、個人としての成長やキャリア成功にどのように寄与するか、そして業界全体の発展につながるかについて詳しく論じてきました。帰属意識を持ち、コミュニケーションを積極的に取ることで、SESエンジニアは自己の成長と会社の成長を共に実現する道が開けるのです。
ではまた次回!!