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栗大福は理想の生き方だった。
先日、日本橋三越のデパ地下をパトロールしていたところ、たねやというお店で『栗大福(くりだいふく)』を発見。
「たねや」は、滋賀県発祥の老舗の和菓子屋さんだ。
シーズンもの商品が大変豊富で、あんこが絶品なので基本どれもハズレがないので、ウキウキしながら購入した。
つぶさないように大事に持ち帰り、すぐに開封して食べた。
一口食べて、「おっ?!」と思った。
大福を包み込むお餅が厚めにできているのだ。
これは・・と思った。
★★
大福は餅の厚みとあんこのバランスがとても難しい。
餅を厚めにしてしまうと主張しすぎてしまい、中身の印象が薄くなってしまいがちになるからだ。
※これについては他で熱っぽく語った記事があるのでよかったら見てみてください。
たねやの大福は、ファーストタッチでは餅の主張がけっこう強いカテゴリに当てはまってしまったため「これはイマイチの大福だったかな・・」と勝手ながらに思ってしまった。
でも、すぐにその気持ちは「美味しい!」に変わった。
餅の厚みはイマイチでも、中のあんこが繊細に作られてある上に食べ応えのある栗がごろっと1つ入っていたので食べた後は「食べてよかった!」に変わったのだ。
これは、私の理想の生き方だと思った。
一瞬、「あれ?」と思ってもよくかんで食べてみるととても繊細にあんこが作られていて、核となる栗もしっかり甘みがあって食べ応えのあるものをチョイスしている。
ただ、あんこと栗を入れればいいというわけではない。あんこの炊き方(火加減)や砂糖のバランスだったり、栗の品質だったりに少しでも手を抜いてしまうと全体の印象を変えてしまうもの。そこまで一切妥協していないからこそ、結果的に美味しいと思える大福づくりを実現しているのだ。
私もたねやの栗大福のように、芯の部分がしっかりしていて食べたあとに満足感が続くような人間になりたいと思ったのだった。