11/2(木)からはじまる展示、陶芸家・タナカシゲオさんのことと秋の実りイベントについてお知らせです。
11月になりました。いい季節が続きますね。
今月の草々営業日カレンダーはこちらです。
いい季節を逃すまい!と、今月の草々も盛りだくさんでございます。
色んな人と会って話していると、あれやってみようこれやってみようと色んなアイデアが出てくるのですが、とりあえず心からやりたいと思ったものはいまやってみよう。そんな気持ちで、小さな企画を色々してみました。
まず、タナカシゲオ展について語らせてください。
まず、11月のメインイベントとして陶芸家「タナカシゲオさん」のメインテーブルでの展示があります。タナカシゲオさんは奈良県の明日香村で活動する陶芸家さんで、草々オープン当初からすてきなうつわを届けてくれています。私はずっっとこの日を待ち望んでいました。
私がタナカさんのうつわに初めて出会ったのは約2年前。
ある展示会で見つけて、一目惚れでお迎えしたのは小さなカップでした。
汲み出しサイズの白磁のカップ。
すごく気に入って、毎日毎日使っていたのですがあれは使い出して2週間くらいだったかなぁ。私の手からするりと抜けて落ちてしまったんです。
「ガシャン」と、心が痛む音がしてカップは見事にいくつかのピースに割れました。
それはもう、かなしくて、かなしくて。半泣きになりながら掃除をしました。
いつか金継ぎで直そうと大事にとっているのですが、この話をあとで友人にしたら「思いが強すぎるほど手から離れていくものよ」と言われました。
思いが強すぎる…かぁ。
これが、私とタナカさんのうつわとの最初の出会いでした。
それから、実際に会ってみたいと思ってアポをとりインタビューをしました。
はじめて訪れる明日香村。レンタカーを借りてすごくドキドキしながら行ったのを、いまだに昨日のことのように思い出します。
もうこのときの体験が、ほんとうにすごかったんです。
「暮らし」とはこういうものなのか、と。頭をガツンと叩かれた気分でした。そうしてタナカさんがつくるものが、どうしてこんなにも内側から魅力を放っているように感じるのか。実際に会って生活ぶりを見て腑に落ちたのです。
インタビューの帰り道、ひとり車を運転しながら私はこれからの「暮らし」をぼんやりと考えました。ちょうど前職をやめた直後で、これからどうしていこうかと思いをめぐらせていた時期でもあったので、タナカさんに出会ってひとつの道筋をほんのりと示してもらったような気がしました。
それから私は草々をオープンして、タナカさんのうつわを取り扱いさせてもらうことになりました。そのときに選んだ花器が、いまだにお店にあるのですが、この花器が放つちからがものすっごいのです。
まず、存在感。
角のない、まぁるいフォルム。この写真の裏側にタナカさんによって銀継ぎされたラインがあるのですが、ときおり鈍い光を放つ。置いているだけでもおおっとなるし、花を生けるとさらにイキイキする。今まで何人ものお客さんがこの花器の虜になりました。
いちおう売り物ではあるのですが、価格もそれなりにすることもあるのか、まだずっと残ってくれています。これは店主の発言としてどうかと思うのですが、密かに、側にいてくれることがとてもうれしいなぁと思っています。
あとお店にいて感じるのは、この花器は光を取り込む力があるということ。
太陽の光がほわーっと入ってくると、この花器に吸い込まれていくような感じがするのです。光や空気と調和しているといってもいいのかもしれない。
さらに私がタナカさんの花器に日々お花を生けていて思うのは、お花屋さんにあるようなきれいなお花がしっくりこない。茎がピンとしていて、色鮮やかで、全体的に華やかなもの…というよりも、庭でとってきたようなささやかな野草が、格段に似合う。野草を生けると花器がホッとしたような表情を見せる。
これね、不思議なことに花器だけではなく「食器」もおなじなんですよ。調理して仕上がっている料理よりも、食材をポンと置いたくらいのほうが似合う。これって、もうタナカさんの自然との付き合い方がつくるものにそのまま繋がっていると言えると思うんです。
そしてタナカさんのうつわに惹きつけられるお客さんもまた、不思議なことに似ているところがあるような気がします。
先日も工房へいってきてタナカさんとたくさんお話をしました。
いつもすごいなぁと感心することは、土も、釉薬も、焼く用の窯も、買ってきたものそのまま使えば早いしきれいなうつわができあがるのに、タナカさんは決してそのまま使おうとしない。手間がかかるほうを、あえて選んで、その過程をくるしみたのしみながら向き合っている。いままで見てきた骨董の、目で見て感じ取ったことや手に触れた感覚をたよりに、妥協しないものづくりをずっとずっと続けている。そのタフさは、なかなかのものだと思うんです。これはね、マネしようと思っても、けっして簡単にはできない。それは、「生き方」から見直す必要があるからです。
そして、そのタフさは陶芸だけではありません。築280年の古民家を改装して井戸水を汲み上げて生活することから暮らしをはじめて、素材を気にしながら料理をすることを日々たのしみながら実践しています。「あんこ炊いたから」と生地からどら焼きをつくってくれたり、お酒の樽に漬け込んだ珈琲豆を焙煎して飲ませてくれたり。いくたびに「こんな暮らしをしている人がいるのか」とおどろくことばかりです。
正直、タナカさんのうつわの価格帯は草々で取り扱ってきたもののなかでは高めだと思います。しかし、その価格のなかには彼が日々の暮らしのなかで積みあげてきたものが入り込んでいると思うと、私は数字を超えた価値があると実感しています。だから、タナカさんの展示会を奈良でやってみたいと思って、声をかけたのでした。
今回、タナカさんと話しながら工房で一つひとつ自分の心が動いたものを選んできました。花器を中心にカップ、お猪口、徳利、お皿、陶板など色んなラインナップで揃えました。また、花器には専門家のかたにすてきな野草を生けていただく予定です。
そして、タナカさんが関西で、しかも奈良で展示するのは超レアなのです。
ぜひこの機会を逃さず、見ていただきたいです。
心よりお待ちしております。
『タナカシゲオ展』
11/1(木)〜11/26(日)@草々
ほか、関連のイベントも色々企画しています。
11/2(木)、11(土)、18(土)、25(土)の4日間、草々に野草屋さんがオープンします。
さらに期間中は、タナカさんと共通の知人であり、野草を生業としている「。祝に |はじめに」さんがタナカさんの花器に野草を生けてくれます。
さらに下記の日程で、草々で野草屋さんもオープンしてくれます。
11/2(木)、11(土)、18(土)、25(土)
ちなみに、野草が大好きな私。「野草」という二文字を聞いただけで、コーフンが止まらないのに、さらにタナカさんの花器に生けてくれるなんて…。大大大コーフンでございます。
花器をお求めでご希望の方には野草もセットでおつけしますので、ぜひたのしみにしていてくださいね。秋の実り、色々山から摘んで持ってきてくれるみたいです。はぁ、たのしみでやばいです。
11/10(金)、草々に60珈琲さんがオープンします。
そして、さらにうれしいことに11/10(金)に生駒市で活動している60(ロクマル)珈琲さんが草々へ出張してくれることになりました。
ロクマルさんは、月に一度、生駒山の麓にある「ラッキーガーデン」というお店の一角にオープンするサイフォン珈琲店。
「60歳から人が集まり、つながる場所をつくりたい」という想いで、珈琲店をひらいたすてきなお二人です。私は個人的にロクマルさんの大ファン。
お店に立つふたりの朗らかな雰囲気と、ポコポコとサイフォンを淹れる音にいっつも癒されています。
春の個展ではオープニングに草々で珈琲を淹れてくれました。
もうすっごくすてきなお茶時間になって、いまだにお客さんに「あれ、最高だったわ〜またやってほしい」と言われます。
お待たせしました。また、やりますよ〜!
当日は、先日物件イベントで初公開した草々の事務所一階で、草々のカップ&ソーサーで珈琲を淹れてくれます。ロクマルさんがきてくれる時間は、11時〜16時(15時半ラストオーダー)。
ぜひうつわとともにゆったりお茶時間を味わってくださいね。
あぁ、またロクマルさんの珈琲飲めるなんて。うれしすぎます。
11/25(土)11/26(日)には「秋の実りイベント」も開催します。
そしてフィナーレの最後の二日間は、「秋の実り」イベントを開催します。
ちなみに昨年はこんな感じでやりました↓
今年もおなじメンバーを中心に盛りあげてくれる予定です。
11/25(土)は、「子ども向けのワークショップ」を開催します。
去年ライブペイントで盛り上げてくれた画家の溝端ことみさんとともに自由に絵を描いてひとつの絵をつくりあげよう、というイベントです。これはね、お互いずっとやりたかったことで思い入れがあるイベントなのです。
詳細は後日お知らせしますね。
11/26(日)は、おいしいものたちがやってきます。
熟成鶏のこだわり料理をつくる「とことこ」さん、草々の近所生駒市高山町で野菜をつくっている「ひらひら農園」さんの豪華な組み合わせ。
去年はその場でひらひらさんの野菜を焼くパフォーマンスも見せてくれて、そしてお肉も野菜もおいしすぎて大好評でした。今年はどんなおいしいものがやってくるのでしょうか。あぁ、食欲の秋バンザイ。よだれが。うう…。
さらに土日は、刺繍ですてきなアクセサリーをつくっているnokkonicoさん、土曜日は野草屋さんがオープンします。まだいろいろ計画中なので、また決まったらお知らせしますね。
お出かけ日和の11月、年内最後の大きなイベントになると思います。
11/5と11/26、日曜日も2回オープンします。
ぜひ草々にきてくださいね。
…って、いや、かっこつけて控えめに言ってしまった…。誰もこなかったらさみしいからきて、きてきて!きてくださいお願いします。うつわに食にアートにファッション、秋を存分にたのしみつくしましょう。
前のめりでお待ちしています。
**11月の営業日**
11/2(木)11:00-16:00 ✨野草屋さんオープン✨
11/3(金)11:00-16:00
11/4(土)11:00-16:00
11/5(日)11:00-16:00
11/9(木)11:00-16:00
11/10(金)11:00-16:00 ✨ロクマル珈琲さんオープン✨
11/11(土)11:00-16:00 ✨野草屋さんオープン✨
11/16(木)11:00-16:00
11/17(金)11:00-16:00
11/18(土)11:00-16:00 ✨野草屋さんオープン✨
11/23(木)11:00-16:00
11/24(金)11:00-16:00
11/25(土)11:00-17:00 🍁秋の実りイベント🍁
11/26(日)11:00-17:00 🍁秋の実りイベント🍁
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うつわと暮らしのお店「草々」
住所:〒630-0101 奈良県生駒市高山町7782-3
営業日:木・金・土 11:00-16:00
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