不要不急なこととは?
新型コロナウイルスが猛威を奮っています。
世の中が混乱している状況下で、不要不急という言葉を頻繁に耳にします。
不要不急なこととは一体どのようなことを意味するのでしょうか。
この記事では、私たちの生活にとって不要不急なこととは一体どのようなことであるかということ、そしてこの言葉が私たちの生活に与える影響について書いていきます。
目次
・不要不急の意味
・不要不急なことを生業としている人々への影響
・不要不急なことは本当にあるのか
不要不急の意味
明鏡国語辞典を引くと以下のように書かれています。
【不要】必要としないこと。いらないこと。
【不急】特に急ぐ必要のないこと。さし迫っていないこと。
「不要不急の外出は控える」という言葉を頻繁に耳にします。
これだけ感染が拡大している状況で、不要不急の外出は感染のリスクを高めるため避けた方が良いことは事実でしょう。
しかし、不要不急であるかという線引きは、一人一人の状況によって変わってくることも事実です。
感染が拡大しているエリアには近づかないという単純なことでも、避けることができない方々もいるのです。
その時、その場所でしかできないことを抱えている方がいるのです。
そういった方々がいることや、線引きが人によって変わるということを理解し合わなければ、人権を侵害するような言動をとってしまう方も出てきてしまう恐れがあります。
ただ、残念なことに必ずしも今である必要がないことでリスクのある行動をとっている方もいるようです。
しかし本人の中では不要不急な用事ではないという認識がある可能性があります。
では、不要不急という言葉以外で、より適切な言葉はないのでしょうか。
不要不急なことを生業としている人々への影響
不快感を抱かれる方もいるかもしれませんが、あえてこういった表現をさせていただきます。
私自身も、音楽を主な生業としているフリーランスです。
いわゆる不要不急なことに分類されてしまうようなことを生業としています。
では、音楽でお金を稼ぎ、食費や家賃を支払っている私にとって、本当に音楽は不要不急なことでしょうか。
答えはNOです。
今、音楽を失えば、近い将来の支払いができなくなってしまう可能性があります。
ご飯を食べるお金がなくなってしまう可能性もあります。
しかし、実際に今、音楽関連での収入はかなり減っています。
感染リスクが高まることは理解できるため、諦めざるを得ない状況であると判断し、演奏会やイベントの中止・延期を受け止めてきました。
しかしこの状況を、音楽は不要不急なことであるから中止して当然というように認識されている方がいるとすれば、それは非常に残念なことです。
私のような立場からすると、命がけで受け止めていることなのです。
「不要不急の意味」でも書きましたが、不要不急であるかという線引きは人によって異なるのです。
私のように、世間的には不要不急なことに分類されてしまうようなことを生業とされている方々は、一刻も早く新型コロナウイルスの感染が収まることを最優先し、自分たちにとっては必要不可欠なことを封じているのです。
仕方がないことであると受け止めざるを得ないこともわかっています。
ただ、不要不急なことであるという認識を抱かれることはあまりにも寂しすぎるのです。
不要不急なことは本当にあるのか
この記事で私が発信したいことは、全国民が納得できるような「不要不急のこと」など存在しないということです。
価値観は人それぞれであり、人を囲む環境も人それぞれなのです。
全国民にとって不要不急であることなど存在し得ないのです。
不要不急という言葉の恐ろしさは、新型コロナウイルスが終息した後にも影響が出る可能性があることだと思っています。
現時点で自粛要請の対象となっていることに対して、「〇〇がなくても生きていける」という認識が強まる恐れがあるのです。
確かに、音楽がなくても命を落とすことはないかもしれません。
しかし、音楽が救う命があることは確かです。
おそらく自粛要請がかかっていることのほとんどは、人生を豊かにしてくれるようなことだと思います。
豊かな人生を送るためには必要なことばかりなのです。
そして豊かな人生を送ることこそが、人々の幸福感に繋がってくると思います。
この状況が終息した後、再び人々が豊かな人生を送ることができるようになるために、不要不急という言葉は適切ではないように思えてなりません。
「感染のリスクが高い行動を慎む」という言葉だけでは不十分なのでしょうか。
「不要不急の外出を控えて」という言葉に込められた真意は、たったそれだけの言葉ではないのでしょうか。
言葉の力は、良くも悪くも非常に大きいです。
細かい表現の差で、与える影響は大きく変わってきます。
まずは感染を収束させることが最優先ですが、その後のことも考えて国民へメッセージを送っていただけることを願っています。
そして何よりも、一刻も早く事態が終息しますように...
思いやりあって、助け合って、皆さんで皆さんを守りましょう。
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