英語が伸びにくい隠れた理由
英語学習の時間をしっかり取っていて、勉強を続けているけれどもなかなか伸びが遅い方。学習している教材や、学習方法も合っているはずで、レッスンも取っているのになかなか伸びない場合は実は英語に対する考え方(意識)が影響している可能性が大きいです。
英語が話せるようになるためにマストなのは、自己学習やレッスンなどの実際の学習をしっかり継続していくことですが、それに加えて、英語を伸びやすくするための考え方を持つことも大切です。
頑張っているけれどもなかなか英語が伸びにくい方は、次の考え方を持っていないかをチェックしてみましょう!もしあてはまっている場合は、意識的に思考を変化させていくことで英語が伸びやすくなります。
「間違った英語を話したくない」「完璧に話さないと」
英語を話す上で一番よくありがちな考え方が、「失敗するのが怖い」「間違った英語を話したくない」「恥ずかしい思いをしたくない」「だから英語を話す時は完璧に話さないと」という考え方です。これは日本で教育を受けてきた方が自然と身についてしまう考え方です。クラスでの発表や、自分の考えを述べる場面では「正解を言わないといけない」「周りのみんなが認める答えを言わないといけない」というプレッシャーを感じ、いつのまにか正解じゃないとあまり発言をしてはいけないと考えてしまうようになります。
ただし、英語のスピーキングを伸ばす上では、これは早めに捨てた方が良い考え方です。それには大きく2つの理由があります。① 間違いを恐れることで話すチャンスが減り、アウトプットの量が減ることで伸びがスローになる ② 合っているかどうか、通じるかどうかは実際に話してみないとわからないからです。
私がアメリカに留学していた時、レポートを書くことは他の留学生よりも得意だったのですが、スピーキングになった途端、全くだめでした。他の留学生はかなり流暢に会話をしていたのでとてもショックを受けたのですが、よくよく聞いてみると流暢に話す留学生でも3単現のsが抜けていたり、語順が間違っていたり、文法が間違っている人も多かったのです。それでも、間違いを気にして英語を話さない私に比べて、はるかに彼女たちの方が上手に英語を話していたのです。彼女たちは間違いや失敗は全く恐れずに堂々と英語をどんどん話していたのです。
英語が流暢に話せるようになる理由はシンプルに、英語を実際に話すことです。多少間違ってもいいので、まずは伝えよう!として実際にどんどん話していくことが、英語のスピーキングを伸ばすカギになります。例えば、野球に置きかえると、頭の中でたくさんイメージトレーニングをして完璧なフォームを作ったとしても、実際に打席に立ってどんどん打っていく中で初めてボールを打てるようになっていくのです。英語も同じようにどんどん打席に立って話してみる、間違っても誰も責めないし、一生懸命伝えようとする人に人は心を動かされ、耳を傾けようとするので、とにかく伝えようとしてみることが大事です。
「100%理解しないといけない」
一つ目とも似ていますが、ネイティブが話していることや、聞いているリスニング教材を100%理解しないといけない、100%理解できる=英語ができる人という考え方も、調整が必要です。なぜならネイティブの会話を100%理解できるのは、ネイティブや帰国子女、あるいは学生の時からずっと海外で住んでいる方、常に英語に触れる環境にいる方以外にはかなり難しいからです。
100%理解することが大切なのではなく、その人が何を言いたいのか、どんなことを伝えようとしているのかの大意を掴むことが大切です。7割ぐらいわかれば十分なのです。残り3割が気になって会話に集中できなかったり、英語ができないと思い落ち込んでしまうと、余計に「できない」ことに集中してしまいます。
まずは聞き取れたところから推測していく、スピーキングの場合は自分が知っている単語や表現を使って伝えたいことを大まかでもいいから伝えることをくり返していくことで、自然と細かいところにまで気づける余裕が出てきます。初めから細かいところまですべてを意識してやっていこうとすると、気づけば今やっていることは英語の「コミュニケーション」ではなく、英語の「研究」になってしまうのです。
自己学習の課題に関しては、細かい部分までリスニングのチェックをしたり、文法を確認したりすることで自分の弱点に気づくことができ、英語力を伸ばす手助けになりますが、実践の会話では100%は目指さずに、心と心でコミュニケーションを取る方に力を入れてみましょう。
「短期間で英語は話せる」
最近の英語業界で流行っていてよく売れているのが、「短期間で英語が話せる」というプログラムです。短期間で英語が話せるなら、ぜひとも私自身がそのやり方にチャレンジしたいですし、私の受講生の方たちにもそちらをおすすめしたいのですが、残念ながら短期間で英語が話せるようにはならないのが現実です。
大人になってから英語が話せるようになった方の中で、数ヵ月間しか英語はしていないよ、という方に出会ったことがないのです(一人だけ2ヶ月の留学で飛躍的に英語力が伸びた方はいましたが、元々英語力が高かったのと、四六時中常に英語を話し続けていた方はいましたが、その方一人だけです)。英語が話せる方がみんな口をそろえて言うのは「英語は継続が大切」ということです。
「短期間で英語は話せる」と思ってしまうと、英語学習をしていく中ですぐに結果が出ないから諦めてしまう、学習方法をすぐにころころ変えてしまう、教材も最初の数ページしか読まずに終えて新しいものを買ってしまうなど、英語学習を続けているように見えて、結局は何も身になっていない状況になってしまうのです。
それだけではなく、メンタルやモチベーションにも影響が出やすくなります。せっかく数ヵ月頑張ったのに結果が思ったよりも出ずに焦ってしまったり、落ち込んでしまいやすくなることで、それまでの努力の結果や、できるようになったことに目がいきにくくなったり、自分を責めたり、がっかりしてやる気をなくしてしまうのです。
英語は言語であり、すぐに目に見えて伸びないのが現実なのですが、それでも続けていくことで着実に力はついていくのも現実です。例えば、英語の耳ができるのも少なくとも1年はかかり、どんなに早くても英語の音に慣れるまでは3ヶ月はかかるのです。意味まで取れるようになるのは半年以上はかかるのです(もちろんスタート地点によっても変わります)。
英語の伸び方はダイエットと似ていて、体重が落ち始めるまでは時間がかかったり、むしろ増える時期もあるのですが、ずっと続けていくことでようやく体重も減り始めていくのです。思ったより減っていなかったとしても、体の中で変化は着実に起こっていて、痩せるための体に変化していくのです。
英語は急がば回れで、生涯学習としてじっくり付き合っていくことで、着実に英語が話せるようになります。英語を今頑張っている方、これから頑張ろうと思う方はぜひ英語の学習方法や教材だけではなく、英語が伸びやすいメンタルへと意識改革をしてみましょう!
もし自分一人ではなかなか続けられない方、何をどう頑張ったら良いのかがわからない方は、英語学習のサポートをさせていただきますので、ぜひホームページものぞいてくださいね。
英語コーチ兼韓国語講師 KIM
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