患者が冷静な判断ができる様になると生まれるたくさんのメリット
日々充実した一日を過ごしていますか?
こんにちは、けーしーです。
前回は、患者の主訴を解決するとはどういうことか、というお話をしました。
誤解してほしくないのは、とりあえず投薬しとけっていうお話では無いこと。
痛みで冷静になっていない患者に寄り添いましょう!
という話でした。
あえて戦いに行く必要はないんです。
虫歯になったのはあなた自身のせいなんですよ!痛みはしょうがないんです!
そんな突き放すような言い方はしないでくださいね。
もちろん実際はそうかもしれない。でも、患者は助けを求めて数ある歯科医院から僕らを求めて来てくれたんです。
それはたまたま近かったからだけかもしれない。
たまたま予約が取れたからだけかもしれない。
どのような経緯であれ、僕らのところに来たからには、なんとかしてあげたい。
でも、前回までにもお話したと思いますが、僕らは、特に新人は、なんとかするというのは、どうやって治療するかと考えてしまう。
それは明確に違います。
患者は治してほしいのではない。
今の現状を改善してほしいだけなんです。
改善する方法、主訴を解決する方法は前回お伝えしたので、また読んでいただければと思います。
話を戻しますと、前回の最後の部分でも触れましたが
患者が冷静な判断ができる様になると、様々な点でメリットが生まれていきます
一つは、患者は自分の口腔内に今トラブルがあることを、客観的に認識できる。
例えばカリエスが大きく抜髄になった。
一旦は痛みが取れます。
あーよかった…
でもその後の説明で、これから歯内療法(根管治療)を複数回行わないといけない。
土台も入れないといけない。
クラウン入れないといけない
…
やることたくさんです。
え?そんなにやらないといけないところがあるの?
そこを患者があらためて冷静にわかると、あとは2パターンです。
とりあえず痛かったところが治ったらそれでいい
この機会にちゃんと全部治しておこう
この2パターンのどちらかに患者が進んでくれたら、僕らの仕事は楽です。
痛かったところだけ治して終わる。
あるいは
治療計画を立てて、スムーズに治療を進めていく。
治療計画を立てるときは、だいたいどのくらいの期間、あるいは回数で終わるかをあわせて伝えておくと、患者にとってはなおのこと楽でしょう。
闇雲に治療を進めると、患者には、いつ終わるのか、何回歯医者に来ないと行けないのか、というところから不満が募っていきます。
患者にいつの間にか不満を持たれながら治療が進むのは、お互いにストレスです。
患者には気持ちよく診療を受けてもらう
そのためにはどうするかを常に意識をする。
それこそが、僕らの歯科医師としての使命の一つだと思っています。
僕が歯学教育を受けた土地、あるいは研修を受けた土地では、歯科医師が一体どれだけ偉いんだっていうレベルで歯科医師主導の治療が行われていました。
知人も今その土地で歯科治療を受けていますが…
歯医者ってこんな感じなの?
そんなふうにこの間言われました。
いやいや、そんなわけないから…
とは言ってみたものの…
その土地ではそれが普通と言っても過言ではないと思います。
若手の先生は、でもそんな先生にはなるべくなってはいけないと思っています。
もちろん、患者主導で治療を行ってはいけないですよ?
患者主導で治療を行うと、
その患者の口腔内は崩壊していきます
当然です。
理想の治療から程遠いから。
虫歯を治す、歯周病の対策をする
それは僕らの手段ですが、目的ではない。
最終目標は、
いかに生涯に渡って口腔内で困らないようにするか
そこです。
それが僕らの使命です。
そのためには、
患者が冷静になったタイミングを見計らい、
現状の口腔内の状態を正しく理解してもらい、
今後同じ様にならないための対策としてどのような治療が望ましいかを提示する。
そのためには、
外科も提示するし、
矯正も提示するし、
補綴に関してはセラミックやジルコニアも提示するし、
それは僕らが儲けたいからではない。
患者にとって一番望ましいものがどのようなゴールなのかを考えた結果であるから。
患者の理想の口腔内環境のためであれば、しっかりと治療計画を患者とともに立案し、患者と一緒に考えるべきだと僕は思っています。