見出し画像

Panthera(パンテラ)天板 アクリルパネルの剥がし方

初めまして、KCID_FGCと申します。先日、理想のカスタムアケコンが思いついたので、何としても形にしたいと思い立ち、どうせならSNSでアカウントも変えてみよう。ついでにYouTubeでチャンネルも作ってみよう。
ついでに… と気がついたらnoteをはじめていました。完全にアケコン沼にズブズブ状態のようです。

愛用しているアケコンはパンテラ。私の理想のカスタムアケコンは、このアケコンのアクリルパネルを取り外すところから、すべて始まります。まず、天板の構造を説明させてください。

最上面のアクリルパネル
二層目のベースとなるアルミ天板
三層目の上蓋ケース

写真のようにパンテラの天板は三層になっていて、一層目と二層目が接着剤でピッタリと接着されています。(写真は接着剤を剥がした後)作業はヒートガンでパネル全体を温め、接着剤を弱めてアクリルパネルを剥がしていく。

今回は、そんなパンテラのアクリルパネルを剥がすお話。


例えばこれが、「ボタンだけ増やしたい」という目的であれば、天板は剥がさなくても済みます。パンテラのボタン増設は、天板を個人制作されている方へオーダーメイドの依頼をするか、自分で天板に穴を開けてボタンを増設するかの二通り。オーダーメイドなら先方で天板も剥がしてくれますし、自分で穴を開ける場合は、アクリルパネルごと穴を開けるので天板は剥がさずにボタンを増やせます。

つまり、ここではボタンレイアウトを変更したり、アクリルパネルにアートワークを入れたりできるようにすることが大きな目的となります。こうしたカスタマイズは、別途カスタマイズ用のアルミ天板やアクリルパネルを購入する必要があり、国内や国外で取り扱っているECサイトがあります。例えばこういったショップさんです。


この記事ではアクリルパネルを剥がす上で失敗しそうなポイント、気をつけたいポイントを詳しく紹介していきますので、これからカスタマイズをはじめられる方のサポートに少しでもなればと思います。

ただ、パンテラは中古オークションなどをチェックしていると、アクリルパネルの剥がし作業に失敗し、プラスチックケースに傷がついたものが時々出品されています。このような出品は売値にもよりますが、なかなか買い手がつきません。ベースとなるプラスチックケースに傷が入ってしまうと非常に目立つうえ、見栄えも著しく悪くなってしまう。カスタマイズには当然このように、それ相応のリスクが伴います。

先述した通り、この記事ではカスタマイズのサポートが目的となりますが、作業の成功を保証するものでは勿論ありません。カスタマイズをする場合は、すべて自己責任で行っていただくようにお願いします。

そんなパンテラの天板について、いろいろ調べてみると、アクリル天板の剛性が操作音の響きを抑制しているというコメントがいくつも見つかります。厚さ2~3mmの強固なアクリルパネルに接着剤でガチガチに固定された天板が静音性に大きく貢献しているというのです。

もしかして、何もカスタムしていない純正パンテラで、最も静かな静音ボタンと、最も静かな静音レバーに変更すれば、理論値最強の静音アケコンが構築できる? ほかにも剛性の高いアケコンに、VictrixやObsidianなどありますが、パンテラはVictrixやObsidianよりも音が響かないという意見もあります。これが本当だとすると、メーカー製のレバーアケコンの中でもパンテラは、特に静音性に優れているのでは。この辺りの少しマニアックではありますが、非常にユニークな特徴も、もしかすると長年のパンテラ人気の秘密だったりするのかもしれません。

余談もいい加減終わりにして、流石にそろそろパンテラの天板を剝がす作業について説明していこうと思いますが、未経験だとなかなか難易度が高そうに思えるアクリルパネル剥がし。なにより生産終了で中古品でも価格が高騰しているものをわざわざ自分で傷ものにしてしまうかもしれない。もしそうなると目も当てれませんし、仮に接着剤を綺麗に剥がせたとしても、天板を変更することで静音性を損なう可能性はあります。だから、この辺りもよく吟味したうえで本当に作業を進めるか、しっかりと決断したいところです。

心の準備は大丈夫でしょうか? しっかりと決心がついたらレバーとボタンを外して、ケース本体から上蓋を外して、更にタッチパッドボタンがついているパネルも外しましょう。

赤枠のパネルを外すとき、小さなネジの取付がかなり固かったので、ネジ穴にぴったり合ったドライバーを用意し、できればグリップのついた手袋をつけてネジ回しすると、ネジ穴を壊しにくく作業できると思います。

とにかく、この写真の状態まで部品を外しましょう。熱を加えるので電子機器は必ず外す必要がありますし、ケース本体も余計な傷などつけないため必ず外します。

百聞は一見に如かず。定点カメラで10倍速にした作業動画を作成しました。
10倍速にしても全編で3分40秒ほどあります。実際の作業は1時間半くらいでした。ヒートガンの変わりに家庭用のドライヤーを用いる場合はもっと時間はかかるかもしれません。

動画では実際の作業開始からパネルが剥がれるまでをワンカットで撮影しているので、だいたいの作業イメージは伝わると思います。ただ当然ですが、10倍速のスピード感に引っ張られて作業を進めないでくださいね。あまりにも早すぎますのでw

実際の作業スピードの動画になります。3分30秒ほどで、さきほどの動画の一部を抜粋した等倍速バージョンの動画です。ネット情報のだいたい作業に2時間くらいかかったというコメントに対して、私はもっと丁寧にゆっくり進める心構えで、3時間かけるイメージで作業しました。とにかくゆっくり丁寧にやっていくことが何よりも重要だと思います。そして、この作業の要となる注意すべきことを2点。

最も注意すべき、2つのこと

1、パネル上の温度に注意する。
2、上蓋ケースのプラスチックからは絶対にものを差し込まない。

まずは「1、パネル上の温度に注意する。」 動画をみると分かりますが、ひたすら左手でパネルの温度に注意しながら作業しています。ここで重要になるのが、温度があまりにも高くなりすぎると上蓋ケースのプラスチックに影響がでてしまうし、逆に温度がある程度高くないと接着剤の粘着力は弱くならない。実際、私が心がけたのは手でパネルに触れて1~2秒間触れていられたら温度はOK、1~2秒間ですら触れられないほど温度が熱くならないようにヒートガンで調整する。おおまかにこの基準で作業し、少しずつゆっくり丁寧にアクリルパネルを剥がしていく。このイメージで成功しました。

次に「2、上蓋ケースのプラスチックから絶対にものを差し込まない。」
これはそのままの内容です。

赤いラインで囲った箇所、この上蓋ケースのプラスチックには絶対に傷をつけない。そのために、絶対ここからはヘラやカッターやマイナスドライバーを差し込まないでください。ヘラなどは必ずアクリルパネル側(赤枠以外)から天板に対して平行に差し込むようにしましょう。

では、この作業で使用した道具類を紹介していきます。すべてAmazonで購入できます。


使用したヒートガンはelesories「HG1012」。作業開始5分ほどは強風モード「Ⅰ」でじわじわとパネル全体を温めて、5分後以降は強風モード「Ⅱ」で温めていきました。調節ダイヤルはだいだい真ん中くらいの位置で設定。このヒートガンの使用感も良かったのですが、今回は更に付属の黒と黄のグリップがついたスクレーパが大活躍してくれました。事前に井上商会のスクレーパを素材ごとに何種類か準備していましたが、材質と形状で一番適応したのはヒートガン付属のこのスクレーパでした。



10倍速アクリルパネル剥がしの動画を注意深くみていると分かるのですが、一番最初にアクリルパネルとアルミ天板の間に隙間を作ったのは、スクレーパではなく、カッターナイフでした。このカッターの刃の薄さと小ささがちょうど良かったです。近いサイズのものであれば何でも良いと思います。十分にパネルが温まったら、初手このカッターを差し込んで隙間を作って、次はその隙間にヒートガン付属のスクレーパを差し込んで隙間を広げていきました。以上の道具で十分作業を遂行できました。

残すはアルミ天板に付着した接着剤を綺麗に取り除くのみ。そして次に重要となるのは注意点は、

アクリルパネルが剥がれたら、アルミ天板を上蓋ケースから外す。

この作業で使用する、シール剥がしスプレーはプラスチックを変色させることがあるようです。そのような事態を防ぐため、あらかじめ必ずアルミ天板から上蓋ケースは外しましょう。いくつかネジを外せば外せます。

作業はアルミ天板を再度温め、シール剥がしスプレーを散布し、3分ほど放置、スクレーパで接着剤を除去していくという内容になります。見たほうが早いのでこれも10倍速の動画を用意しました。

特にこの作業については補足することもないので、使用した道具類を紹介します。こちらも、すべてAmazonで購入できます。

3M シールはがし クリーナー30 強力 ハードタイプ 100ml Cleaner30 MINI。
使用の際、プラスチックを変色させることがあるようなので、今回の作業ではプラスチックには使用しないようにしましょう。また、液体はシトラスの香りがついています。私は油断して室内で使用しましたが、匂いが強く持続するので丸一日以上この香りと過ごすはめになりました。必ず換気しながら使用したほうが良いです。手が荒れるためゴム手袋着用が推奨のようですが私は作業中、手に付着することはありませんでした。

井上商会 カーボンはがしヘラ 40mm。接着剤の除去はこのスクレーパが材質、サイズともにマッチしました。以上ですべての説明も終了です。少しでも記事がお役に立てば幸いです。作業お疲れ様でした。

最後にノワール配置のアルミ天板+アクリルトップパネル、そして届いたばかりの軽量ボールトップに仮組して記念撮影。理想のカスタムアケコンに大きな一歩となりました。それではまた次回。

一日を変え、一生を変えるカスタムを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?