![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/124275029/rectangle_large_type_2_b78ac4920e2dbd931a6c96f74647515a.png?width=1200)
小さなお願いができるようになるまで
「このファイルどこにあるんだっけ?」
「この前教えたよ。」
「忘れたから教えて。」
こんなやりとりを何度しただろうか。
彼と一緒に働くなかで色んなことを学んだけれど、こんな小さなやりとりに衝撃を受けたことをよく覚えている。
*
今日はメンター、日本語だと師匠にあたるのだろうか、前の会社での先輩の話をしてみる。
師匠なんて書くとゾワゾワしてしまう。わたしは以前は大学で研究をしていた。その間、ボスとは師弟といえる関係になっていた(うわあっ)。その頃のトラウマで、師匠という言葉がとても苦手だったりする。
わたしの考えるメンター。それは、どうしようか困ったときに、「その人だったらどんな判断をするのか、どんな行動をするのか」を想像して、思いきってその判断にのってみることである。
会社で勤めていたときに、特に苦手なことがあった。メンターパワーを借りてマシになった今でもちょっと苦手だ。
それは誰かに「お願い」をすること。
誰かに仕事をたのむなんて大きなことじゃない。もっともっと小さなお願いをすることが、とても苦手だったりする。
会議のスケジュール変更をたのむ
商品の開発状況を聞く
ファイルの場所を聞く
とくに自分にミスがあったときに、お願いするのはかなりの勇気を必要とした。会議をあやまってダブルブッキングしてしまった、とか。以前に聞いたのにファイルの場所を忘れてしまった、とか。
会議の時間を変更したいので、◯日の◯時は空いていますか?
これだけを送るのに、時間がかかっていた。今は会議中みたいだから、あとで送ろう。そうだ、1日ねかせて文章をみなおして明日送ろう(なぜだ)。
noteの記事ではないのだ。1日ねかせる必要はまったくない。なんだったら発酵ではなく腐敗が進み、状況は悪化するばかりである。
小さいお願いであっても、迷っている時間は確実に消費されていき、進捗が遅くなってしまう。納期を守るために、小さいお願いに全力の勇気をふりしぼる必要があった。
そりゃ消耗しちゃうよね。
とあるプロジェクトで、先輩と一緒に仕事をするようになった。そこで、相手にどう思われるか気にせず、質問しまくる先輩の姿をみて、「あれでいいのか!」と目
を見開いた。
冒頭の、
「このファイルどこにあるんだっけ?」
は何回聞いたか分からない。わたしも質問されたし、他の人にも聞いている姿をよく見かけた。先週も同じ質問されたけれど、再び質問されたことに対してイラつきはなかった。わたしも忘れるし、忘れちゃうことは仕方ないことだ。
わたしの小さなお願いが苦手って、一種の完璧主義だったと思う。小さなことでも、ミスを指摘されたくないし、ミスしたと思われたくない。
でもさ無理なんだよ。
話を聞いていないときもあるし、忘れちゃうし、ダブルブッキングしちゃうものなんだよ。
だって、自宅にパソコンを忘れて職場に行くくらいなんだよ。
わたしは基本ポンコツだ。
それがミスもないなんて無理な話だった。
自分を縛りまくって窮屈にしていただけだった。
今でも、こんなこと聞いたら、と迷うことがある。メールを1日ねかせたくなるときもある。
そんなときはメンターを召喚する。
飄々とした様子で、言うだろう。
「忘れちゃった。」
ちなみに、この先輩はめちゃくちゃ仕事ができる。サボっていることもあったけれど、成果をだすと決めたことに対しては、フルコミット。その結果、一緒に仕事をする人は120%の出力を求められ、プロジェクトが終わるころにはボロボロになる。わたしはなった笑。
そうそう。メンターについて全く書いていないと思ったら、以前ちゃんと書いていました。
その記事では「一歩踏み出す」に焦点をあてて書いています。読んでみてね。
お読みいただき、ありがとうございます。
次の記事でお会いしましょう。
またねー!
いいなと思ったら応援しよう!
![ちゃわん(Kaori Onozaki)|月曜18時更新](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44403317/profile_b016f90446f7a6d228707003943b94c6.png?width=600&crop=1:1,smart)