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美点凝視とコンサルティング

「美点凝視」という言葉があります。

相手の短所や欠点に目を向けるのではなく、長所や徳性に意識的に目を向けること。読みは「びてんぎょうし」

致知出版社 「人間学用語集」より
https://www.chichi.co.jp/info/anthropology/anthropology_words/

昔から「人の良いところを見るようにしています」という人に会うと素敵だなと思います。

私自身は、どちらかといえば、「思い出し怒り」をすることが多いです。誰かの言動を思い出して怒ってしまいます。「あんなこと言わなくても良いだろうに」と。

ふと「思い出し笑い」ならどうだろうと思いました。誰かの言動を思い出して「あんなこと言うなんてあの人らしいな」と思って笑ってしまう。
もし、美点凝視が「その人らしい」と思えることに目を向ける、と解釈してよいなら、案外、得意な方かもしれないと思います。

「案外」というのは、自分にとっては普通のことで、得意かどうかも考えたことがないからです。

美点は、強みと言い換えることができます。強みを見つけるのは簡単ではありません。自分のは特にそうですね。

それもそのはずで、自分にとっては当たり前のことだから強みになっているわけです。よく聞くのは、「昔からどうしたわけだか続いていること」「苦もなくやれていること」を考えてみなさい、ということです。

苦もなくやれてることか…。

頭に浮かんだのは、料理でした。
好きだし、毎日のように朝・晩と家族に作っています。ときに「ちょっとは手伝えよな」と思ったりしますが、苦もなくやれています。

材料を見て、あれとこれを組み合わせれば、こんな味に仕上がるなと思いながら作ります。レシピは、あまり見ません。ありあわせで作る名もない料理です。作りながら、やっぱりこれも足そう、ちょっと味つけ変えようと、味見をしながら変えていくこともあります。

格好よくいえば、素材の「らしさ」を感じて、それぞれを組み合わせる。
その結果から得られるフィードバックをもとにビジョンを描きなおして進んでいく。
…そんなことをしているようです。

そう思うと、コンサルティングでのお客さまとの関わり方も同じようなスタイルだなと思いました。それが「自分らしい」と思います。

問題点や欠点を指摘することももちろんあります。
ただ解決策を考える上では、その人らしさ、その会社らしさに目を向けている自分がいます。その方がお互い、ワクワクします。

らしさ、すなわち、強みは、自分では気づきにくいものです。
気づく、あるいは思い出すことをサポートして、ともにビジョンを描きなおすことを続けていきたいと思います。

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