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「人の喜びや感謝を受け、生きることこそが、どのような人生よりも素晴らしい人生である」

稲盛和夫さんがお亡くなりになりました。稲盛さんは、多くの言葉を遺されています。
著書を読み返すと、いつもその強い言葉と信念に勇気づけられます。お亡くなりになってもなお、私たちを励まし続けてくださる存在であることに変わりはありません。

稲盛さんが人生や仕事において大切にしたのは「心のあり方」です。有名な成功の方程式「考え方×熱意×能力」も心のあり方の大切さを説いたものです。この方程式のポイントは、熱意と能力は0から100まであるのに対し、考え方はマイナス100からプラス100まであるということです。どんなに熱意や能力があっても、考え方、つまり、心のあり方がマイナスであれば成功しないということです。

心のあり方について著書をたどっていくと、様々な側面から語られています。意志や信念、達成するための努力などです。なかでも一番大切にすべきことは「利他の心」です。自分の決断に「私心」はないかを問うべきであると説いています。

大変ストイックな考え方ですが、それがストイックだと感じているうちはまだまだのようです。誰かのために努力をすること自体が、自分の喜びであり、原動力になることを語っています。

経営者が自分の責任を超えて、身を挺して努力をしているために、多くの社員が将来に希望をつなげて生活をしていられる。そして経営者を信頼し、尊敬してくれている。そうした金銭では代えられない、人の喜びや感謝を受けて生きることこそが、どのような人生よりも素晴らしい人生であり、苦労に値する人生なのではないかと私は思っているのです。

「誰にも負けない努力」

稲盛さんは、いつも前向きな方向へ心を使うことを実践してきました。その前向きさは自分の中からではなく、社会や社員との関係から生まれているように思います。

誰かに喜んでいただくことが自分自身の喜びであることは、私たちが根源的に持っている心のあり方です。稲盛さんが遺された言葉を振返ることで、自分が生かされていることにあらためて感謝する気持ちが湧いてきました。

この心のあり方を大切にして、世のため人のために貢献することに喜びを見出していきたいと思います。

心より、ご冥福をお祈りいたします。

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