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豚にちょっと泣かされた〜映画『グンダ』〜

台詞なし
音楽なし
ナレーションもなし

ただただ単調な家畜の日常が
モノクロで映し出される
1時間33分。

こんな映画

あなたは耐えられますか。

農場で暮らす豚を
カメラは延々と追いかける。

生まれたばかりの子豚が納屋の小さな窓から次々に飛び出してくる。

母豚グンダの乳首に
ひしめくように
吸い付く子豚たち。

これでもかというほど続く
退屈過ぎる映像。

そろそろ何かが起こるはずと
刮目して見ても
何も起こらない。

前後の席からイビキの二重奏。

飽きるほど豚を見たら
今度は鶏。
これもいやというほど見せられる。
意外とダイナミックな鶏。

農場には牛もいる。
スローモーションで描かれる牛の群れ。
牛にも個性があるんだな。
いろいろな顔。
いろいろな模様。

ブンブン飛び回るハエの羽音。

家畜の鳴き声と鼻息と
時折カッコウが鳴いたり
鳥のさえずりが聴こえてくる。
雨が降れば雨の音。



そして再び豚。

ぬかるみに身を預けて
気怠るそうな母豚の表情。

ずいぶん成長した子豚たち。
もうすぐ一人前。


そしてついに。

困惑する母豚。
困惑しているように見える母豚。

グロテスクなほど重たげな乳房。

ただうろうろするグンダ。

この映画は好みが分かれそうです。
強くおすすめすることはできません。


くだらねー 
疲れるだけ

後ろの男性は
捨て台詞を残して席を立ちました。

奇妙な映画には違いありませんが、
わたしは、今年最初に観たのが
この映画でよかったと
しみじみ思いました。 

人間って勝手だな、と思いました。


新宿シネマカリテ
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