鯨やイルカ、象と、人の知性の話。
『生き物はみんな同じ原料でできていて、それは宇宙から来ている。この世の全ては同じものでできている。宇宙と人間は似ている。全てが一つのものの部分だとしたら、似ているというより同じなんだ。』 ー「海獣の子供」より
以下は、映画「海獣の子供」を思い出す話やった。
イルカがつける名前
『フロリダの若い学者が、一頭の雌イルカに名前をつけ、それを発音させようと試みた。イルカと人間では声帯が大きく異なるので、なかなかうまくいかなかった。それでも、少しうまくいったときには、その学者は頭を上下にうんうんと振った。
二人(一人と一頭か)の間ではそのしぐさが、互いに了解した、という合図だった。何度も繰リ返しているうちに、学者は、そのイルカが自分の名前とは別の、イルカ語のある音節を同時に繰リ返し発音するのに気がついた。しかしそれが何を意味するのかはわからなかった。
そしてある時、はたと気づいた。「彼女はわたしにイルカ語の名前をつけ、それをわたしに発音せよ、と言っているのではないか。」そう思った彼は、必死でその発音を試みた。
自分でも少しうまくいったかな、と思った時、なんとその雌イルカは、うんうんと頭を振リ、とてもうれしそうにプールじゅうをはしゃぎまわったというのだ。』
肉親の歯
『アフリカのケニアで、ある自然保護官が象の寿命を調べるため、自然死した象の歯を集めていた。
草原で新しく見つけた歯を持ち帰リ倉庫に納めておいたところ、その日から毎晩、巨大な象がやってきて、倉庫のかんぬきを開けようとする。不思議に思ったその保護官は、ある晩、かんぬきを開けたままにしておいた。
すると、翌朝、数百個も集められていた歯の中から、その新しく収集した歯だけがなくなっていた。保護官がその歯を捜したところ、その歯はなんと、彼が発見したまさにその場所に戻されていたのだ。毎晩倉庫にやってきた象は、たぶん亡くなった象の肉親だったのだろう。
それにしてもその象は、どうやって歯が倉庫にあることを知ったのだろう。数百個もある歯の中から、どうやって肉親の歯を見分けたのたろう。
そして最大のなぞは、その象が、なぜ歯を元の場所にわざわざ戻したのだろう、ということだ。』
受容的な知性
『鯨や象が高度な「知性」をもっていることは、たぶんまちがいない事実だ。しかし、その「知性」は、科学技術を進歩させてきた人間の「知性」とは大きく違うものだ。
人間の「知性」は、自分たちだけの安全と便利さのために自然をコントロールし、意のままに支配しようとする、いわば「攻撃的な知性」だ。この「攻撃的な知性」をあまリにも進歩させてきた結果として人間は環境破壊を起こし、地球全体の生命を危機に陥れている。
これに対して、鯨や象のもつ「知性」は、いわば「受容的な知性」とでも呼べるものだ。彼らは、自然をコントロールしようなどとはいっさい思わず、そのかわリ、この自然のもつ無限に多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、それに適応して生きるために、その高度な「知性」を使っている。
だからこそ彼らは、我々人類よりはるか以前から、あの大きな体でこの地球に生きながらえてきたのだ。
同じ地球に生まれながら、片面だけの「知性」を異常に進歩させてしまった我々人類は、今、もう一方の「知性」の持ち主である鯨や象たちからさまざまなことを学ぶことによって、真の意味の「ガイアの知性」に進化する必要がある、とわたしは思っている。』
https://ameblo.jp/tt-sedona/entry-12574970745.html…
「ガイアの知性」龍村仁
#CoLiving #微生物と植物と動物と人と一緒に生きること