いま、リーダーが注意すべきは「リモート・ハラスメント」である【尾藤克之のオススメ】
17冊目『「バズる文章」のつくり方』(WAVE出版)を上梓しました。
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コロナ禍が広がる中で、急速に進んだテレワークという働き方。これからの働き方のスタンダードとなることは間違いありません。
仕事をする部下を巻き込み、組織をまとめ、成果を上げるために必要な 「リモート・マネジメント」の手法について学びましょう。
リモート・マネジメントの極意(岡本文宏著)WAVE出版
テレワークは「リモハラ」を誘発しやすい
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出自粛が発令されるなか、多くのリーダーは部下のマネージメントの難しさを知ることとなりました。テレワークにおいて、部下とのコミュニケーションツールは、メールやチャットですが、文面がふだんよりも強くなりがちです。テキストベースでのやりとりなので、細かなニュアンスが伝わりにくいのです。
本書の著者、岡本文宏さんは、
「こちらはそう思ってはいないけれど、強い口調で伝えている感じに捉えられてしまうと、パワハラ(パワー・ハラスメント)だと指摘されかねません。テレワークでのパワハラやセクハラのことは『リモート・ハラスメント(リモハラ)』と呼ばれますが、上司、経営者が気をつけていないとほんの些細なことが火種となり、大きな問題へと発展してしまいます」と言います。
「職場における『いじめ、嫌がらせ』が原因での個別労働紛争が急増していることを受け、2020年にパワハラ防止法が施行されました(中小企業は2022年)。パワハラを中心に各種ハラスメントへの関心はますます高まることになっていくことでしょう」
リアルな職場で部下に注意をする際には、個室に呼んでマンツーマンで指導することが一般的です。部下の体面に配慮するためです。昭和の時代のように、頭ごなしにどなりつけるようなことをするケースは少なくなりました。
「テレワークとなると、部下に注意を伝える場合は1対1でやりとりになるので、周りの目が気になりません。そうなると今までとは異なり、ついつい語気が強くなったり、感情に流されて、相手を卑下するような言葉を使ってしまう人も出てきます。リモート・マネジメントを行なう際は、今までよりもハラスメントを誘発しやすい環境になっていると理解しておきましょう」
と、岡本さんは注意を促します。
リモート下での履歴は消せない証拠
パワハラのダメージはジワジワ響いてきます。岡本さんは、こう言います。
「上司がパワハラ的な言動をとっていても、部下が画面のサイズやボリュームを最小にすればやりすごせますが、それが毎日のように続くと、やはり精神的にダメージを受けることになります。また、メールやチャットで送られてきたメッセージは、画面上から削除はできても、頭の中に残像として存在しつづけます」
さらに岡本さんは、リモート下におけるメールやチャットは「消せない証拠となる」と指摘します。たしかに、対面でのやりとりであれば「言った、言わない」の水かけ論となり、決定的な証拠がありません。しかし、リモート下ではすべて記録されています。部下がパソコンや端末に録画している場合もありますが、これは動かぬ証拠になります。
最近では、会議後数分で消えるような音声サービスも存在します。どのツールをチョイスしていくかと同時に、組織のルールやカルチャーをどう醸成していくか考えなければいけません。
本書では、テレワークを行ううえで知っておきたい事柄や問題点をわかりやすく解説されています。問題解決のヒントにつながるはずです。(尾藤克之)
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Jcastニュースに掲載された記事をnote用に編集しています。
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