夫は「糖尿病」死を招く合併症やお酒、水虫に注意せよ!
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厚生労働省の調査によると「糖尿病と強く疑われる者」は全国で1000万人。「糖尿病の可能性を否定できない予備軍」を合わせると2000万人超になると言われています。患者の多くは男性で、生活を支える奥さまや家族を含めると非常に多くの人たちが病気に直面していることになります。皆さんは、夫が突然糖尿病になってしまったらどうしますか?
今回は「うちの夫が糖尿病になっちゃった! ズボラ夫が血糖値を下げた方法」(日本実業出版社)を紹介します。
著者は、関西在住の主婦で、ブロガーのマルコさん。監修は東京医科歯科大学名誉教授、医学博士の藤田紘一郎さん。月間最高200万PV超と健康系ブログで抜群の人気を誇り、ライブドアブログ新人賞も受賞したマンガブログを、最新の解説や書き下ろしなども加えて書籍化したものです。
■糖尿病は突然やってくる
マルコさんは夫の糖尿病を「ある日突然始まった」と回想しています。ゴホゴホと謎のせきをしだして、「どうしたの?」と聞いても「風邪をひいたかな、せきが止まらない」とそっけない返事。病院嫌いの夫は「取りあえず寝ていたら治る」と言って病院に行きませんでした。結果的に、すぐに病院に行かなかったことを後悔することになります。
1カ月近く経過しても夫のせきが治らなかったため、夫婦で人間ドックに行き検査することにしました。マルコさんは異常なし、夫は糖尿病と診断されます。なんと、空腹時血糖値は312を表示しており精密検査をした結果、教育入院になります。さらに、入院の日、謎の数字を聞かされます。それは「ヘモグロビンA1C」というものでした。
これは、過去1~2カ月の血糖の平均的な状態を表します。平均的な血糖値ですから、「来週、健康診断があるから今日から食事に気を付けよう」と思っても、もう遅いのです。そして、恐ろしいことに夫の「ヘモグロビンA1C」の値は11.2%もありました。8%を超えると合併症が進みやすくなるので、さらなる注意が必要になります。
糖尿病には、三大合併症があります。(1)手足にしびれを感じる「糖尿病神経障害」(2)視界がかすんだり、視力が低下したりする「糖尿病網膜症」(3)悪化すれば人工透析に進行する「糖尿病腎症」です。特に厄介なのが「糖尿病腎症」で、人工透析に進行した場合の5年生存率は50%と言われています(日本透析医学会)。
教育入院生活では、糖尿病治療をどのようにして続けていくか学びます。退院前に頸(けい)動脈プラークが見つかり動脈硬化が疑われましたが、食事療法、運動療法を中心に生活改善を行いました。4年が経過し、現在は食事と運動だけで血糖コントロールをして安定しています。夫は「食べること」「運動すること」の大切さを実感しているようです。
■お酒と水虫には注意せよ
血糖値が気になる人に、おすすめのお酒があります。蒸留酒です。ウイスキー、テキーラ、ジン、ハイボール、ラム、焼酎、泡盛などが当てはまります。逆に避けた方がいいのは、醸造酒、混成酒。日本酒、ビール、梅酒、リキュール、ベルモット、シェリー酒などが当てはまります。
蒸留酒は糖質ゼロなので安心して飲むことができますが、飲み方には注意しなければいけません。飲みすぎると高血圧リスクを上げ、低血糖リスクを高め、インスリンの効きが悪くなり、「インスリン抵抗性」に影響して2型糖尿病のリスクを上昇させる等の弊害があります。
また、糖尿病の人は水虫にも注意が必要です。水虫の原因となる菌は、体力が落ちているときや抵抗力が弱くなっているときに増殖します。糖尿病の人が高血糖状態が続くと、免疫力が落ちて感染しやすくなります。さらに、神経障害の影響で痛みを感じない場合、重症であることに気付かないこともあります。
水虫のある皮膚が破裂して感染し、そこから雑菌が入って足の組織が壊死(えし)すると大変です。ひどい場合、足を切断するリスクもあります。清潔と乾燥を心がけ、足を強くこすらない、靴下を毎日はき替える、通気性の高い靴をはくなど水虫対策を心がけなくてはいけません。たかが水虫と侮ってはいけないのです。
本書は、夫が2型糖尿病と診断された主婦マルコさんが2人の娘を抱え、ゼロから糖尿病のことを調べ、実体験をもとに、ためになる情報を面白おかしく漫画で描くドタバタ闘病記です。病気という、暗くなりがちな題材を前向きに捉え、実体験をもとに面白おかしく描くストーリー、おすすめの健康食材や調理方法も見どころです。
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