祈りを指先に
お地蔵さん彫るこの指先が、自分自身を癒す。
長らくこの数年、得心がいく憤怒の相を彫ってお贈りしたいと思ってお不動さんに向かってきたけど、年末にお納めしたあの一体に自分がどれだけの精神力、胆力を以て向かっていたか、痛いほど感じた。
彫るという自分にとっての祈りの行為にはそういった胆力が必要不可欠なこと、それが枯渇してくると祈る(彫る)指が止まることが本当によく解った。
震災直後、犠牲になった方々や残された方々を想い”祈りを指先に”と心に想いながら彫ってきたその指先を動かしていたのは、コレだったのか、と。
昔から、物理的に色んな目に遭ってきた右手は、酷使すると動かなくなりますが、それだけでなく、胆力がカラカラになっても動かなくなります。
お地蔵さんを彫ると、僕自身も癒されている感じがします。
また、たくさんたくさん祈って彫るので、ほしいと仰ってくださる方にまたお届けしていけるといいなと思っています。
コロナが脅威でなくなる日が早くくることを祈りつつ。