50代のre-START~借金地獄からの復活ストーリー<Chapter2>リボ払いの罠
PayPayの勢いがすごかった。2019年の秋、当時担当していたメディアの仕事で、「スマホ決済」の企画を取り上げた。コンビニはもちろん、自販機や家電量販店にまで広がった。高い割合のポイントキャッシュバックや現金還元などのキャンペーンと共に利用者も増え、使える場所も増え続けた。現金やクレカを持たなくても、スマホがあればモノが手にできる時代。もう財布がなくても、スマホがあれば大丈夫。ライターとしてこれを体感しよう。ラグビーW杯の観戦で行く大分への旅は、可能な限りスマホ決済でしてみることを決めた。チケットや往復の交通費、ホテル代は事前にクレカで払っていた。一泊二日の旅で、どれだけ現金を使わないで済むか検証した。
スマホ決済の快適さを知る
自販機でペットボトルの水を買う。「ペイペイ🎶」PayPayで支払ったことが周りに知られて、恥ずかしいと感じつつも水を手にできた。当時は珍しかったから、「ペイペイ」の鳴き声に周りの視線を感じていた。懐かしい。その後も、コンビニや自販機は毎回スマホ決済で済ませた。大分県ならではで言えば、温泉も。別府を訪れ、温泉を楽しんだ。昔ながらのたたずまいで、券売機で入湯券を購入する。財布を出そうとする瞬間、「ペイペイ使えます」のポップが目に入る。使い方がわからなかったので、窓口の女性に尋ね、支払い完了。20%のポイント還元されたのを覚えている。一泊二日の旅で、僕が現金を使ったのは、ラグビーを観戦したスタジアムで買ったビールとつまみのポテトくらいだった。
この旅で現金レスの生き方を覚えた。「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」僕はこれらをキャンペーンなどに合わせて使い分けた。PayPayはヤフーカード、d払いはドコモユーザーだったのでdカード、そして楽天ペイは楽天カードとそれぞれ紐づけた。カードと紐づけると、残額を気にせず支払いができるので安心、便利。コンビニの支払いの時に、レジ前でまごまごするのは、恥ずかしいので。その半面、僕の場合、カードの利用限度額まで支払いができる状態なので、どれくらい使っているのかがざっくりとしかわからず、請求金額を見て、毎月びっくりしていた。そして、利用額はますます増えていった。
リボ払い、便利さと恐ろしさ
家電購入、車検代など大きな支払いが重なった時、キャンペーンもあり、「dカード」で初めてリボ払いの設定を行った。ケータイ代が家族分で2万円を超え、d払い分も合わせて毎月3万円を超えていた。毎月2万円の支払いの設定。設定した初めての請求はなかった。この月は3万円の支払いを免れた。ラッキー!今思えばラッキーなわけない。そもそも3万円以上使うのに、返済は2万円。
借りたお金は利子をつけて返す。
この原則から言えば、どう考えても、ラッキーなわけない。その落とし穴に気がついたのは、いつも使うスーパーでd払いができなくなった時だった。調べると驚かずにはいられなかった。カード利用上限額に達していた。初めて、上限額が100万円だと知った。返済を毎月3万円に変更した。焼け石に水だとすぐにわかった。返済額よりも利用額が上回る。スマホ代は毎月加算され続ける。リボ払い返済分とスマホ利用料金を合わせて、毎月の請求額が5万円近くになる。スマホ代は家族全員分で2万円。そのほかは利用していないのに、支払いは5万円。滞納し、翌月の給料日に支払いを行うことが何度もあった。カード更新の通知が来るころ、
「カードの利用は終了させていただきます」
継続してカードの発行はされず、dカード側から強制解約を通知された。それでも、支払いは続く。リボ払いは便利だが、利息が高くて借金が増えるリスクがある。dカードの場合、実質年率15%の利息が日割り計算される。一つの買い物の支払いなら、計画的な支払いも可能だけど、スマホ代のように毎月加算されるものがある場合は、絶対にリボ払いを設定してはダメ。利用限度額まで、カード会社は何の注意もしてくれない。払っても払っても、元金は減らない。リボ払いを始めた時、僕は借金地獄への道を歩き始めた。
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