【2】なんなんだお前は #編集者の無編集雑記
編集者のじきるうは、編集者がゆえに「ちゃんとしたもの書かなきゃ……！」と焦燥に駆られていた。それをぶっとばすため、ここでは適当な日常の発見を無編集でわーって書くことにする。過去の連載はこちら。
みなさんは「おさんぽ」という人類創史以来最古の娯楽をご存知だろうか。おそらく港区民以外は全員ご存知だと思うので説明は割愛する。
ボクはさいきん、おさんぽにハマっている。とくにあてもなくプラップラと歩き、ちょっとした気づきや面白いものを発見次第、スマホのカメラでカシャと写真を撮り、気が向いたらSNSに上げて自己満足に浸る。ああ、たのしい。
今日もいつものようにおさんぽに興じていたのだが、ボクは遭遇してしまった。
なんなんだお前は
なんだこいつ。なんなんだお前は。
とあるマンションの前に鎮座する、謎の物体。にぶく銀色にたたずむ三角錐。映画『2001年宇宙の旅』のモノリスの如き無感情かつ無機質な、それ。
なんなんだお前。なんなんだこいつは。
用途がわからない。椅子にしてはケツに刺さりやすすぎる形状。かといって拷問器具にしてはちょっと優しすぎる。
そもそもなんでマンションの前に？ オブジェ？ 前衛アート？ たしかにお洒落そうなマンションではあるが、アート作品にしてはあまりにも扱いが粗雑すぎる。ネームプレートもなければ解説もない。
たぶん、ネットで調べたら答えはすぐ出るのだろう。実をいうと、マンションの前でこういったものを見かけたことは何度かある。
しかし、「謎は謎のままだからロマンなのだ」などというしゃらくせぇ理由でけっきょく調べずに今日まで生きてきてしまった。知識からの逃避は知的生物にとっての敗北だ。ボクは今日、ググる、ググるぞ。
いや、お前のことじゃない。（出典）
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