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ご当地ソングはワイルドに

その昔、JUN SKY WALKER(S)の曲に「Let's Go Hibari-hills」というのがあった。
その名の通り、西武線沿線にあるひばりヶ丘駅周辺をモチーフにした、言わばご当地ソングである。

その頃、駅周辺にあったらしい店の名前がたくさん登場する。これだけ聴いていても、当時の周辺事情を知らないのに、楽しめてしまう。

繰り返しになるが、この曲はキメ言葉の「俺の一等地」に辿り着くまでに、様々なランドスケープが顔を覗かせてくれる。

例えば出だしに出てくるブックスJ。歌詞では触れられてなくてPVに登場するが、昔はこういうレンタルレコード部門、あるいはCDショップも併設した書店があったよなってなる。
歌詞にも「立ち読み野郎ばかり」と歌われるが、まあ、本屋は概ね立ち読みする連中しかいない。それは本屋の機能がコンビニに移っても大差がない。

これも歌詞に登場し、PVにも登場しているさやま、というのは、狭山市のことではなくうどん屋のようだ。七味をぶっかけて喰うそこのうどんは絶品っぽいのだが、やっすいうどん屋だったことは想像がつく。

PVの中で「探偵物語」のオープニングに登場する松田優作みたいな格好をしている寺岡呼人が面白い。

最後の部分にビートルズのルーフトップライブみたいなのが出てくるのは、やはりどういう世代でも考えることは同じなんだなあ、と思えてしまい、何だか微笑ましく感じてしまう。


最近、この曲にどハマりしていて、勝手にヘビロテしているわけだが、改めて聴くとこういうパンキッシュなご当地ソングは理屈抜きに面白い。
ジュンスカにとっても大ヒットになったと思うのだが、当時の彼らの生活圏を歌い込んでいるこのリアリティがウケたのだろうと思う。あと、「ひばりヶ丘」を「ヒバリーヒルズ」と言い換えてしまうのも面白い。

2番サビ前に「小さいとこからデカくなるぞ」みたいな意味合いの歌詞があって、彼らには野望もあったから、歌にリアリティが更についたのかもしれない。
実際、彼らはビッグになったし、途中で一度解散こそしているが、その後に再結成を果たし、今も何だかんだ言いながら続いている。

正直なところ「白いクリスマス」みたいなスケールのでっかいバラードも良いと思うけれど、自分としてはこちらの、宮田和弥をはじめとするメンバー一同の勢いで聴かせるこっちが好みだ。

あ、そうそう。最後に一言。
PVの中に出て来るレッドアローちちぶ号が懐かしいねえ。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。