#Remember20131208
2013年12月8日、とりぎんバードスタジアム
ガイナーレ鳥取 0 (0-1,0-0) 1 カマタマーレ讃岐
先ずはかつて自分がブログに記したあの試合のことから。
あの試合、PKを止めたものの、直後に高橋泰に得点を取られてしまいました。相手に退場者を出したものの、ガイナーレは攻めきれず得点を取れず敗れてしまいました。
そして試合が終わって吉野の引退セレモニーもあったのですが・・・。
当時、俺自身もその渦中にいたのでよく覚えていますが、鳥取側ゴール裏は静まりかえっていました。誰も一言も発することなく、ただ黙ってその場に佇んでいたのです。それはある意味で重苦しい静寂が支配する世界に放り込まれたようでした。とても辛い時間でした。
さて、そんな中、俺はって言うと、何度か言ってますが、もう自分はゴール裏で応援行為に関わることはないんだろうなって薄々感じておりました。最初の脳梗塞の予後だったので、尚更です。退院後も何度か観戦機会があり、応援には参加させてもらっていましたが、もうさすがに身体も精神も限界だな、と思いました。
当時の俺は、飛び跳ねるよりもむしろ90分間わりとデカい声で応援しちゃう方だったので、その声出しにとてもパワーを使うものと思ってました。今よりはまだ身体は動いたのですが、90分間パワー全開は辛いものがあります。何より、精神的にこう、張り詰めていたものがぷつんと切れてしまったような気がしました。
そうなると、応援行為を続けるには自分が万全の体調でないと難しいだろうと思うようになりまして。それで、そういう体調に復調できる自信がなくなったこともあり、もうこれを機会にゴール裏を卒業しよう、と。
以来、バックスタンド、メインスタンド問わず出没して写真を撮る側に回っています。最初何試合かはウズウズしたものですが、ある程度そういう観戦姿勢に慣れてくると、これはこれで楽しめるかな、ぐらいには思うようになりました。
さて、そんな状態を経た現在の心境をお話ししますね。
今は、そりゃJ2に昇格できるものならした方が良いとは思いますが、今その時期なのかって言われて「はい、そうです」って言い切る自信はあまりありません。また、この時みたいな思いはしたくないですからね。いろいろな意味で、力をじっくりと貯めて、大きく飛躍するための準備期間だ、と思うようにしています。
えっ?J2やその先のJ1を目指すためにも、より強く勝利を確信できないのか?ですって?
そりゃ負けるよりは勝った方が良いんですが、勝負事は表裏一体ですよ。表も出れば裏も出る可能性がある。勝てないからブーたれても始まりません。まして、去年みたいな成績を挙げて期待を持ちたくなる気持ちもわからないではありません。
でも、去年は去年。その成績が再現できるわけもなければ、あれ以上に好成績を残す確証も保証も何処にもないんです。仮に今季も須藤さんが引き続き監督の座についたとしてもです。勝負事に於いて、成績なんて常に水物なんですよ。好結果が常に約束されているわけではありません。
それよりもむしろ、チームが明日も解散することなく当然のように存在し続けて、我々に日ごとエキサイティングな心情を味わわせてくれる、そのことを無上の喜びとしたいものでしょう。
とてもざっくりとぶっちゃけた話をするなら、昇格・降格なんてものは結果としてついてくるもので、自分たちから求めてどうなるもんでもありませんよ。望んだような結果になどなるとは限りません。ローリング・ストーンズの歌ではありませんが「You can't always get what you want」ですよ。
もちろん、上は目指すべきだし、そうしないとアスリートとしてのモチベーションにつながらないとなれば、それはそれでどんどん目指していけば良いのですが、我々見る側・応援する側は変な期待を持つ前に、先ずは(以前から言ってることですが)ゴチャゴチャ言わずに選手たちのケツを押せば良いのでは、と思うんですよ。
選手たちに過剰なプレッシャーにならない程度にホットに後押しする。そのことが良い効果を生んで結果につながる可能性がある。罵声を飛ばさず、選手たちを第一に考えて声援を送る。その結果、好成績を期待できるかもしれない。これで良いと思うんですよ。
ともあれ、あの試合はいろいろなことを考える契機になりました。5年半前の冬から新しい冒険が始まったわけです。無論、その冒険は決して楽なものではありません。山あり谷あり、苦も楽もあります。
6月1日、J3に降格したカマタマーレ讃岐を、J3の一員としてガイナーレ鳥取は迎え撃ちます。無論、相手は昨年までJ2で揉まれてきたチーム。一筋縄ではいかないでしょう。
この試合も、5年半前の12月8日同様に苦戦するんじゃないかと推測しています。覚悟の上です。
だが、ガイナーレ鳥取だって無為無策で5年半の間を過ごしてきたわけではありません。様々な選手らと共にあり、いろんな監督・戦術を試し、強化の方法や外国人もいろいろ試してきました。
フェルナンジーニョはJ3リーグに来てからの選手ですし、去年大ブレイクしたレオナルドという大当たりもいました。他にも、馬渡和彰(現・川崎フロンターレ)・安藤由翔(現・藤枝MYFC)・加藤潤也(現・ザスパクサツ群馬)のような選手もいました。
現有選手だっていずれ劣らぬ選手たちばかりです。もう5年半前のようなことにはならないだろう、と自分では思っています。結果が、というよりは内容が、という意味で。
6月1日は、是が非でも見届けに行こうと思っています。5年半前からどんな風にガイナーレ鳥取が歩みを進めてきたか、それを確かめるために。そして、願わくばその際にはカマタマーレ讃岐に一矢報いたい、と思うのです。そうできれば、大きな転換点になってくれると思います。無論、それまでにも何試合かありますが、それらを踏まえた上で、です。
カマタマーレ讃岐がこの5年半の間、様々な面で前に進んだように、ガイナーレ鳥取もまた、いろいろありながらも前進したのです。その互いの前進ぶりを確認する場にしたい、と6月1日の試合についてはそう思っています。熱く激しい試合になると良いですね。その結果、ガイナーレ鳥取が勝てたなら、それこそ言うことはありませんよね。