ポルセイド浜田は私を虜にしてやまない。
一部の人は知っていると思うが、私は以前からガイナーレ鳥取を応援する立場を標榜している。
その一方、湘南ベルマーレであるとか、今はなきデッツォーラ島根ECなどに秋波を送り続けてきた。
そして今、フットサルのF2リーグに所属するポルセイド浜田にも秋波を送っている。
浜田生まれは理由ではない
ポルセイド浜田にどうして秋波を送ることになったのか。
実を言えば私は浜田で生を受けた人間なので、確かにその影響は皆無とは言えない。
この文章も懐かしいのだが、この文章に出てきたデッツォーラ島根ECも、松江シティFCも現存しない。
それはともかく、この文章では生地である浜田市を心から懐かしんではいるものの、それが例えばデッツォーラ島根ECやポルセイド浜田に惹かれた理由ではない。
もしそれならば、例えばベルガロッソいわみにも浜田FCコスモスを名乗っていた頃から秋波を送っていて良いはずだが、私はそこまでしない。
ベルガロッソいわみはとても良いチームだと思うけど、それとこれとは別である、としかお答えしようがない。
どっちのチームにも言えるが、その時の私自身に点火するものがあった。だから彼らに惹かれた。
何かを好きになるのに、その細かい理由なんて説明できない。
好きになったものは好きなのだから。
ポルセイド浜田も、別に自分が浜田生まれだから好きになったわけではないし、それはきっかけの一つとは言えるが、理由の全貌ではない。
惹きつけられるものがあったから、彼らを好きになったのだ。それが何かなんて、そんなまだるっこしいことは説明できないし、しなくても良いとさえ思っている。
ご存知のように、ポルセイド浜田は2018年から参加しているF2リーグに於いて、上位に進出したことがない。
これを年度ごとに見てもわかるように、リーグ戦の順位は下位から数えた方が早く、勝利数もそんなに多いわけではない。
今季でさえ、まだ1勝しかしていないのだ。正直申し上げて、どうしようもなく弱いと多くの人は後ろ指を指すだろう。
それにもかかわらず、私はポルセイド浜田を愛好している。
私は今季の開幕戦(202306/04のヴィンセドール白山戦)で、このチームのために、遂にガイナーレ鳥取の試合を蹴った。前なら、よほどのことがない限りガイナーレ鳥取最優先だったのに、である。
鳥取がどうこう、岐阜がどうこうではない。岐阜は久しく見ていないので見たいチームの一つではあったが、そのような要素すら、蹴飛ばさせる何かがポルセイド浜田の試合にはあると思った。
で、実際に試合を見た。
結果から言うと、勝てなかった。しかし、一度は勝ち越されつつ、しぶとく追いついてみせたポルセイド浜田を見て、私はとても満足させられたし、鳥取を蹴ってこっちに来て良かったとさえ思わせてもらえた。
あまりに面白い試合だったので、ついついこうした文章を書き散らしてしまった次第。
ここでも書いているように、見に行ったきっかけは「おじさんの気まぐれ」でしかない。
その気まぐれが、ポルセイド浜田は今までとちょっと違うぞと感じさせてくれるきっかけをくれるのだから、行ってみなければわからないものだ。
別に、ガイナーレ鳥取の試合を見に行かないわけではなく、秋になって昼の試合のシーズンになったので、10月になってからのヤジン2連戦を見に行っている(私は都合によりナイトゲームは行けない)のだ。
でも、ポルセイド浜田の試合は、ガイナーレ鳥取のそれとはまたちょっと違うぞ、と思わせてくれる。
苦闘の先にあるもの
思えば、始めてポルセイド浜田の試合を見に行ったのは、これだった。
見に行って試合についていろいろ書いたのだけど…。
結構キツいこと書いてるな。
ま、でも、この時、この文中にもあることを何となく思った。
そう。
このチームはあの「SC鳥取」を想起させるということを。
昔のSC鳥取にしろ、私が見始めた頃のポルセイド浜田にしろ、強いか弱いかで言えば断然後者なのだが、それで切り捨てられない何かをこれらのチームは持っている(いた)と思う。
それは例えば、結果はたとえ出なくても、そこにつなげるためのひたむきな何かであったり、もっと言えば、チームに入れ込ませてくれる何かであったりするのだと思う。
昔書いた駄文だが、この時からポルセイド浜田はいろいろな変遷を辿った。肯定的なこともあれば、否定的なこともあった。いろいろあって、今があるのだ。
この文章の時点から今まで、指導者、選手、多くの人々がポルセイド浜田を通り過ぎて、様々な影響を与えていった。
彼らは一様に、ポルセイド浜田というチームを浮上させようと、あの手この手で策を講じていった。
それらの中には成功したものもあれば、成功しなかったものもあるだろう。人間が考えることである以上、完全とは言い難い。
だが、そのような苦闘の先にうっすらと見えてくる明るい兆しのようなものを手繰り寄せることができるなら、ポルセイド浜田は更に一段ステップアップしていくであろう。
この先のポルセイド浜田に期待すること
ぶっちゃけ「F1リーグで1シーズン以上戦うこと」なのだが、それはいくら何でも現状のポルセイド浜田からしたら非現実的にも程がある。
何しろF2リーグですら優勝争いしたこともなく、それどころか上位にすら顔を覗かせたこともない。
だいたい、未だにGoogle先生が提示するサジェスチョンがこれなのだ。ナンボ足掻いてみても、この現実からは今のところ逃れられないのもまた事実なのだ。
まあ、確かに弱いだろうよ。成績から見たら一目瞭然だよね。
でも、数字が示す結果ほど、ヘタレなわけではない。少なくとも、昔みたいに浜田が得点したら、その何倍も取られてコテンパンにやられる、なんてことは大幅に減った。
どの試合でも、某かの爪痕を残せるようになってきた。だから余計に期待が持てるような状況になりつつある。
2018年に初めて試合を見た相手のボアルース長野にだって、今季久々に対戦したら…
4点先行されながら、そこから猛追してみせるような試合をやってのけてしまうのだから、ただ漫然と何シーズンも過ごしてきたわけではないことが窺える。
あんまり凄まじい試合だったので、こんな感じの文章を書いたけれども、たぶんこれでもあの試合で味わった興奮は伝わりきらないかもしれない。
だけど、考えてもみてほしい。
5年前にはコテンパンにやられた相手に、ある程度の時間が経過したら、逆転勝利まではできなかったものの、激しく追いすがることができてしまうのだ。
そのうち、この差が逆転して、ポルセイド浜田がマジで勝ってしまうことがあるかもしれない、などと夢想ができてしまう程度には、希望が見える試合だったと思っている。
私が、島根県内の、決して浜田市から近いような場所でもないところから、毎度列車に揺られて馳せ参じてるのは、つまるところ、ポルセイド浜田に何らかの可能性があると思っているからだ。
そうじゃなかったら、わざわざ足を運んだりしない。
ガイナーレ鳥取にも感じるであろう「何かを成し遂げたいとする意思の力」を、ポルセイド浜田にも感じてしまうのだ。
もちろん、すぐにそれが達成できるわけではないことを、長年の経験的なものから、自分は何となく思っている。
けれど、そんなくだらない予感すら反故にしてしまうほど、贔屓のチームはとんでもないことをしでかす何かを持っているように思えてしまう。
今(2023/10/10現在)はF2リーグは中断期間であり試合はないのだけど、再開すればきっと熱闘が繰り広げられるだろう。
再開して、最終節に至るまで、ポルセイド浜田はこれまで以上に猛烈な痕跡をF2リーグに残してもらいたい。
きっとそれは彼らになら出来ると、私は確信している。
バカなこと言ってるよ、と思われるかもしれないけれど、私は仮にそれが単なる戯れ言に終わったとしても、この先に待っているであろうポルセイド浜田というフットサルチームの成長に期待をしないわけにはいかない。
その成長を見に、私はこれからもポルセイド浜田を見に行くだろう。
ポルセイド浜田は、もはや私を虜にしてやまないのだ。