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スタジアムは遠きに在りて思うものではない~2024/4/28鳥取往来記
今回の1コ前と2コ前のがこちら。
オールガイナーレYAJINスタジアムで上記含む2試合があって、更に天皇杯鳥取県予選決勝があった(天皇杯の方は不参戦)ので、4月はYAJINスタジアム月間だったのだろう。
そして、4/24にはルヴァンカップの浦和レッズ戦があった。7677名もの観客が集い、2-5のスコアを以て浦和レッズが大勝したそうだが、その夜の鳥取は大賑わいだったそうだ。
「大賑わいだったそうだ」と伝聞調で書くのは、他ならぬ自分が参加してないからであって、要は体感してないのだ。
浦和レッズそのものは1997年にバードに来た時に見に行ってて、その際にゴール裏にも行ってるわけだが、あの頃から浦和レッズは浦和レッズだったと思う。
が、まあ、今回は浦和レッズの話をしたいわけではないので、これはもう打ち止めとしておこう。
今回は、上記の浦和レッズ戦の反動で、たぶんお客は少なめだろうな、などと予想していた。
両陣営のサポーター含めて約8千人ほどのお客が来たのは、浦和レッズ、更に言えばそのネームヴァリューに負うところが大きいと思う。
もちろん、浦和には熱心なサポーターも多数いるが、その人たちの全部が全部、あの夜の鳥取に集結したわけではない。
浦和レッズがもたらす熱を体感したかった人が多かったのではなかろうか。
翻って、今回の相手のFC琉球はどうかというと、ガイナーレ鳥取のサポーター目線でいえば、元監督の金鍾成さんを含む複数のスタッフがいたり、選手でも増谷幸祐選手や鈴木順也選手、或いは福村貴幸選手などがいる。
(ちなみに、今回福村選手はメンバー外だった)
もっとも、そんなことで盛り上がれるのは、それなりにガイナーレ鳥取というチームを知っている私らぐらいなもので、実際にはスタジアムでのメンバー紹介の時に拍手が湧いたりする時に「ああ、この人、以前は鳥取にいたんだ」ぐらいな思い出し方をする程度だろう。
また、ここは重要なのだが、先にあったルヴァンカップでガンバ大阪と対戦し、こちらは見事に勝利している。
ただ、そういった実績はあるものの、それが単純な集客増につながるわけではないとは思う。
通常モードのおもてなしに戻っていた。
まあ、そりゃそうだ。いつもいつも特別なおもてなしをするわけにはいかない。それでなくても我がクラブは先立つものがない方だ。
イベントっぽいものも多くはない。せめてホームタウンデイに指名された自治体がちょっと頑張ってほしかったが、今回は県西部の自治体(西部というかむしろ南西部に位置する西伯郡伯耆町)がそうなっただけに難しかったのかもしれない。
で、そんな鳥取に向かうわけだ。
例によってスーパーまつかぜ一択である。他の列車はない。いや、あるにはあるけどもっと早朝からそんなものに乗ってゆらゆら揺られて鳥取に行くなんて耐えられない。
というわけで、出雲市駅にいる。
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何分にもゴールデンウィークということもあり、恐らくお客が死ぬほど多いんだろうな、と思っていたが、そうでもなかった。
午前7時23分。スーパーまつかぜ4号は発車した。以前のダイヤなら、もう少し遅く(といっても数分だが)発車していたが、今回のダイヤ改正でやくも8号と発車の順番が入れ替わっている。
これの時以来、鳥取に行ってない。だから新ダイヤで鳥取に行くのはこれが初めてということになる。
この日はまさにピーカンであり、山陰という土地柄にしては珍しいぐらいの快晴ぶりだった。
車窓から見える宍道湖もキレイだ。
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やがて宍道湖を抜けて松江に着く。この辺りはまだ快調に飛ばしていた。だがしかし、ちょっとしたハプニングが起こる。
島根県の最東端にある安来に着いた。
だが、この日乗務していた女性車掌氏がアナウンスする。
「この前の方を行く列車が車両点検などをしているため、米子駅が塞がっていて先に進めないので、安来駅でしばらく停車します」
…と、こういったニュアンスのことを。
乗換案内のアプリを見てみると、伯耆大山駅(米子の1コ先の停車駅)で車両故障というか点検をしている列車があるのだという。
結局、安来では15分程度停車し、何とか走り出した…のはいいのだが、米子駅でも客の乗降と重なりつつ、上記と同様のアナウンスを、今度は米子から常務交代した男性車掌がしている。
挙げ句米子でも15分程度待たされる羽目になった。
どの列車の何が故障したのかよくわからないのだけど、安来と米子で足止めを喰らう羽目になった。
車両故障が起きたらしくて、現在米子駅が塞がってて安来で足止め食らってるなう。
— KAZZ@適当さん (六四天安門事件)⚽️🇯🇵 (@kazz_kazz_ver2) April 27, 2024
今度は米子で足止め食らってる。
— KAZZ@適当さん (六四天安門事件)⚽️🇯🇵 (@kazz_kazz_ver2) April 27, 2024
それで、米子も出て伯耆大山に着く。
トラブルの発端駅もである伯耆大山に着く。
— KAZZ@適当さん (六四天安門事件)⚽️🇯🇵 (@kazz_kazz_ver2) April 27, 2024
まあ、とりあえず無事に走り出してさえくれれば良いのだけど。どうにか鳥取にも到着したし。
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で、シャトルバスに乗るのだが、これがなかなかタイト。
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1便の発車時刻にギリ間に合った。両替する時間なかったんで、バスに乗車する時にさせていただいたよ。
琉球率がそこそこある車内模様のまま、バードスタジアムに向かった。
そして…
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着いた。
ね、雲一つない快晴でしょ。
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ここに来るまでに少々時間かかったことなんか、きれいさっぱり忘れる始末だ。
本当にこの日の空は晴れやかそのもの。まだ少し早いけど「五月晴れ」の言葉を贈りたくなるぐらい。
おまけに少々暑い。自分は身体の具合があるからもうそこには行くことはないけど、フィールドにより近い程度の高さ(それでもそこそこ高いけど)のゴール裏なんか大変そうだなあ、と思った。
まあ、それは良いとして。
スタジアムグルメから食おうとなった。いつもの主食屋さんから浮気させてもらって、今回は焼肉牛王さんをチョイスすることとした。
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右)鳥取和牛カルビ焼
すんごい旨いんだよ、これが。やっぱ焼き肉屋さんがチョイスする肉は旨えな、と思わざるを得ない。カルビも牛タンもどっちも食が進む。
自分の体調的にあんまり食が進んでも困るのだが、抑制したくなくなる程度には旨くてたまらない。
なお、箸は写真にあるように2膳もらってしまったが、実際のところは1膳しか使わなかった。残った1膳は未使用のまま、家に持ち帰った。スタジアムでゴミを増やしてはいけないのだ。
スイーツ類も食いたいけど、止めておく。
グッズは、今出てるのはある程度買っちゃったので、アクリルスタンドを買ってみた。
今回のターゲットはこの人たち。
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意味はあまりない。
ただ、東條選手はなかなか今季の出場機会がないので、出場とそこでの活躍を祈願する意味で購入した次第。
田中恵太選手については、ほら、最近活躍してるし。ご祝儀みたいなもん。
徳吉薬局さん恒例の選手カードは、丸山壮大選手と世瀬啓人選手。かっこいい写真だと思う。世瀬選手なんて、精悍な野生の男って顔つきになってきたものね。
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しかし、何度来てもここはサッカーの試合に於ける喧噪がなければ、本当に長閑な場所だ。
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これはまだキックオフよりずっと前の、スタジアム周囲にお客さんがたくさんいる時間帯だと思う。
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個人的にはこいつに両目を開けさせてやりたいと思っていた。
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Adidasのトレッキングシューズなのだけど
個人的には色合いとかお気に入りなのだ。
これを履くと勝率がよろしくないので敬遠していたけど、今年は思い切って履いていくことにした。
そうしたら、こないだヤジンの福島戦の方で勝てた。ならバードでも、となった。
さて、どうなっただろう。結果は後ほどのお楽しみ。
スタジアムに早めに入って、10SPIRITSの頃までボーッとしていた。
ここに自分はあと何回来られるのかなあ、なんてなことをぼんやりと思ったり。
1995年から何度も来てるし、中での居場所も少しずつ変わっていったが、そんな今でもバードは自分の一種の本拠地。
ただ、出雲市からは遠い。それでも、決して安くはないカネを使って往復をキメてしまう。我ながらバカだと思う。
室生犀星の有名な「ふるさとは遠きに在りて思ふもの そして悲しく歌ふもの」という「小景異情」の一節なのだが、これを思い出しながらふと考えてみる。
スタジアムとは、自分にとって「遠きに在りて思ふもの」なのか。
確かに昔に比べて気軽にクルマ転がして行ってみようか、ってなノリで出向けなくはなった。
病気をして身体がちょいと不自由にもなった。こんな自分でも障害者手帳なんてものをいただいている。
だからといって障害者年金みたいなものはいただいていないが、不格好にひょこひょこ歩いたりおっかなびっくり歩いていたりする。
でも、スタジアムを「遠きに在りて思ふもの」だと思ってしまうのだけは良くないよなあ、と感じてしまう。
現実にそう思うようになってしまったら、恐らく自分が自分でなくなってしまうだろう。
スタジアム(フットサルならばアリーナ)に、行ける間は、どんな手段を使ってでも行くしかない。そこで起きることを体感して、自分の中に蓄積しておきたい。
そうしなかったら、自分の存在意義はたぶん大きく薄れてしまうのではないかと思える。
だからこそ、行ける間は「遠くに在りて思ふもの」ではなく、「そこにいて体感するもの」としてスタジアムを味わい尽くしてみたい。
さて、スタジアム談義ばかりしていても仕方がないので、試合の話をしようか。
先にも言ったように、この日の相手はFC琉球。金鍾成さんのサッカーを自分らはある程度知っているので、ガイナーレ鳥取としても与しやすいのかというと、これが決してそうでもない。
前半開始後、間のない頃にいきなり琉球に先制点が生まれてしまった。決めた富所悠という選手は、以前から名前をよく耳にする怖い選手だ。
たぶん、鳥取には一瞬齟齬が生まれたのだろう。そこを決して見逃してくれない琉球というチームだ。
この日の琉球はこの先制点が大きく影響したのか、鳥取を質量共に凌駕するたたみかけを見せ、その気になれば追加点をすぐに奪いそうだったが、むしろ逆で、琉球はペースこそ握っているし、必要に応じて畳みかけても来る一方で、後々考えてみると有効打がどのぐらいあったのか、という気はする。
どちらにしろ、攻撃の主導権を制している感じのする琉球には、少し手も足も出にくい状況にはあった。
だが、転機はいきなりやってきた。琉球陣ペナルティエリア外で鳥取がフリーキックを獲得した。
温井駿斗選手と普光院誠選手が何事か話し合っている。それがまとまり、普光院選手が動き出したが、彼はボールを蹴らない。
少し間があって温井選手が、立っていた三枚の壁を巻いて鋭い弾道のフリーキックを叩き込んでしまった。琉球のGKパクソンス選手が横っ飛びするも届かない。
開始直後の失点以降、琉球にペースを掌握され、苦しんでいた鳥取がここで起死回生の一発を放った。
更に、普光院選手が稲妻のようなパスを出すと、そこにスルスルと忍者の如くうやってきていたのが田中恵太選手。うまくタイミングを計って放った抑制は効いていたものの鋭いシュートはパクソンス選手の横っ飛びも及ばず、ゴールへと吸い込まれていった。
あれは恐らくそこしかない、という部分が見えていてのシュートだったのではないか、と思っている。
これら2得点で一気に形勢をひっくり返してしまった。ガイナーレ鳥取は本当に何をやるかわからない。
前半は2-1で終わった。
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鳥取がリードこそしているものの、まだどっちに転ぶかはわからない。金さんもこのまま黙って引き下がる人ではない。
後半になると、鳥取・琉球ともに人を入れ替えてきた。まだまだ試合は道半ばなのだ。
ここからはお互いの丁々発止が続く。ヒートアップした場面も時折見られていたが、そこはやはり控えてナンボという気もする。
ただ、鳥取も琉球も数日前にルヴァンカップをやったばかり。琉球は勝ったが、鳥取は敗戦した。そこから得られる疲労の残り具合がどうなのか、という気はしていた。
おまけにこの日、気温25℃。少し暑い。さっきも述べたように、五月晴れのどピーカンである。曇っていれば、まだ日光が来ない分だけいいのだが。
ともあれ、両チームの選手を4月末にしては暑さを感じる陽気の中では、動きにくくもあったんじゃないか。
とは思うものの、両者精力的に動き回る。そういう事情かは知る由もないだが、琉球が前3枚を変えてきたので、その分、シュートに達しにくくなってきたのか。
わからないけど、両者一進一退の時間が刻々と過ぎていく。
そうこうするうちに後半の45分が過ぎようとしていたが、アディショナルタイム表記を見て一瞬たじろいだ。
7分とあったのだ。
後半追加7分
— KAZZ@適当さん (六四天安門事件)⚽️🇯🇵 (@kazz_kazz_ver2) April 28, 2024
ですよね、としか言えない。
後半の開始からここに来るまでにいろいろあったので、それは何となくわかるのだが、いざ事実として目の当たりにしたら正直驚いた。
でも、何とか耐えていくしかない。
そう思った。
だが、そんな追加時間がある程度経過した頃、エラいことが起きた。
鳥取ペナルティエリア内で琉球の選手が倒される。倒したのは世瀬選手らしい。その場ではわからなかったが、ダイジェスト版で確認した。
主審が笛を鳴らした。言うまでもないことで、ペナルティキックの判定が下された。
これはイカンと一瞬は思ったが、こういう時に自分などは意外と「何とかなるんじゃね?」などと思ってしまう。
ペナルティキックのキッカーは、この間のガンバ大阪戦でも決勝点となる得点を決めている白井陽人選手。
対するこちらのゴールキーパーは櫻庭立樹選手。
緊迫の一瞬。
横っ飛びする櫻庭選手。ボールがその手前に転がる。それを見た相手選手が猛然と突っ込んでくる中、すかさず櫻庭選手の長いリーチがこれを抑えにかかる。
結果、ボールは相手選手が前に蹴り出す形になりゴールインならず。
こちらのチーム公式のポストの動画をご確認願おう。
【4/28(日)琉球戦】
— ガイナーレ鳥取 (@gainareofficial) April 28, 2024
𝐒𝐮𝐩𝐞𝐫 𝐒𝐀𝐕𝐄 🎥✨#櫻庭立樹 選手がPKをストップ🧤👏
▽見逃し配信はDAZN📲https://t.co/OTtPMSkQgF#ガイナーレ鳥取 #StayHungry pic.twitter.com/FxaHNlH5Rx
いや、これは本当にシビれた。
温井選手の同点フリーキックとか田中恵太選手の勝ち越しゴールとか、とんでもねえなあとは思ったが、それらを全部飲み込んでしまうビッグセーヴ。
前半の状態から後半45分+7分の激闘の末、辛くも逃げ切ったガイナーレ鳥取。濃密な時間経過だけが自分の中を通り過ぎていく。
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こうしてゴールデンウィーク第一弾は終わった。
ライトグリーンのAdidasのトレッキングシューズにもようやく2勝目をプレゼントできた。
試合後はシャトルバスに乗って鳥取駅へご帰還だ。
そして駅のドトールに行く。
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帰りもスーパーまつかぜに乗る。
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往路があれだったので、復路は極端に遅れなければ良いや、ぐらいの気持ちでいた。
実際、途中で多少の遅延はあったようだが、ほぼ気にならない程度だった。
出雲市駅に着いたら、いつもだと黄色いネコにお知らせさせるところだが、今回はこれにお願いした。
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次は大宮戦なわけだが、混まずに行けるかな、とそこだけ心配。
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