SC鳥取~ガイナーレ鳥取の懐かしき五人衆
突然だが、少し触れたように、ガイナーレ鳥取などについてチラチラと書いてきたブログを止めることになった。
そのことにちなむわけでもないけれど、SC鳥取及びガイナーレ鳥取で、個人的に特に強く印象に残っている選手を五人挙げていく。順不同で、且つ敬称略なことをお許し願いたく思う。
1:山村泰弘(DF)
この3番の方が山村。
愛知県出身の彼は水戸ホーリーホックからSC鳥取に移籍してきた。当時(2004年のシーズン終盤)、確か三人の選手がほぼ同一のタイミングで移籍してきており、山村もそのうちの一人だったと思う。
(残りの二人は小倉裕介と浜村大樹だったはず)
結局その時の移籍選手三人組で最も長期間在籍したのが山村だったと記憶している。
彼は人懐っこい人で、無愛想きわまりない私にすらにこやかに話しかけてくる。逆にこちらの方が申し訳なく思えてしまうほどだった。
それぐらいいい人だった。一度ピッチに出ると、これが闘志の塊みたいな選手になってしまう。
彼はガイナーレ鳥取での現役引退時(後にマルヤス工業、今で言うFCマルヤス岡崎で現役復帰する)に、こちらで送別会みたいなことをされた選手でもある。何故そんなことを知っているかというと、私もそこに参加したから。
その後、少しの間ガイナーレ鳥取のコーチを務めていたが、やがて地元の愛知県に帰郷し、そしてマルヤス工業に入団して、現役復帰した。
たまに鳥取に遊びに来るという話を聞いたことはあるけれど、今のような体調になってから山村と会ったことがない。
彼と会って、軽く話をしてみたいのにな。人付き合いの苦手な私がそう思うぐらいには文句のつけようがない好漢だ。
2:井上敦史(GK)
物静かな印象のある彼も、こういうひょうきんな面を持っている。
今は福島ユナイテッドのスタッフとして働いている井上だが、元々はコンサドーレ札幌(今で言う北海道コンサドーレ札幌)にいた。
ただ、その頃はまだルーキーで、その後、横河武蔵野FC(今で言う東京武蔵野シティFC)に移籍し、レギュラーポジションを獲得するに至り、これが契機となってガイナーレ鳥取に移籍してきた。
鳥取でもレギュラーポジションを得ていたが、2009年に移籍してきたシュナイダー潤之介とのポジション争いに敗れ、レギュラーをシュナイダーに譲る形になった。
シュナイダーはその年限りで横浜FCに去ったが、代わりに小針清允(今は南葛SC選手兼コーチ)が加入してくることになった。井上のライバルはシュナイダー以上に強大なものになった。
2009年2010年と試合出場はなかったが、2011年と2012年には久々にいくつかの試合に出場している。出場機会は限られながらも、出場の際の準備は怠らず精進してきた結果だろう。
しかし、2012年シーズンを最後に井上は現役を退いた。
その後、彼は福島ユナイテッドに移り、そこにスタッフとして加入した。鳥取から移った気心の知れた人物にも救われ、今も福島での居心地が良いようで、元気に仕事をしているようだ。
福島が鳥取に試合に来る時、彼も一緒に来ることがある。ここのところ、あんまり会えないけど、久々に会ってみたい。
3:鶴見聡貴(MF・FW)
恥ずかしいから止めてあげて。
鶴見は元々湘南ベルマーレにいた。2007年の布勢でのロッソ熊本戦の前に移籍してきて、そのロッソ熊本戦でデビューした。
そうしたら、いきなり得点した。これで彼のイメージは一気に固定された。つまり、何か途轍もないことをやる男だ、というイメージに、だ。
移籍後間もない頃、何故か自慢のアフロをバッサリやっていた時期がある。理由は知らない。
途中怪我をしたりと、順風満帆なガイナーレ鳥取での選手人生ではなかったが、明るいキャラクターでチームを盛り上げた。
その後、2013年に鳥取を辞し、奈良クラブへ移籍。ここでも明るいキャラクターで人気をさらった。もちろん、実力もキッチリ見せつけた。
2015年にはFCマルヤス岡崎に移籍しているが、ここは一年で辞し、ここで現役を退いた。
ところが、2017年。彼は鳥取に帰ってきてしまった。春先の試合でバードスタジアムに行ったら、鶴見からいきなり声をかけられてビックリした。
言っておくが、現役当時の彼とは一面識もなかったにもかかわらず、それでも彼は話しかけてきた。嬉しいとか何とかよりも、むしろ驚いた。
でも、そんな彼は今も鳥取のスタッフとして懸命に働いてくれている。この辺りの動画に、その活躍ぶりの一端がよく表れている。
明るいキャラクターは、むしろこういう動画向きだと思う。本人も楽しんでこういうものの収録をしているんじゃないか。見ていてこちらも楽しくなってくる。
また、別のシリーズでも楽しみにしたい。
最近はInstagramで描いた絵を披露していて、絵心のない私には素直に感心してしまうものだ。
4:江後賢一(MF・FW)
実はカメラがちょっと苦手らしいイケメンさんである。
お世辞抜きに言えば、鳥取のスピードスターだった。古株の応援者の中には彼を愛好する人も多い。
彼は、名古屋のユース辺りで腕を磨き、その後、順大に入り、そこで活躍の後に、ヴァンフォーレ甲府に入り、2003年から3シーズン、SC鳥取でプレーしていた。
サイドが主戦場で、文字通りのスピードスターだった。バカスカ得点を量産するというわけでもなかったにしろ、決して強豪とは言えなかった当時のSC鳥取において、勿体ないほどの超攻撃的選手だった。
しかし、よそのチームがそんな選手を放っておくわけもなく、2006年からJ2へと駒を進めた愛媛FCに移籍している。ここでも大活躍だ。2008年まではまさに大車輪の活躍ぶりだった。
ただ、2009年と翌2010年に出場数を減らし、結局2010年を最後に引退してしまった。
その後は愛媛FCのレディースで監督をやったりして、現在はNGU名古屋FCのスタッフをやったりしている。
なでしこリーグの名鑑で、彼の姿を見たことがあるが、相変わらずカメラが苦手なのか、カメラから目線を外している。
5:小澤竜己(FW)
ユニフォーム姿もカッコいいのだけど、敢えてスーツ姿のこれを選んでみるとする。
青森山田高出身の彼は、FC東京でJデビューを果たしている。
これは2006年の天皇杯(岡山・桃太郎スタジアム)での風景だが、確かに小澤は当時、FC東京にいた。このダンマクが何よりの証拠だ。
ただ、FC東京では今一つ力を発揮できず、それでやってきたのがガイナーレ鳥取だった。
移籍初年度に11得点を挙げるなど、一躍チームのトップスターにのし上がった。
彼自身もそうだが、こういう、人を惹きつけるキャラクターの持ち主だと思うし、それはこの後の経験にも生きてくる。
2010年を以てガイナーレ鳥取を退団した彼は、ブラウブリッツ秋田に移籍した。
しかし秋田も1年で辞した彼は、その後、タイ王国を皮切りに複数の国のチームでプレーをするようになる。
タイ、ラトビア、ポーランド、インド、その後タイに戻り、一度日本で数ヶ月プレーした後、フィリピン、そして今は再びポーランドにいる。
まさしく海外を渡り歩き、彼らしいひたむきさでプレーを続けている。そんな彼の生き様が大好きだ。
恐らく、根は明るい彼のキャラクターが、人的な交流に活かされているのだろうと思う。
ちなみに彼のお姉さんは、女優というかタレントさんらしい。
実際、写真等で見たことがあるが、美しい人である。そのお姉さんにも恐らく似たのだと思うけど、陽性なキャラクターで物怖じをしない人なのだろうなと思ったりする。
この先、どうするかは知らないけれど、彼の納得いくまでプレーを続けてほしい。
6:その他、惜しくも選に漏れた選手たち
ここでは、上記の五人の中には選ばれなかったが、忘れがたい選手たちを列挙する。
その中では、やはり内間安路(現ガイナーレ鳥取スタッフ)を挙げないといけないだろう。
彼もまた陽性の人である。彼を育んだ沖縄の地がそうさせているかどうかは知らないが。
サガン鳥栖でプレーしていた彼は、2010年に鳥取に来た。鳥取の地は彼と相性が良かったようで、彼は結局、このチームのスタッフにまでなった。
今は、文字通りガイナーレ鳥取の顔みたいな人物である。対外的に有名なのは岡野雅行GMなのかもしれないが、私は彼の親しみやすさの方に、むしろ安心感を覚えてしまう。
2010年の町田ゼルビア戦で決勝点を決めたことで、一気にファンのハートをわしづかみにした。
同じようにサガン鳥栖から来た選手というと、小井手翔太(MF)と加藤秀典(DF。現松江シティFC)を挙げておきたい。
左が小井手。
後列右から三番目が加藤。
二人とも良い選手だった。特に加藤は個人的には思い出がある。
だいたい、ユニフォームに選手の番号を自発的に入れない私が積極的に彼の番号を入れてしまうぐらい愛好していた選手だ。
2008年のオフザピッチパーティーの鳥取会場で彼に話しかけたら、あまりいい顔をされなかった。
内心ちょっと傷ついたが、あれは私も話しかけ方がダメだったのだろう、と思ってもいて、だから機会があれば、加藤にお詫びをしたいぐらいだ。
まあ、向こうはたぶんこれっぽっちも覚えていないだろうが、一度まともに会話してみたい。
小井手は人の良い選手だったと思う。彼も鳥取にとっては得難い個性の持ち主だった。
加藤は、その後、地元のヴィアティン桑名~ヴィアティン三重に移籍し、近年では松江シティFCで睨みを利かせている。松江の黄色いユニも意外に似合っている。
小井手の方は、ガイナーレの後、タイに渡ってプレーをした。2015年に帰国するとグルージャ盛岡に移籍し、翌年から二年間、奈良クラブに籍を置き、結局そこで引退した。
いろいろな選手がSC鳥取やガイナーレ鳥取には在籍したが、上記の選手たちは特に個人的には忘れ難い。