見出し画像

cool640lpビルドログ

どうも普段モバイルアプリエンジニアをしているkazy_developerです。

今回は、cool640lpという40%一体型自作キーボードを組み立てたので、それについての組み立て記録の内容になっています。

完成後2週間使ってみた感想は以下に書きました。

ではでは。

1.経緯

自作キーボード沼に浸かって早半年が経とうとした頃、
初めてキーボードわいわい会Vol.7という国内最大級の自作キーボードイベントに参加したのですが、
そこで、m.kiさんと出会い、cool640lpをご提供いただいたのがきっかけです。

もともとkeyball39をメインキーボードとして使用していますが、
なんというのでしょうか。

原点回帰?かはわかりませんが、
1周回って今度は、一体型の40%キーボードが欲しいなと思っていたんですよね…

本当に絶妙なタイミングでのご縁で自分でもびっくりしています。
この度は本当にありがとうございました。

多分、提供メンバーの中では最後の組み立てとなってしまったようで大変恐縮なのですが、ビルドログを載せさせていただきます。

また、今回、先立ってビルドログを書かれているなかむらさんの記事が組み立て時に大変参考になりました。

以下ビルドログは、m.kiさんの公式ビルドガイドを確認しつつ、なかむらさんのビルドログを参考にした内容となります。


2.ビルドログ

2-1.内容物(ご提供いただいたもの)

  • PCB

  • 3Dプリントスイッチプレート

  • 3Dボトムケース

2-2.別途準備すべきもの

  • ダイオードSMD 40個

  • キーソケット choc 40個

  • リセットスイッチ 1個

  • コンデンサ 1個

  • 電池ホルダー 1個

  • スライドスイッチ 1個

  • M2ねじ 4mm 8個

  • M2スペーサー 2mm 4個

  • BLE Micro Pro 1個

  • コンスルー 3.5mm 2個

  • キーキャップ 1U 38個、1.5U 2個

※今回は試供品のため、部品群はすべて準備が必要でしたが、正規購入版は基本セットに入っていない部品だけ購入すれば大丈夫です。

2-3.まずは部品の準備

というわけで、早速部品たちを準備するのですが、
どこで何を購入するのが良いか
ビルドガイドにとても丁寧に載せてくれています。

ビルドガイド Parts list

自分の場合は、ほとんど遊舎工房さんで揃えられました。

キーキャップとキースイッチはAliexpressで

を購入しました。

BLE Micro Proは直近品薄のようで、遊舎工房さん、せきごんさんのboothともに売り切れだったので、入荷を待って、せきごんさんの方で購入しました。

また、今回は、試作基盤の為動線も必要とのことでしたので、Amazonで動線も購入しました。
後述しますが、僕が買ったのはオスメスピン付きのものだったので違うものを買えば良かったと後悔しています笑
しかし、これも勉強になりました。

https://amzn.asia/d/hzmsPRQ

2-4.まずは3Dプリントケースのバリ取り

いただいたボトムケース、スイッチプレートはバリが残っているので取りつつ、尖ったところは少しやすりがけをします。
※正規購入版は不要かと思います。

バリ取り完了

2-5.ダイオードのはんだ付け

それでは自作キーボードの一番の醍醐味であるはんだ付けに入っていきます。
ダイオードには向きがあり、ダイオードの表面の線が入っている方とPCB上の線がある方を合わせる必要がありますので注意しながら行います。

ダイオードの線に関しては、これ肉眼でわかる人がいるのだろうか…と思うほど見えないので自分はいつもiPhoneカメラで拡大してチェックしてます笑

ダイオード取り付け開始
  • ダイオードを向きを揃えて並べておく

  • 片側にはんだを持っておく予備はんだ

を行うと割とスムーズにできます。

2-6.スイッチソケットのはんだ付け

スイッチソケット取り付け完了

個人的には自作キーボードの組み立てで一番好きな工程です。

がしかしダイオードと同じでソケットにも向きがあり、PCB側と合わせる必要があります。
調べたところ間違えても使えるようですが、しっかり揃えておきたいところです。
こちらも予備はんだをしておくと楽に進められると思います。

参考:Kailh Choc v1スイッチソケットの実装方向に関する注意

2-7.リセットスイッチのはんだ付け

PCBの裏面から挿します。

リセットスイッチPCB裏面

次に裏返し、PCBの表面にはんだ付けを行います。

リセットスイッチPCB表面

2-8.スライドスイッチのはんだ付け

ビルドガイドに記載があるように、遊舎工房だと
Primer29/61用電池部品セット(コイン電池)
を買えば良いのですが、自分は間違えて、

間違えて購入した電池部品セット

Primer16/79用電池部品セットを買ってしまったんですよね…笑

遊舎工房サイト説明欄キャプチャ

なので、今回はスキップすることにしました。

必要なのは3pinです。ご注意を!

ただし、コンデンサとボタン電池ホルダーは付けられるのでココだけやっておきます。

電池ホルダーはんだ付け完了

コンデンサ付けた写真を撮り忘れたので、↑はホルダーしか付いていませんが、コンデンサもつけてあります。

電池ホルダーは、リセットスイッチの反対側からボタンを挿入することになるので、画像のような向きではんだ付けすればOKかと思います。

コンデンサはリセットスイッチの横の箇所にはんだ付け(PCB裏面のみ)
電池ホルダーはPCB表面だけはんだをつけます。

また、電池ホルダーは、はんだ付け時に、ぐらついてしまう為、マスキングテープで固定した上ではんだ付けすると楽です。

2-9.配線が繋がっていない箇所を動線で繋ぐ

いただいたPCBは、以下の箇所が繋がっていないとのことで、購入した動線で繋ぎます。

手配線完了

実は、手配線初めてだったこともあり、少し苦労しました。

僕が購入した動線は、

Amazon商品画像キャプチャ

ブレッドボードジャンパー デュポンワイヤケーブルキット オス-メス
というもので、Amazonでとりあえず買ったものだったのですが、両先端が邪魔なのと長すぎるのでカットしてあります。

2-10.BLE Micro Proを取り付ける

次は、BMPをつけていきます。
ビルドガイドによると取れづらいのではんだ付け不要とのこと。
keyball39の組み立て時もコンスルーピンを使いましたが、Micro Pro側のはんだ領域が小さすぎて苦労した思い出があったので、
はんだ付け不要は嬉しいポイントでした。

注意点は2つです。

  1. BLE Micro Proのピン穴は13個、コンスルーピンは12ピンなのでUSB側に詰めて差す

  2. コンスルーの向きを合わせる

通常のPro Microだと12ピン穴なのでピッタシのようですが、BLE Micro Proだと1つ多い。
調べたところ、サリチル酸さんのブログで詳しく解説がありましたので参考に記載させていただきます。

BMP対応用の電池基板を載せたキーボードを設計しようと考えてるけど、13ピンのコンスルー使わないとダメ?

BMPに差したコンスルーの位置

コンスルーは金色の窓がある方がProMicroに近くなるのを推奨しているようで、上記のようにして合わせます。
遊舎工房さんのサイトにも記載がありましたので参考に載せておきます。

コンスルー(スプリングピンヘッダ)の取り付け方を教えて下さい

BMP取り付け完成

2-11.キースイッチを取り付ける

のちほどキーの反応テストをする為、キースイッチをつけておきます。
今回使うのは、kailh deep sea silent islet mini です。https://ja.aliexpress.com/item/1005007361067887.html
とっても静かで心地よい静音リニア軸なのでかなりおすすめのスイッチです。

2-12.BMPの設定

ここまできたら残りは設定関連になります。

m.kiさんの以下の記事とても丁寧に書かれていて、その通りにしたらつまづくことなく設定することができました。

2-13.Vialでキーマップを設定

あとはキーマップを設定していくことになりますが、その前に各キーがすべて反応するか試していなかったので、このタイミングでテストしようと思います。

m.kiさんの記事通りに進めていたので、そのままVialでとりあえずキーマップを設定しておきます。

自分の場合は、レイヤー0のデフォルトキーが最上段以外ブランクで表示されていたので、何か設定間違えたかな?
と思ったのですが、普通に設定できたので、そこはあまり気にしませんでした。

Remapしか使ったことがなく、Vialの操作がわからなかったのですが、以下のサリチル酸さんの記事が大変参考になりました。

また、この段階で、レイヤー0,1,2,3…とすべてのキーを完璧に設定しておく必要はないですが、のちほどBluetoothの接続チェックを行いますので、
どこかにBluetooth関連のキーを設定しておきましょう。

以下、なかむらさんのビルドログに関連キーの記載があるのでそちらを参考にさせていただきました。

ただし、BLE Micro Proのファームウェアの書き込みを完了している時点で、PCとは既にペアリングが完了しているので、必須ではありません。

また、キーテストは上部のタブ一番右のMatrix Testerから行えます。

Vial Matrix Testerタブ

ここで全キーが反応すればこれでケースをつければもうすぐ完成なのですが、実は、1キーだけ反応しませんでした…泣

なので、PCB裏面から反応しないキーについてまずは確認をしました。

  • キースイッチのツメが折れていないか?

  • ダイオード、キーソケットのはんだ付けが正しくできているか?

特定のキーが反応しない場合は、上記2点をまず確認するのが良いようですので、入念に確認します。

すると…

ダイオードの片側のはんだ付けを忘れていたのが原因のようでした。

やりなおして無事全キー反応確認OK!

2-14.プレート/ケースの取り付け

最後に、3Dケースたちを装着していきます。

挟む順番は下から、

  1. M2ネジ

  2. ボトムケース

  3. M2スペーサー

  4. PCB

  5. スイッチプレート

  6. M2ネジ

の順番になります。

ボトムケースにM2スペーサーを載せて下のネジ止め

M2ねじ 4mmを8個使用するようなのですが、
自分のセットでは、4mmでは表、裏ともにスペーサーまでネジが届かなかったので、

表のスイッチプレートから入れる4つは6mm
裏から入れるネジは奥2つが8mm、手前2つが6mmを使いました。

もしかしたらケースの下処理が足らなかったのかもしれません。

2-15.最後にキーキャップを取り付けて完成!!

キーキャップは、Aliexpressで購入したwomier PBT ロープロファイルダブルショットです。

完成したcool640lp

3.ついに完成🎉

ロープロも、無線も、40%一体型もいずれも初めての自作だったので時間がかかってしまいましたが、なんとか組み立てることができました。

使用して間もないですが、
真ん中に1列の余白が空いていることで、通常のキーボードよりもタイピングしやすくてとてもいい感じです。

それでもってコンパクトで軽くて、外出用にぴったり。
まだ家でしか使っていないので楽しみでなりません笑

m.kiさん素敵なキーボードをご提供いただきありがとうございました。
大事に使わせていただきます。

3-1.無線使用にあたって

今回、BMPにしたものの、スライドスイッチをまだ取り付けていない為、後日、準備できたら無線で使ってみようと思います。
その間は、有線で楽しもうと思います。

4.追記:スライドスイッチ取り付け〜Bluetooth接続まで

4-1.スライドスイッチはんだ付け

さて、後日、Primer29/61用電池部品セット(コイン電池)をして付属の3ピンスライドスイッチを手にいれることができたので、取り付けていきます。

PCB裏面から撮影したスライドスイッチ

少しぼけてしまいましたが、裏面から挿して、表面の3点をはんだ付けします。
はんだ付け後、
ボトムケースにはいくらかその分のスペースが確保されていましたが、
恐らく、ピンが長いのでそのままではボトムケースとぶつかるだろうと思い、ニッパーで3つともはんだ付け部分より上の方を切断しておきました。

スライドスイッチを取り付けたら、念の為、スライドスイッチがオフになっているか確認しておきましょう。
上の画像でいう下側になっていればOKです。

4-2.ボタン電池取り付け

さぁ残すところは、ボタン電池を入れるだけのはず。
しかし、ボタン電池を使用したキットを作ったことがない自分は、

「上下どちらが上にくれば良いんだろう?」
という究極の疑問にぶつかりました…

かなり根気よく調べてボタン電池ホルダーにボタン電池がセットされている画像を探しました。

正解はコチラです。

ボタン電池をセットする際

そうです。
正解は、画像のようにPCBに対して上側がボタン電池のプラスとなるように挿入します。

これで30分以上頭を抱えたのでビギナーの方は注意です。

4-3.Bluetooth接続を試す

いよいよですが、
接続を試してダメだった時のことを考えて、3Dケースはすべて動作もOKになった後、最後に取り付けるのが良いと思います。

かくいう僕は、ケースを取り付けたとにBluetooth接続を試すもMacのBluetooth一覧に表示されず四苦八苦して、何度もケースを外したりを繰り返していました。

ではでは、
ボタン電池を入れ終わったら、スライドスイッチをPCB表が上の状態から見て、奥側にスライドさせて電源をオンにしてください。
通常、すぐにbluetoothが接続するはずです。
(僕はMacですが、オンにして秒で接続されました)

やったー!これで念願の無線自作キーボードの完成です。
楽しい自作キーボードライフを過ごしましょう。

5.その他後日談…

あとから思い出した内容で備忘録として残します。
どなたかの参考になれば幸いです。

5-1.ネジの長さが足らなくて買ったが黒いネジが見つからなかった話

3Dケースを固定する時のネジがM2ネジ4mmだと足らなかったので、今回上下でそれぞれ長めのものを最終的に使用したのですが、表のスイッチプレート側の4つのネジは、キーキャップの隙間から少し見えます。

なので、あまり目立たないように黒いネジを使いたかったのですが、丁度良いM2ネジの黒がなかったので、上下ともに銀色のネジを使いました。

もし黒いM2ネジの6mmや8mmがあったら付け直そうかなと思います。

5-2.Ble Micro Proにconfig.binを入れたのにすぐ消えたけど問題なかった話

m.kiさんの記事
BLE Micro Proの設定の仕方メモ(vial用newバージョン、一体型)#2 config.binを入れる

に記載の通り、
cool640lpのリポジトリにある以下のconfig.binをダウンロードして、MacにマウントされたBLE Micro Proへドラックアンドドロップして入れた際、

僕の環境だと、ドラックアンドドロップしてすぐにそのディレクトリから入れたはずのconfig.binが消えました。
なんどドラックアンドドロップしても消えたのですが、入れた瞬間に認識されてどうにかなっただけなのかな?
と思ってそっとしてあります。

実際、問題なく使えてますので、とりあえず同じ手順通りドラックアンドドロップで入れておけば大丈夫かと思います。

5-3.Bluetooth接続の電池の持ちは心配無用でOKな話

まだ使用して間もないのでなんともですが、今の所すこぶる持ちがよく、Macの場合は、Bluetooth接続一覧に電池残量が表示されますが、いまだに99%です。

サリチル酸さんの以下の記事によると

せきごんさん曰わく、計算値は1000時間だそうです。
そのまま1000時間持つとすると1日8時間使うと125日間持つ計算です。

Bluetooth接続用のProMicro互換ボード「BLE Micro Pro」の話

だそうなので、ボタン電池切れる度にケースから取る必要はありますが、このレベルであれば心配無用ですね。
素晴らしい。

また、残量を表示させるVialのキーコードもあるみたいなので、詳しくは、上記記事を読んでいただくことをお勧めします。
有料記事レベルの詳細がまとまっています。
サリチル酸さんほんとすごい…

6.最後に

他にもいくつかあるのですが、ビルドログとしては、少し逸れてしまうものもありますので、
後日cool640lpをしばらく使ってみた感想を書きたいなと思っていますので、その時にでも書かせていただこうかと思います。

少し時間が経ってしまいましたが、ひとまず無事にビルドできて良かったです。

興味がある方はぜひm.kiさんのcool640lpチェックしてみてください。https://x.com/0002ozlet



いいなと思ったら応援しよう!